阪神大震災から15年を迎えるのを前に、震災の経験と教訓を語り継ごうと、15日、被災地・神戸市に拠点を置く企業が独自に防災訓練などを行った。年月とともに震災を直接経験していない社員も増えるなか、各社は、風化を防ごうとさまざまな防災の備えに余念がない。

 神戸市長田区発祥の工業用品製造業「三ツ星ベルト」は、地震後に事業所内で火災が起こった-との想定で、地元住民と社員400人が集まって地区の防火水槽を使ってバケツリレーで消火訓練を行った。

 実際に震災直後に大規模火災が発生し、深刻な被害を受けた長田区では、同社の社員約60人による自衛消防隊が地域住民と協力して延焼をくい止め、約4カ月間、被災住民へ体育館を避難所として開放した。本社はいったん別の場所へ移転したが、現在は長田の町に戻ってきている。

 当時、工場で夜勤中に被災した同社総務部の桂文男さん(57)は「バケツリレーの訓練を見て、火に包まれた町で消火活動に当たった当時を思いだした」。近くに住む田中克尚さん(65)は「企業の協力は心強い。地域で防災活動に励んでいきたい」と話した。

 「震災体験を風化させないため、日ごろから防災活動などの活動をしていかなければならない」。車載機器製造業の富士通テン(神戸市兵庫区)では15日朝、勝丸桂二郎社長の言葉が館内放送で全社員に伝えられた。

 同社も震災で社員3人が犠牲になり、4日間の操業停止を余儀なくされた。15年を迎え、今いる社員の半数は震災後の入社だ。震災の経験を持たない社員の増加に危機感を持ち、節目となる今年、初めて館内放送を企画した。

 同社は平成20年に緊急地震速報システムの導入や、事業所間の緊急連絡手段として衛星電話を設置。この日は社員が机の下に隠れる一次退避行動や災害時の行動を確認、自衛消防隊による放水訓練も行った。

 また、本社ビルが倒壊した飲食料品製造販売のネスレ日本(神戸市中央区)は、社員全員の安否を確認するのに3日もかかった経験から、平成21年11月に携帯電話などを使った災害時緊急連絡システム「E@」を自社で整備し、運用を開始した。

 災害が起こった場合には対策本部を発足させ、会社からの指示をメールで送信、社員の安否確認を行う。緊急用インターネットサイトも立ち上げる。同社は「消費者への商品の安定供給こそ使命。どんな状況でも事業継続するために社員の無事を素早く確認できる」としている。

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