書店で漫画の単行本の試し読みができるタッチパネル式の情報端末「ためほんくん」を「今井書店」(本社・松江市)が開発し、注目を集めている。

 日本書店商業組合連合会を通じ、6都府県の11店舗で試験運用。漫画の単行本はビニールで覆われて立ち読みできないだけに「内容が確かめられて便利」と評判は上々という。

 縦23センチ、横42センチの画面に触れて操作すると、出版社が提供した画像データが表示され、12~60ページを読むことができる。秋田書店、講談社、集英社、小学館、白泉社の主要5社の協力で、紹介する作品数は今月末に500点を突破する見込みだ。書店員がお薦め作品を紹介する映像や売り上げランキングも見られる。

 試験運用は昨年11月からスタート。鳥取県内では、今井書店の吉成店、湖山メディア館(以上鳥取市)、本の学校メディア館、錦町店(以上米子市)の店頭に置かれている。

 鳥取大に近い湖山メディア館で試し読みした男子学生(18)は「気になる作品をすぐにチェックできて便利ですね」。

 今井書店の担当者によると、立ち読みで汚れるのを防ぐためビニール包装が普及したが、中身を見られないのがネックだった。

 一方、インターネットで作品をダウンロードできる「電子コミック」の普及が進んでおり、同社は2008年、デジタル化の流れを店頭での売り上げアップにつなげようと、携帯電話で試し読みするシステムを開発した。だが、画面が小さく「操作も面倒」との意見が寄せられたため、大きな画面の「ためほんくん」を考案したという。

 試験運用は3月までで、その後の扱いは未定だが、担当者は「今後も紙とデジタルデータを共存させ、相乗効果を生み出す工夫を重ねていきたい」と話している。

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