「私は、何も隠し立てすることはございません」。自らの資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件を巡って23日、東京地検特捜部の事情聴取を終えた民主党の小沢一郎幹事長(67)は記者会見で「知っている限りのことを申し述べました」と神妙な口調で事件への関与を否定した。

 「検察と全面的にきちんと対決していく」と述べ、強気の姿勢を強調した党大会から1週間。この日は報道陣の質問に声を荒らげることもなく、いつもの「剛腕」の顔は一切のぞかせなかった。

 この日午後8時15分、東京・千代田区のホテルの宴会場に姿を見せた小沢氏のスーツの胸には、議員バッジが輝いていた。300人以上の報道陣を前に着席した時には、「よしっ」と自分に言い聞かせるように声を出し、会場を見渡しながら、約4時間半に及んだ特捜部の事情聴取の内容について説明を始めた。両脇には、木下貴司、南裕史の両弁護士も同席した。

 「具体的な事務は担当の者が行ったので、実務的な点まで立ち入って関与したことはありません」。カメラのフラッシュを浴びながら、言葉を一つ一つ選ぶように語り、刑事責任を問われた場合については「そうならないため、きょうは事情の説明をしたわけです」と苦笑いさえ浮かべた。

 唯一、「不正なお金は一切受け取っていない」と言い切ったのは、中堅ゼネコン「水谷建設」から資金提供があったかと尋ねられた時。これまで特捜部の聴取の要請に応じなかった点を追及されても、「問題点が整理されてからの方がいいだろうと思い、結果として、きょうになったんです」とかわし、いつものように報道陣に強い口調で言い返すこともなかった。

 ただ、事情聴取で黙秘権を告げられたかどうか質問されると、一瞬戸惑う場面も。右脇の南弁護士に確認した後、「私に対する告発があったということで、『被告発人』として説明を伺うという話でした」「黙秘をする権利もあるという話も伺いましたが、一切黙秘権は行使していません」と語り、調書を作成したかという質問に「2通署名しました」と述べて、おしぼりで顔をぬぐった。

 会見が終わったのは午後8時37分。小沢氏は「ありがとうございました」と報道陣に軽く一礼して足早に会場を後にすると、ワゴン車で行きつけの世田谷区内の居酒屋に向かい、関係者数人と2時間ほど食事を共にした。

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