2005-05-27 13:59:33

プライド 栄光への絆

テーマ:映画・ドラマ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン
プライド 栄光への絆

 

 

原題    Friday Night Lights
制作    USA
公開年   2004年
邦題    プライド 栄光への絆
ジャンル  Drama / Sports
監督    Peter Berg
配役            役名           役柄
Billy Bob Thornton    Gary Gaines      ヘッドコーチ
Lucas Black        Mike Winchell    QB(背番号 20)
Garrett Hedlund      Don Billingsley   WR(26)
Derek Luke        Boobie Miles     RB(45)
Tim McGraw        Charles Billingsley  Donの父親
Jay Hernandez       Brian Chavez     DB?(4)
Lee Jackson        Ivory Christian   LB(90)
Lee Thompson Young    Chris Comer      控えRB(42)
Ryanne Duzich       Melissa        女子高生
Grover Coulson      L.V. Miles       Boobieの伯父
Connie Cooper      Mrs. Winchell      Mikeの母

 

評価    5



 

 プレッシャーが押し寄せてくる。町中の人が優勝することを信じて疑わない。試合の行われる金曜日の夜は街並みから人が消え、商店のシャッターは閉じられ、すべての人がスタジアムへと応援に駆けつける。スタジアムに行けない人はテレビの前に釘付けとなり声援を送り続ける。期待の声はうなりで増幅されて大きくなるばかり。
 
 プレッシャーを与えることに遠慮はない。すべてをなげうって応援し、出来る限りの援助をしてきた。町の人にとってアメフトの試合がすべてだった。グラウンドは熱い視線で燃え尽きようとしている。プレイヤーは一挙手一投足どころか頭の中まで見透かされ監視されている。そして、みんなが勝利の瞬間を待っている。
 
 シーズンの始まる前から地球の重力の何倍かのプレッシャーで選手やコーチを押し潰そうとしている。彼らは重い空気の垂れ込める深い水槽に閉じこめられている。練習でも気を抜いてはいけない。少しのミスでも許されることはない。完璧であること。すなわち、勝利、勝利、勝利、そして、優勝。敵をなぎ倒して、輝かしい明日を手に入れるだけ。
 
 プレッシャーに負けてはいけない。プレッシャーの後押しをも自分の力にするのだ。今だから出来ることに全力を注ぎ、完璧を目指す。完全であり、完璧であれば、勝利は約束されている。栄光のエンブレム、優勝のリングは手の届く所にぶら下がっている。あと少し手を伸ばせられれば君たちのものだ。
 
 気力も体力も敵が上回り、為す術がなくなったとしても、全員の力で、チームワークで、一丸となって、敵に立ち向かう。気持ちが負けた時すべては終わる。残り時間がなくなるまであきらめてはいけない。勝利のために最後の最後まで最善を尽くして戦う。それだけのことはしてきたのだからどこかに突破口があるはず。

 




 


 舞台はテキサス州の西、石油の町オデッサ。ジャーナリストBuzz BissingerはPERMIAN高校のアメフト・チームに密着して1988年のシーズンを記録した。

 
 就任2年目のヘッドコーチGrayは校長よりも給料が高く、いつも以上に町民の期待が膨らんでいた。Grayは常に「完璧を目指せ」と選手に言い続けていた。
 

 病身の母親を抱えるQBのMikeは、アメフトの奨学金で近くの大学に通いたいと考えていた。冷静な判断力とリーダーシップが売りでほとんど遊び歩かない。
 

 Donの父親Charlesは同高のOBで、優勝時のメンバー。息子に過度の期待をかけ、叱咤激励して小さな失敗さえ許さない。が、本人は酒に溺れている。
 

 大学のスカウトから熱い視線を送られているのがRBのBoobie。運動能力はひとりずば抜けていて、彼のワンマン・チーム。プロでの活躍を視野に入れていた。
 

 
 初戦はBoobieの大活躍で圧倒的勝利を収めるが、終了間際にBoobieは靱帯を切る大怪我。本人は直ぐにも復帰するつもりだったが、必死の願いもむなしく選手生命を奪われる。
 攻撃を立て直せず、次週は惨敗。GrayはBoobieの怪我の責任を問われ、町中からバッシングされる。
 
 しかし、次からはComerの予期しない活躍でチームは勢いを盛り返して連勝。
 シーズン最後の試合で負けるが、コイントスで勝って優勝トーナメントに進出する。
 優勝トーナメントでも順調に勝ち進む。しかし、最後の相手は個々の力でも体格でも負けていた。
 必死で戦う選手達。劣勢は揺るがない。ハーフタイムでコーチは選手に語りかけ、最後の奮起を促す。


Being perfect is not about that scoreboard out there.It's not about winning.It's about you and your relationship with yourself, your family and your friends.Being perfect is about being able to look your friends in the eye and know that you didnt let them down because you told them the truth.And that truth is you did everything you could.There wasnt one more thing you could've done.Can you live in that moment as best you can, with clear eyes, and love in your heart, with joy in your heart?If you can do that gentleman - you're perfect!
 




