「チーム・バチスタの栄光」などで知られる作家で医師の海堂尊氏がインターネット上で記載した記事によって名誉を傷つけられたとして、日本病理学会副理事長の深山正久東大教授が、海堂氏と記事を掲載した日経BP社、宝島社に計1430万円(海堂氏は330万円)の損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟の判決で東京地裁は1月18日、名誉棄損を認め、海堂氏に110万円の支払いを命じた。両社に対する訴訟は継続中。

 海堂氏は、深山教授が解剖前の遺体をCT撮影して死因特定に役立てる「死亡時画像病理診断」(Ai)の有効性について「解剖前の情報として有効だが、解剖に代わるものではない」と提唱している点について、インターネット上で「Ai研究がだめにされる」などと言及。また、深山教授が厚生労働省の補助金を受け、主任研究員としてAiを研究した点についても、専門外で研究実績がないにもかかわらず、厚労省とのパイプがあるため主任研究員になり得たという見解を記載した。こうした記事に対し、深山教授は名誉が傷つけられたと主張、提訴していた。
 畠山稔裁判長は、記事中に深山教授が厚労省と癒着し、研究費を受けた印象を与える記載がある点などについて、事実と裏付ける証拠はなく、深山教授の社会的評価を低下させると指摘。海堂氏に対して損害賠償を命じた。

■「学術の場での反論を」-海堂氏
 判決後、海堂氏は記者会見し、これまで面識もなかった深山教授を誹謗中傷する理由はないとした上で「わたしの批判に対し、反論し議論する場は、裁判所ではなく学術の場であってほしかった」と語った。


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