物好きな読書人なら一度は三角寛描くところの「サンカ」に興味を持つことだろう。

俺は古本屋で三角寛の「サンカ社会の研究」をまじまじと見て、今はもう失われた「サンカ」の秘密結社のような社会に思いをはせ、たくさん掲載されている鮮明な白黒写真に強烈な印象を受けた。

でも、ま、その程度です。アマチュアの研究者になったり、もっと知りたい、というエネルギーには欠けていて、面白いな、というくらいの関心度。

サンカの真実 三角寛の虚構/筒井 功
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この本は面白い。有名なサンカの先生、三角寛を徹底的にやっつけている。証拠を挙げ、取材を重ね、三角寛の「サンカ研究」がどれほど悪質な捏造か明らかにしている。三角寛が東洋大学から博士号を受けたことも、この悪質な捏造が今なおたくさんの好事家に影響を及ぼしている一因だ。

東洋大学、恥ずかしいぞ。こんな糞論文に博士号を出したのは永遠の恥辱だ。

俺も口が悪いが、この本の著者が三角寛に投げつける冷静な罵倒は読む価値がある。三角寛の生家も尋ね、生い立ちから人となりまで丹念に取材している。そのあたりの三角寛に対する人格攻撃がすごいよ。

でも、三角寛がどれほど「サンカ」の真実を曲げ、「サンカ」の人々を利用して売名を行ったかを知ったら、その人格攻撃もやむを得ない、という気がする。

この著者が証拠を挙げて否定してくれるまで、日本のアカデミズムは三角寛の捏造を見て見ぬふりをしてきたのだ。

「サンカ」に関して、五木寛之が、三角寛の与太話に全面的に乗っかって書いた小説があったなあ。風の王国、とかいうやつ。あれも恥ずかしいなあ。やっぱり他人の著作をそっくりぱくった小説なんて妄想の妄想になってしまう。三角寛が小説家なら何の問題もなかったのにね。東洋大学がなんせ博士号を送っちゃったんだから。学者さまですから。ああ、恥ずかしい。

ちゃんと取材した、サンカの研究書が読みたいなあ。


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映画は、ジェットコースター・ムーヴィー。追いかける強力な敵と、とにかく走って走って逃げる主人公が痛快だ。敵も味方もよく走る。130分もあっという間に過ぎる。面白い。舞台は、マヤ文明時代のユカタン半島。



中南米の古代文明はもの凄い。

「ライフ人間世界史」という挿絵や写真が豊富なシリーズが子供の頃から家にあった。その中の「第17巻 古代アメリカ」に魅了された。

ユカタン半島に残る不思議な古代文明の数々に好奇心がそそられる。詳細がまったくわかっていないオルメカ続の遺跡とか、ジャガーの表情を浮かべた奇妙な人物像とか。見れば見るほど知られていない文明や民族に惹かれた。

その中に、まさに「血も凍る」祭祀の様子が描かれた画像があった。マヤの遺跡で見る巨大な階段状の祭壇で行われる儀式だ。この映画にその場面が再現される。詳しくはここに書かない。ネタバレになってしまう。図書館で「ライフ人間世界史」を見るといい。



俺が「ライフ人間世界史」で見た場面の再現だ。インディ・ジョーンズでも似たような場面があったが、このメル・ギブソンの再現の方が強烈だ。

ただ、俺が不満に感じる点がある。

「パッション」でもそう思ったが、出てくる人物の感性があまりに「現代人」のものなのだ。例えば、俺が恐ろしい、と思う場面で、主人公たちが感じる恐怖は、俺と同じ現代人の感覚だ。「ライフ人間世界史」で見たその場面の登場人物たちには現代人の「自我」なんてない。「個」の尊重なんていう概念なんか無い世界だ。だから、「ライフ人間世界史」の画像はいっそう恐ろしく感じる。

恐怖を感じず、むしろ「法悦」の状態で行われる「祭祀」。そのありさまが血も凍る画像となっている。詳しく語れないのがもどかしいが、この映画で表現される以上の「血も凍る」恐怖の画像が「ライフ人間世界史」には出ている。なんともあっけらかんと、長閑な筆遣いで描かれている祭祀の様子。

もの凄いよ。メル・ギブソンでも映画で描けない祭祀の様子。歴史の事実は娯楽ではないからね。

「ライフ人間世界史 17巻 古代アメリカ」。手にとって見る価値大ありです!!






