昨年7月に成立した改正臓器移植法のうち、親族に臓器を優先提供できる制度が17日、一足先に始まる。一部施行を前に厚生労働省は14日、臓器の優先提供が可能な親族の範囲を「親子と配偶者」などと規定した運用指針を公表した。

 国会での改正法案審議で「病気の家族を助けたいという心情に配慮すべきだ」という意見が出たため、親族の優先提供が認められることになった。

 ただ、脳死臓器移植は「移植機会の公平性」を理念として掲げているため、優先提供を「特例措置」と位置づけ、親族の範囲は「親子と配偶者」と狭く限定した。「養子」は臓器売買などの危険性を避けるため、戸籍上、実子と同じように扱われる特別養子縁組だけを認めた。「事実婚」は一刻を争う移植医療の現場で関係性の確認に時間がかかるとして除外した。

 親族優先の意思表示は民法上の遺言が可能な年齢を参考に15歳以上と規定。優先提供の意思は書面で示す。ドナー(提供者)カードや健康保険証、運転免許証に張るシールの余白に「親族優先」と書く。別人がなりすますのを避けるため、厚労省は日本臓器移植ネットワークのホームページなどから意思表示を登録することを推奨している。

 「父親に提供」などと特定の個人を指定しても、一律に親族への優先提供とみなされ、移植が必要な親族が複数いた場合、医学的に優先順位が高い人に提供される。親族だけへの提供意思は無効となる。臓器提供を目的とした自殺を防ぐため、自殺したドナーからの優先提供は認められない。

 「脳死=人の死」とし、子供の臓器提供が可能になるなどの内容を柱にした改正法の他の規定は、7月17日に施行されることになっておる。

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