今通常国会で財務相として論戦デビューした菅直人副総理兼財務相が存在感を示している。もともと論戦を挑んでは相手を追い込む「野党型」だが、得意の政治改革や成長戦略では長広舌の政策アピールを展開。挑発にカッとなる「イラ菅」ぶりも健在。自らの偽装献金問題や対検察発言で防戦一方の鳩山由紀夫首相とは対照的な姿を印象付けている。

 22日の衆院予算委員会。菅氏のボルテージが一気に上がったのは、自民党の茂木敏充幹事長代理が政府の経済成長戦略の基本方針を「欠陥商品だ」と断じた時だった。基本方針は菅氏の肝いりで昨年12月にまとめたもので、これが菅氏のかんにさわった。

 「これまでの政権の政策がなぜ達成されていないか。政治的リーダーシップに欠けているからだ。今笑っている皆さんが胸に手を当ててみてください」と野党席をにらみつけながら反論した。

 公明党の井上義久幹事長が、自公政権が作った09年度第1次補正予算を鳩山政権が一部凍結したために「経済対策の空白ができた」と指摘。鳩山首相の認識をただした質問だったが、菅氏が答弁に。井上氏の「首相に聞いているんです」の言葉に耳も貸さず、「中身を変えないと改革できないから凍結した」と反論し、逆に緊急経済対策を盛り込んだ09年度第2次補正予算案への賛成を求めた。

 ただ、この日のパフォーマンスは、菅氏得意の「押しの強さ」を見せたもの。財政政策など菅氏独自の経済運営全般に対する考え方は披露されず、本格的な経済論戦までには至らなかった。【坂口裕彦、野原大輔】

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