 決して好きなアメフトが題材だからと言うわけではなく、見終わった後久しぶりに充足感で幸せな気分になりました。
 素晴らしい試合を見た後のように緊張感がしばらくの間持続して夢心地で映画館を後にしました。
 スタッフロールで流れていたベースの鼓動がまだ心の中で響いています。忘れることの出来ない確実な何かを得たというすがすがしい快感が今も残っています。 
 プレッシャーに押し潰されることなく、全力以上のものを出し切ってやり遂げて初めて得られるであろう達成感が、仮想であろうとも体感することができました。

 ドキュメンタリー・タッチでありながら丁寧に作られています。迫力は想像以上、映画館の大画面ならではの映像を十二分に堪能できました。
 アメフトのルールがわからなくてもゲームの楽しさを味わうことがちゃんと出来ると思います。


 キャッチフレーズの「アメリカ映画協会」「ニューズウィーク」が選んだ2004年映画ベスト10は決して大袈裟ではありません。
 
 愛も涙も出てこないのに感動で胸が満たされることでしょう。必ず。
 

 ただ、公開2週目の日曜日の昼に関わらず、自分たちも含めて観客は6人。ゆったり観られてよかったけど・・。

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2005-05-26 23:52:01

リメイク

テーマ:SF小説
コニー ウィリス, Connie Willis, 大森 望
リメイク

 

 

 近未来が舞台のSF。映画はすべて過去の映像を基にCGで作られるようになっていた。映像技師のトムはあちらこちらと映像を張り合わせ、ダンサー志望のアリスはいつか生身で踊る映画に出たいと一人で練習している。顔を張り合わせることはあっても生身の人間が登場する映画は製作されていないのに、無理を承知で、それでもアリスは踊り続けていた。
 
 この小説が下敷きにしているのは『カサブランカ』。
 手が届きそうで笑みだけ残して去っていくアリスはFred Astaireが亡くなった1987年生まれ。トムはいつも髪が輝いているアリスを追い求めるが、彼女のためにアリスを映像の世界に留め置く。一言声をかければ抱きしめることができるのに、彼女のためだからと黙って見守り続ける。あの映画のように行ってしまうアリスを手助けしたりする。ひたすら追い続けるだけ。
 戻ってこないとは知りながらも、架空のハッピーエンドで再会できるシーンを思い描くが、できることはアリスの姿を目に焼き付けることだけ。
 
 光ファイバーループとか、タイムトラベルとか反物質領域なんてのが出てきますが、それらはSFという調味料のひとつです。真の主役はハリウッドのミュージカル映画。小説が出版されたの1995年ですが、登場する映画はFred Astaireが中心の古い映画ばかりです。映画を知らなければ小説の面白さが半減するだけに余程の映画通でない限り意味不明な場面の連続で退屈するでしょう。大の映画好きの作者の私的な楽しみのための小説です、かも。
 よくわからないシーンが多いゆえに、繰り返しの多い作風はいつも以上に苦痛でした。
 
 
コニー・ウィリス著、 大森 望訳 早川書房刊

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2005-05-17 17:49:41

航路

テーマ:SF小説
コニー ウィリス, Connie Willis, 大森 望
航路〈上〉

 

コニー ウィリス, Connie Willis, 大森 望
航路〈下〉

 

 

 分厚い文庫が上下二巻、400字詰原稿用紙で2060枚だそうです。中身は三部に分かれていて第二部の最後で重要人物が死んじゃいます。余りもの驚きに第三部を夜更かしして一日で読み切りました。生き返らせてくれと願いながら読み進んだんですが、奇跡は起こりませんでした。生きるも死ぬも作者次第なのだからどうにでもなったものを、作者はこの小説のテーマ故にささやかな読者の望みを絶ち切りました。ラストに希望は残りますが、作者の鉄の意志がヒシヒシと伝わります。
 
 かなりメッセージ色の強い作品です。臨死体験を描きつつ科学的な解明を試みています。その信奉者からは確実に反論されてしまうような挑戦的な濃い内容です。それなのに有無を言わせない長大な小説として描ききってしまう作者のストーリー構成力は凄いの一言としか言い表しようがありません。二重三重に張り巡らされた伏線と驚きの展開には文句のつけようがなく、謎解きに持って回った語り口や隠し立てはないですし、謎の突起さと矛盾の多さに腹が立つこともありません。混迷する世界を描きながらすべてが計算し尽くされています。地面を這い回る蟻も重要な宇宙の一構成員であるように、一語一句はすべて重要な意味を持ち、積み重ねられることで壮大な世界が形作られます。
 