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しまおまほの声を聞くのが楽しみで毎週土曜の夜を心待ちにしている。やや低めの聞きやすい声で、音声として大好きだ。いたずらっぽい、うひゃひゃひゃひゃひゃという笑い声も実にいい。

どうでもいい職業野球中継が長引いて番組の始まりが遅れるのが苛立たしい。野球中継なんかやめちまえ。文化放送とかニッポン放送とかいくらでもやってるんだから、TBSラジオは野球をやめるべきだ。聴取率が絶対上がる。藤原紀香のほうが職業野球中継より高視聴率を取る愚民の時代だ。特に若い奴らは野球の複雑なルールを理解できない。サッカーのようにゴールに球を入れたら点がはいる、というわかりやすさがないとついて行けないほど知性が鈍っている。

しまおまほが、宇多丸(というAMをろくに聞いたこともないラジオ・パーソナリティ)にTBSラジオのさまざまな番組やCMの話題を振るのが最高に面白い。宇多丸はまったくついて行けないのにどんどんマニアックなネタをたたみかける。先週の爆笑ネタは、「♪博多の、シ、オッ!!」。可愛い声で何度も口ずさむ。

今週は、生島ヒロシのなぜか英語のへんてこ締めくくりをからかい、その次ぎに「せ~の。ぱっほ~~ん!!!」だぜ。おなじみ、コサキンのエンディングですよね。・・・って誰も知らないか。。案の定、宇多丸はまったくリアクションができない。有川君も知らないんだぜ。俺にはしまおまほの振るネタがことごとくツボに入る。大沢悠里の最後の決め台詞の分析も面白い。

しまおまほとTBSラジオの話しをしたい!!一週間ぐらいラジオを聞きながら合宿のように徹夜でしゃべり続けたいなあ☆

しまおまほ、LOVEドキドキラブラブ

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「映画なのにここまで偏った主張していいのですか?」「北のメセンで作られている」「こんなに偏った映画を見るなら、石原慎太郎の『・・・・(なんとかいうカス映画の名前を入れてください・侍注)』も見なくてはバランスがとれない」

この馬鹿げた言いがかりが、久保田智子の「パッチギ!Love & Peace」を見た感想だ。

TBSのアナウンサーで久保田智子という人がいる。テレビで見ていると地味な外見、落ち着いた物腰、安定した話し方で好感を持ったこともある。

その久保田智子がラジオ番組で語った言葉だ。ラジオは残酷だ。話す人の内面をはっきり示す。ラジオは言葉しかない。テレビに比べ長い時間その人の言葉を聞くことができる。だから話す人の内面が垣間見えてくる。

「北のメセン」て!在日朝鮮人のことがわかっていない。太平洋戦争当時、北朝鮮も韓国もなかったんだよ。そのこともわかっていないだろ?朝鮮半島からつれてこられた朝鮮人に韓国人も北朝鮮もないんだよ。日本が連合国に負けた後、朝鮮半島が二つの国家に分かれたから、日本にいた朝鮮半島出身者が困ったんだろ?なにが「北のメセン」だ。だいたい「メセン」なんて言葉を使う奴は大嫌いだ。在日朝鮮人のことが理解できなければこの作品を見る意味がない。

しかも、映画で主張して何が悪いのだ?バカなハリウッドの娯楽作を「楽しめた」「楽しめない」という見方しかしてこなかったから、映画の見方も知らないんだ。どんな作品でも演奏でも絵画でも、主張のない作品なんか屑だ。歯医者の待合室に似合う飾り物だ。そんな創作物は「作品」ともいえない。

久保田智子はまじめで勉強もできて、きちんとした人だと思う。アナウンスの技術もちゃらちゃらしたタレント気取りの馬鹿女子アナウンサーに比べたら比較にならないくらいうまい。なにかほかの番組で、ピンチヒッターで出てきたとき、そのうまさに感心したことがある。

だが、ラジオを聞いて感じたことは、声が暗い。話す内容に魅力がない。NHKのアナウンサーが無理やりはしゃいでいるような痛さを感じる。凡庸な常識的感性。なんら新しい見方を示せない。

久保田智子の番組は野球のない月曜の夜、「こちら中山デスクです」 のアシスタントだ。もとフジテレビの中山秀樹が独立して初めてもつラジオ番組だ。この中山秀樹もフジテレビの時代には堅実そうに見えて、フジでは浮いているな、と思ったが、TBSラジオで話を聞いていると、内面は生真面目で久保田智子と似たタイプだ。ラジオとしてはまったくつまらない。平凡な感想ばかり話して実に痛々しい空気が漂っている。

この番組はつまらない。久保田智子のつまらなさにもがっかりだぜ。