八ッ場(やんば)ダムの建設中止を表明している前原国土交通相は24日、群馬県長野原町の建設予定地で住民との初の意見交換会に出席した。

 「将来に対する不安を抱かせていることはすべて政治の責任」。国交相は深々と頭を下げたものの、「皆様の気持ちに応えることができない可能性もある」と建設中止を撤回しない姿勢を見せた。このため住民側は「建設中止を受け入れたわけではない」と反発し、双方の妥協点は全く見えないまま会合は約2時間で終了した。

 この日午後2時、会場となった長野原町の町立体育館に姿を見せた前原国交相が小さく一礼すると、集まっていた水没予定地5地区の住民約140人は息を潜め、会場にはピリピリとした空気が漂った。

 「建設を中止すると申し上げ、大変な困惑と怒りとご迷惑、そして将来に対する不安を抱かせていることはすべて政治の責任……」

 前原国交相は冒頭、静まりかえった住民たちに再び頭を下げた。そして「ダムを横に置くならば、どういう生活再建を国として作り上げていけるか時間の勝負」と早期に議論を進めることを呼びかけ、「ダムがない状況で、皆さんの生活をどう作れるかお話をさせていただきたい」と述べて、もう一度頭を深々と下げた。

 これに対し、水没関係5地区連合対策委員会の委員長、萩原昭朗さん(78)が「建設中止の方針を受け入れたわけではないので、建設中止になった場合の議論はしない」と抗議の声を上げ、その後、代表の12人が意見表明に立った。

 「大臣、こっちを見て下さい」。手元の紙にメモを取っていた前原国交相にそう呼びかけたのは、ダム問題による過労で14年前、夫が突然死したという長野原町議の星河由紀子さん(67)。「移転した人たちは『ダムができればあきらめがつく。できなければ古里への未練が残る』と言っている。そのためにもぜひダムを完成させてほしい」。星河さんの涙の訴えに、会場から大きな拍手が上がった。

 会合終了後、「大臣は色々説明したが、表面上、何を言おうと本音は中止なんだろう」と、あきらめたように話す住民もいた。

 前原国交相は昨年9月に就任後初めて長野原町を訪れる前、地元の理解が得られるまでは建設中止の手続きを始めないことを表明。その後、建設継続もあり得るとも取れる姿勢を見せたことなどから、住民は12月17日、意見交換会に応じることを決めた。

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