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怪演に圧倒される。行き過ぎた男の見た光景とは。


2015年8月22日公開
監督:ダン・ギルロイ
出演:ジェイク・ギレンホール
レネ・ルッソ 他


【賛否両論チェック】
賛:スクープを求め、徐々にエスカレートしていく主人公の心情がスリリングに描かれ、緊迫感にハラハラさせられる。事件や事故の取材現場の現実も、身につまされる。
否:割りと救いのない終わり方には、賛否が分かれそうなところ。グロシーンも結構あり。


ラブシーン・・・なし
グロシーン・・・結構あり
アクションシーン・・・少しだけあり
怖シーン・・・急に大きな音が出るシーンがあり



 事件や事故の現場に駆けつけ、特ダネを狙うパパラッチ。その過熱していく様を描きます。主演はジェイク・ギレンホール。


 主人公のルイス・ブルーム(ジェイク・ギレンホール)は、盗んだ金網やマンホールを金に換え、日銭を稼ぐただのこそ泥でした。そんな彼はある日の夜、車で高速を走っていたところで、交通事故の現場に遭遇します。現場には丁度パトカーが到着し、2人の巡査が事故車から運転手を救出しているところでした。するとそこへ1台の車がやってくると、カメラを持った男達が降りてきて、事故の様子を撮影し始めます。その様子をジッと観察していたブルームは、彼らが警察無線を傍受してやってきたパパラッチであることを知ります。男達は、撮った映像をテレビ局に売り込むとのこと。それを聞いたブルームは、自らもパパラッチで金を稼ごうと思い立つのでした。


 翌日ブルームは、早速盗んできた高級自転車で、カメラと無線傍受機を購入。見よう見まねでパパラッチ活動を始めます。最初のうちは、被害者や警察との距離感が分からず、現場では追い返されてばかりで、撮った映像も散々なもの。しかしそれが幸いしたのか、数件目のカージャックの現場では、被害者の救助活動を間近で捉えた良い映像を撮ることが出来ます。早速地元のテレビ局に売り込みに行ったブルームは、深夜のニュースのディレクター・ニーナ(レネ・ルッソ)にその映像を評価され、買い取ってもらうことに成功。その夜、ブルームの映像はトップニュースで使われるのでした。


 その後もブルームは、夜な夜な警察無線を傍受しては、事件や事故の現場に向かい、カメラを回し続けます。やがて、ホームレスで仕事を探していた青年・ニック(リズ・アーメッド)を雇うと、ブルームの仕事ぶりはさらに過酷を極めていきます。同時に彼は、不法侵入や現場の細工等、スクープのためには手段を選ばないようになっていくのでした・・・。


 この作品では、何と言ってもジェイク・ギレンホールの怪演が圧巻です。ありふれたアウトローだった男が、“パパラッチ”という生き方に活路を見出すまでや、新米からすぐに頭角を現して成長していくまで、そして次第に善悪や良心の呵責を忘れ、一線を越えていくまで。いずれもその心理描写が見事に体現されていて、主人公の生き樣が観ている方にダイレクトに伝わってきます。その生き方に賛否は勿論あると思いますが、そうした感想を持てるのも、一重に演者さんの演技の賜だと思います。


 指定こそありませんが、グロいシーンはかなり多いので、それだけはお気をつけて。



【ワンチャン・ポイント】
※ジェイク・ギレンホール・・・本作の主演。ミステリアスな雰囲気がよく似合う俳優さんです。最近では、ヒュー・ジャックマン主演で、娘が行方不明になる父親を描いたサスペンス「プリズナーズ」での刑事役や、ふとしたことから自分と瓜二つの俳優と出逢う教師を描いた、「複製された男」の主演等が有名なところ。主演作では他にも、時間を操れる砂を巡るアドベンチャー「プリンス・オブ・ペルシャ 時間の砂」や、他人の意識に入り込み、8分の間に爆弾魔を探す「ミッション:8ミニッツ」、そしてNY市警の最前線で活躍する刑事を追ったモキュメンタリー「エンド・オブ・ウォッチ」等様々。また、11月公開の実際に起きた遭難事故を描く「エベレスト3D」にも出演されていらっしゃるので、そちらにも期待大です。


※豪邸のシーン・・・本作で、強盗殺人事件の起きた現場として登場する豪邸。表から見える大きなリビングが印象的ですが、恐らくリーアム・ニーソン主演の「96時間/レクイエム」の冒頭で登場した豪邸と同じところかと。


オススメジャンル&オススメ度・・・<ハラハラしたい>


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