2014年のBEST ALBUM TOP10 | Uguisu's Valley

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買ったCDの感想・レビュー(と少々の雑記。。)を自分が忘れないために書き留めるブログです。

あけましておめでとうございます。

随分長いことお休みしていましたが、休んでいるだけで音楽はボチボチ聴いていたので、自分自身の備忘という意も込めて、2014年のベストアルバムをトップ10形式でまとめたいと思います。

No.10
Lazer/Wulf/The Beast of Left and Right



ギターを中心としたテクニカルなプログレッシヴメタル。だが、それだけなら似たようなバンドはかなりいるだろう。では何が違うのか。それは文章で伝えるのが少々難しいところだが、個人的には「ドリフト感」という言葉で現したい。まだ荒削りではあるけれども、この独特なドリフト感がその荒削り感と上手い具合にマッチし、良い世界観を表現できていると思う。ほぼインストながら、咆哮と無骨な演奏でタイトル通りの狂暴さが伝わってくるのも良い。というわけで面白い1枚でした。


No.9
Tusmørke/Riset Bak Speilet



現代に生きる暗黒祭囃子ことTusmørke。前作「Underjordisk Tusmørke」の時点で相当な独自性と面白さを持ったバンドであったが、今作でもそれらは勿論健在。というか、それどころかもっと面白く洗練されて帰ってきたと思う。抽象的な話だが、このバンドの良いところはやっぱりファンタジーな世界に一瞬で誘ってくれてくれるところであろう。それを今回も、前作とはまた少し違う形で体験できたのだから、これ以上幸せなことはない。


No.8
Stolas/Allomaternal



デビュー作となる前作「Living Creatures」では今後に期待できるポスト・ハードコアバンドの1つであったStolas。しかし、今作ではどうだ?大きく成長したのか、それとも期待程ではなかったのか。答えはもうおわかりだと思うが、印象としては圧倒的に前者。つまりは、大きく、否、とてつもなく大きく成長したように思う。コンセプトを持たせた散漫にならない一貫した作品作りを行った効果が出ているのだと思うが、それにしてもここまで素晴らしいバンドになるのかね。驚きと共に益々彼らが好きになる1枚でした。


No.7
Temples/Sun Structuresl



すでに色々なところで取り上げられているサイケロックの超新星、それがTemples。尚、なぜそんなに取り上げられているのかは、彼らの音楽を聴けばその理由がよくわかる親切設計。クラシカルなロックをベースに、サイケと確かなポップセンスが異常なまでによく混ざり、結果、どういう原理かはわからないけど、とても聴きやすい作品になっています。古いか新しいかでいったら古い。でも、これもある意味新しい形って強引に思わせる何かがあるから困ったもんだ。


No.6
Ne Obliviscaris/Citadel



Between the Buried and Meに肉薄する若き獅子Ne Obliviscaris。BTBAMに挑戦するってどういうことかというと、エクストリームサウンド、轟音でも響く綺麗なメロディセンス、芸術的な楽曲構築力、これらを高い次元で兼ね備える必要があるってこと。しかし、これ程までに高いハードルだとわかっていつつも、このバンドは相当に肉薄しているように感じる。まあ挑戦なんて恐らくしていないのだけれども、いつの日かBTBAMを超える作品をリリースしてくれそうだから期待も高まるってもんよ。長くなりましたが、要は今作も前作に引き続き、美しい1枚でしたってこと。


No.5
Opeth/Pale Communion



大きく舵を切り、レトロプログレバンドへの変貌を遂げた前作「Heritage」。だが、これが全くササらなかった。どこに聴きどころがあるのか最後まで理解できず、レトロプログレ大好きな自分でさえ、どう聴いても良い感触が得られなかった。プロデュースしたSteven Wilsonがソロで新しいプログレの道を切り開いているのはあまりに対照的な光景でもあり、それなりにショックでだった。そして今作も前作に引き続きレトロプログレ路線。凄く嫌な予感しかしなかったが、ここにきて一転。相当に聴きやすい作品となり、年間を通じてマストな1枚となった。激変の理由は色々考えられるけど、個人的にはメロディがキチンと整理されたかなと思う。つまりは耳通りの良いサウンドというわけだ。それに元から在った高い楽曲構築力が地盤にあるわけだから、そりゃ前作で発揮されなかったポテンシャルが、このタイミングで全開放されてもおかしくないよねと。本当に素敵な作品でした。


No.4
Snarky Puppy/We Like It Here



超クールなジャズアルバム。ジャズは全然わからないけど、それでも尋常じゃないぐらいササったのは、仄かに漂うプログレ臭と、緊張感という名のスリルを敏感に感じたからであろうか。正直誰にお薦めするべきかはわからないが、とりあえず聴いてみると、予想の遥か上を超えた体験ができることは間違いないと思う。これライヴ一発撮りのライブアルバム的な?位置づけの作品でもあるって書き込みをどこかで見た気がするけど本当だろうか。だとすればこんなライヴを生涯に一度でも見てみたいものである。


No.3
Bloodshot Dawn/Demons



すでに日本でも評判の良いメロデスバンドだったが、新作「Demons」では更に評判を高めそうな最高に熱いメタルが出来上がってしまっている。今作の音楽性を簡潔にまとめると、圧倒的にカッコ良く、しかもクサさまである大正義なメタルである。ならこれで燃えないわけではないだろうよと。もう1曲目からやられました。凄い1枚。まさにこういうのが聴きたかったってわけですよ。


No.2
Toehider/What Kind of Creature Am I?



世界は広い。こんなバンドがいるのだから。ジャンルに縛られないミクスチャーロックのような多様性を含みながら、プログレッシヴなスピリットも持ち合わせ、多彩なギミックで変幻自在のサウンドを轟かせる。但し、一方で意味不明にならないシンプルさ、ストレートさも兼ね備えており、単純にパワーで勝負したいところはパワー重視、メロディをアピールしたいところは素直に綺麗なメロディをアピールするといった大衆性もある。と、演奏だけでもこれだけ凄いのに、更にヴォーカルがハチャメチャ上手いときたから恐ろしいにもほどがある。文句無しの凄い作品、凄いバンド。


No.1
Motorpsycho/Behind the Sun



錚々たる作品の中から、自分が選ぶ2014年のナンバー1はこの作品。ノルウェーのレジェンドMotorpsychoの新作「Behind the Sun」。実は前作「Still Life with Eggplant」であり、前作の感触があまりによかったため、今作にかかる期待も大きかったが、まさかここまでやってくれるとは。書くと長くなるので、ここでは書かないが、一言言いたい。この作品でロックの勝利を感じることができると。最後まで聴き終えた時、自然と拳を握り締めているに違いないと。そう、つまりは、それだけのエネルギーに満ち溢れた壮大な作品なんです。これをもってして、ロックの勝利を大に感じたい。このMotorpsychoってバンドは、このブログを書き始めてから知ったけど、本当に偉大なバンドで出会うことができてよかったと思う。というわけで、2014年最高の作品はMotorpsychoの作品でした。


2015年も凄く聴きたい作品がすでに何個かあって楽しみ。気が向いたらのんびり聴き入ろうっと。
また、2014年に最も頑張ったバンドは、個人的にBABYMETALだなと思いました。