厚生労働省が1月27日に開かれた中央社会保険医療協議会(中医協)の総会に提示した一般病棟入院基本料の改定案によると、一般病棟の長期入院(90日超)に対する減額措置をすべての年齢層に拡大した後も、医療機関が退院支援の状況を毎月報告すれば、従来通りの出来高算定を認める。減額措置の対象拡大が「患者の追い出しにつながりかねない」との懸念に配慮している。

 現在の仕組みでは、75歳以上の患者が90日を超えて入院する場合、一般病棟は通常の入院基本料よりも点数が低い「後期高齢者特定入院基本料」(928点)を算定し、検査や処置などに対する診療報酬もこの中に包括される。
 ただし、「人工呼吸器を装着している」など12通りの「特定除外項目」のいずれかに該当する患者は減額対象にならず、通常の出来高の入院基本料を算定する。

 厚労省の改定案によると、4月の診療報酬改定では、90日を超えた入院に対する減額措置の対象を全年齢に拡大する。ただ、新たに対象となる患者については、「退院支援状況報告書」を提出すれば90日を超えても従来の出来高算定を認める。
 厚労省は2008年9月5日付で、「特定除外項目」に該当しない高齢者が90日を超えて入院しても、退院や転院の努力をしていれば減額しない方針を通知。条件として、病名や退院支援の概要、予想される退院先などを退院支援状況報告書に記入して毎月提出することを求めている。

 厚労省担当者の説明では、来年度から新たに減額対象になる患者についてもこれと同じ取り扱いとし、これらを記入した報告書を地方厚生局に毎月提出すれば、従来の出来高算定を認める。

■「72時間ルール」の激変緩和、結論は持ち越し
 改定案ではこのほか、「7対1」と「10対1」の看護配置を敷いている一般病棟が、看護職員の月平均夜勤時間を72時間以内にする要件だけを満たせない場合の評価として、「7対1特別入院基本料」と「10対1特別入院基本料」を新設する方向性を盛り込んだ。従来の入院基本料に対する一定割合の算定を、1か月間に限り認める内容だ。

 しかし27日の総会では、四病院団体協議会が緊急実施したアンケート調査の結果を西澤寛俊委員(全日本病院協会長)が次回の総会に提出することが決まり、結論は持ち越された。

 改定案では、結核病棟入院基本料についても同じ取り扱いとし、精神病棟入院基本料にも「10対1特別入院基本料」を新設する方向性を示している。
 これらの点数の新設は、急性期医療を提供する「7対1」と「10対1」の病棟が、看護師不足などから「72時間ルール」をクリアできずに点数が大幅にダウンするのを防ぐための措置。厚労省の佐藤敏信医療課長は総会で、「トライアルというか、最初はこういう形でやっていく」と説明した。

 また、入院早期の加算引き上げに対しては、一般病棟だけでなく特定機能病院も念頭に置くよう求める意見が上がっていたが、次回の報酬改定では一般病棟に限って評価することになった。このほか、一般病棟15対1入院基本料は現在の1日954点から引き下げ、準7対1入院基本料は廃止する。


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