ひどい目にあう少女とその少女の唯一の友人、おじさん(アジョン)の物語。

少女は、これでもかという悲惨な境遇に陥る。少女の隣人であるおじさん(アジョン)は超人的な活躍で困難を乗り越える。しかし、少女の運命はもはや風前の灯・・・。いや、取り返しの付かないところに来てしまった・・・。強いサスペンスが生まれる。少女の命は?犯罪者たちは裁かれるのか?主人公のおじさん(アジョン)の正体と運命は・・・・?

無垢な少女の姿はあまりに哀れで、共感を呼ばずにはいられない。少女に降りかかる悲劇は、どんなものでもいい。継子いじめ、孤児、犯罪に巻き込まれる、貧困などなど。

この作品で少女が巻き込まれる悲劇は、臓器売買という陰惨な犯罪とやくざだ。子供を犯罪に使う手口がきめ細かく描かれる。麻薬の運び屋、加工工場の作業員、挙句の果てに生きながら眼球をえぐられ、角膜をとるために無造作に命を奪われる。

細かい伏線が生きていてぐっと来る。結末も注意深い観客なら読み取るはずだ。
いや、この結末が読めない観客の目は節穴だろう。映画は見るものだ。映像を読み解かなくては面白さが半減する。

韓国映画の成功は、きめ細かい伏線とその丁寧な回収にあると見た。王道の「ベタ」をやりきる力がある。

少女の唯一の自慢は、ネイルアート。この伏線の回収は痛々しい。

可愛らしいシールのような絆創膏をある人物に張る場面がある。この伏線が結末に生きてくる。俺は感心した。そうか、やっぱりそうか、と、映画の演出意図が理解できた喜びだ。

笑ったのは、中国語の通訳の男。取調べで食事を頼んだことが伏線になる。次にその男が画面に出てきたとき「私は食事を注文しただけです・・・・」と泣いているがよかった。うまい伏線だ。

印象に残る少女の台詞。

「おじさんに無視されて嫌われても、私はおじさんを嫌いにならないよ。だって、私がおじさんを嫌いになったら、私が好きな人がこの世から一人もいなくなるから。」

泣かせる台詞。

悪役が卑劣で憎憎しく、ウォン・ビン演じる主人公、アジョンが何度殺しても飽き足らない感じでいい。アジョンの敵役の中国人やくざがいい。なにも説明しないところが特にいい。

映像のみが真相を語る、映画らしい映画だ。映画好きは見るべし。
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