エンド・オブ・トンネル | <ムービーナビ> by映画コーディネーター・門倉カド

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意表を突く展開。運も味方に変える男の策略。
 
2017年1月28日公開
監督:ロドリゴ・グランデ
出演:レオナルド・スバラーリャ
クララ・ラゴ 他
 
【賛否両論チェック】
賛:突然訪れた千載一遇のチャンスに、全てを賭けて挑む主人公の姿と、彼を取り巻く不思議な人物達が織り成すサスペンスに、観ていて何故かハラハラさせられる。意外な展開で進むラストもステキ。
否:やや都合よく行きすぎる展開はご愛嬌か。
 
ラブシーン・・・ほんの少しだけあり
グロシーン・・・殺害シーンあり
アクションシーン・・・ほんの少しだけあり
怖シーン・・・雰囲気は少しだけ怖いかも
 
 
 偶然壁の向こうの銀行強盗計画を知った車イスの男が、金の横取りを計画するサスペンスです。
 
 主人公は下半身が不自由で、車イス生活を送るホアキン。年老いた愛犬・カシーミロと暮らしている彼は、カシーミロの治療を電話で獣医に相談しますが、返ってきたのは“安楽死”という答え。ホアキンは悩みながらも、毒物を注射器でクッキーに詰め始めます。ところがそこへ、
「貸し部屋の広告を見た!!」
という女性・ベルタが、幼い娘のべティを連れてやって来ます。半ば強引に内見をしたベルタは、呆気にとられるホアキンをよそに、なんとその日から住むことを決めてしまうのでした。
 
 こうして奇妙な同居生活が始まりますが、ホアキンは人嫌いのカシーミロが、すぐにベティになつくのを見て驚かされます。そんなある日の夜、地下室にいたホアキンは、壁の向こう側から何か物音が聞こえることに気がつきます。持っていた聴診器で音を聴いてみると、どうやら壁の向こうの男達は、何か穴を掘っている様子。すぐに小さな穴を開け、小型カメラで向こう側の様子を見たホアキンは、彼らがそばにある銀行の金庫を襲撃しようとしていることを知るのでした。
 
 その後もホアキンは、夜中に進められる男達の作業を監視し続けます。同時に彼は、ダンサーをしているベルタとも次第に親しくなっていきますが、一方でベティが一言も言葉を発しないことに、ホアキンは疑問も覚えるのでした。ところが数日後、いつものように壁の向こう側を見たホアキンは、そこにベルタがいることに驚くのでした・・・。
 
 娘との記憶が忘れられず、冴えない暮らしをし続けていた主人公が、降ってわいたチャンスに賭け、命がけの大勝負を仕掛けるまでが、“壁の向こうの銀行襲撃計画”という面白い標的を通して描かれていくのが、なんとも不思議です。
 
 そんな主人公には、謎めいた美女とその幼い娘という、これまた不思議な同居人が寄り添い、計画はますます先が読めなくなっていきます。劇中で語られる、
「最後は運か女で決まる。」
という言葉が、妙にリアリティを持っていくのが印象的です。
 
 意表を突くラストの展開も見事なので、是非ご覧になってみて下さい。
 
 
【ワンチャン・ポイント】
※今回はお休みです。
 
オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>
 
 
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