【ニューヨーク=松尾理也】大地震に見舞われた中米ハイチは、一夜明けた13日になっても、まだ死者数や被害規模について公式の数字が発表されない状況が続いている。プレバル大統領やベルリーブ首相ら政府首脳は相次いでメディアに出演し、国際社会からの緊急援助を訴えたが、政府に代わって治安維持や行政活動を遂行していた国連部隊も大きな打撃を受ける中で、被害の拡大は避けられない状況だ。

  [フォト]がれきの山の中から生存者を探す住民たち

 この日現地入りしたAP通信の記者は、「小さな子供の遺体が学校わきに積み上げられ、道ばたに放置された女性の遺体にハエがたかっている。大統領府を始め、教会、病院、学校、刑務所といった建物が軒並み倒壊しており、死はいたるところにある」と惨状を伝えた。

 もともと脆弱(ぜいじやく)だった政府機能は、首都を直撃した地震のためほぼ完全にまひし、地震発生から一日たった13日の段階でも被害に関する当局の数字は皆無。そんな中で、政府首脳が相次いでメディアに対し、被害規模について推測を口にした。

 ベルリーブ首相は米CNNに対し、「真実でないことを祈る」としつつ、「10万人を超える住民が死亡したかもしれない」と述べ、国内が壊滅的な状況であることを明かした。

 プレバル大統領は死者数について「現段階で3万~5万人と聞いている」と述べたが、情報の出所は明らかにしなかった。

 もっとも、こうした政府首脳の発言自体、同一人物であってもインタビューによって大きく数字が異なっており、現時点では被害規模はまったくつかめていない。

 国連の人道支援担当者は「現時点では信頼できる数字はまったく報告されていないが、死者数はおそらく数千人から数万人の規模に上るだろう」と述べた。

 現地では依然として強い余震が続いており、倒壊を恐れる住民は自宅に戻れず、野外にあふれている状況という。ハイチ赤十字の担当者はロイター通信に対し、「救助のための機材はおろか、遺体を収容する袋すらない」と絶望的な状況を訴えている。

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