情報漏えいの相次いだ防衛省が、秘密を含む情報に接する隊員を対象に、任意の内部調査の段階でもポリグラフ(うそ発見器)検査に協力するという趣旨の誓約書を書かせていることが分かった。同省は「秘密保全に重い責任を自覚させるため」と説明するが、一部の隊員からは「情報保全は当たり前だが、初めから犯人扱いなのはおかしい」と反発する声が上がっている。【樋岡徹也】

 防衛省の説明などによると、07年に起きたイージス艦情報流出など、情報漏えいが相次いだための措置。内規の訓令に基づいて今年度、内局や情報本部などの隊員に対し、家族構成などの身上書とともに誓約書の提出を求めた。

 誓約書は例文を基に自書させている。捜査や内部調査の際に「必要な協力を行うことを誓います」との趣旨で「ポリグラフ受検」も明記している。「例文は正確に書き写すのが原則」(同省調査課)といい、内容の変更は認めていない。

 同省は、全隊員を対象に情報管理の個人面談を年1回以上実施。各部局を対象に毎月、パソコンや所持品を調べる特別検査も抜き打ちで実施している。

 調査課は「制度を整えても情報漏えいが完全にはなくならないので、抑止の意味も込めて誓約書を書かせた。あくまで任意で、拒んでも処分の対象にはならないが、秘密を扱う部署には置かない」と話している。

 ◇「違和感」、反発も

 ポリグラフの使用は、強制捜査になっても供述の任意性を担保するため、本人の同意が必要とされる。ある制服組幹部は「警務隊などの捜査の一環なら、まだ仕方ないが、任意が原則の内部調査でなぜ受検に同意しなければならないのか」。背広組の一人も「任意と言っても『ポリグラフ』という言葉にびっくりする人もいる。違和感を感じた」と話す。

 公務員の労働問題に詳しいILO(国際労働機関)の中嶋滋理事は「秘密情報を扱う公務員は他省庁にもいるが、同様の措置は考えられない。ポリグラフ受検も含む誓約書は実質的な強制力があり、精神的苦痛を伴う相当なプレッシャーをかけられ問題だ」と指摘している。

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