 登場人物達は隣接された二つの総合病院とひとつの看護学校が統合された大病院に勤務しています。建物の中は複雑怪奇な構造で内部をすべて知るものはごくわずかです。深まる謎と解き明かされる謎を追い求めながらあちらこちらとシナプスのように人々は行き交い、脳の内部を隠喩する複雑な構造の病院を彷徨います。

 
 自明の理なのに思い出せない事柄と行き違いになり出会うことのない二人。すべてが提示され分かりきっているのに、いざというときに見当たらない連絡通路。そこにあるのに手の届かない黄色いロープで通行止めされた階段。試行錯誤はエンエンと繰り返され、エレベーターを上に下にと乗り継いでも遠のく目的地。欠落した記憶はいつも邪魔者によって阻止され、閉ざされている情報はいつも閉まっているカフェテリア。知識の泉と魔法のポケット。不気味に扉が並ぶ廊下はいつも行き止まり。迷子。みんな迷子。
 

 解決のための糸口はどこからでも素早くどこへでも行けるようにすること。人を助けるためには誰も何処でも滞ってはいけません。立ち止まらないように。新しく建て直すことが出来ないのなら、自分ですべてを結ぶ直通ルートを見つけ出さなければ。知ることでやっと出来ることは多いから。多大な犠牲に報いるためには。
 
 
 地球上の大災害のいくつかは記録され細部にまで言及されています。残された生存者の貴重な体験談はどこまでが真実なのでしょうか。辻褄を合わせるために知らず知らずに作話されてしまった部分もあるでしょう。
 そして、生き返った人が持ち帰ったメッセージはなんのためにどこから発信され、誰に宛てられていたのか。
 
 
 奥深いテーマではあるんですが、それでも悲しい物語を読み進むのはつらいものです。魔法の薬は見え隠れしているのについに最後まで戸棚から取り出されませんでした。感動の大傑作であることは確かなんだけど、心痛むことも、また事実です。

 
 
コニー・ウィリス著、 大森 望訳 ソニー・マガジンズ刊
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2005-05-12 23:05:13

アメリカン・スプレンダー

テーマ:映画・コメディ
アミューズソフトエンタテインメント
アメリカン・スプレンダー

 

 

原題    American Splendor
制作    USA
公開年   2003年
邦題    アメリカン・スプレンダー
ジャンル  Drama / Comedy
監督    Shari Springer Berman
       Robert Pulcini
 

配役          役名       役柄
Paul Giamatti     Harvey Pekar  病院の書類係・アニメの原作者
Hope Davis      Joyce Brabner  コミック店店員・Harveyの妻
James Urbaniak    Robert Crumb   アングラコミックの旗手
Judah Friedlander   Toby Radloff  病院の職員
Madylin Sweeten   Danielle     養女
Earl Billings      Mr. Boats    Harveyの上司
James McCaffrey   Fred       作画家
Harvey Pekar     Real Harvey Pekar
Joyce Brabner     Real Joyce
Toby Radloff     Real Toby
Danielle Batone    Real Danielle


 Harvey原作の同名のアメリカン・コミックを映画化。原作はHarveyの日常を描き、実在の人間を扱っています。だから、主人公はPaul Giamattiが演じる漫画化されたHarveyなんですが、本物のHarveyと随所で入れ替わります。そのHarveyの後ろに俳優のPaul Giamattiがいたりします。実在の人物はコミック以上に個性の強いキャラクタなので入れ替わっても違和感は全くありません。巧みに描き分ける脚本や実在の人物を演じきる俳優も秀逸です。
 但し、題材はHarveyの半生なので取り分けてドラマチックな物語ではありません。キャラクタとのふれあいが楽しめました。本人曰く、「人の不幸でみんなが慰められる」コミックだそうです。

 

評価  4

 

Harveyの半生
1939年10月8日オハイオ州クリーブランド生まれ。ユダヤ系移民。
1962年 強迫神経症的ジャズレコードコレクターだったHarveyはCrumbと出会う。
1975年 喉が腫れて声がかすれる。数ヶ月大声を出さないこと。医者の妻に逃げられる。
1975年 Crumbが戻る。原作を書き始め、Crumbがアニメに描く。
1976年 自費出版で創刊。
1980年代 8冊発行。名前は売れたがコミックだけでは食えない。
1983年 書店店員のJoyceと結婚。
1986~88年、Late Night With David Letterman レターマンショーに出演。
1990年 腫瘍が発覚。一年の闘病生活をコミック小説Our Cancer Yearにする。全米図書賞受賞。
1997年 養女を迎える。
2001年 病院は定年退職。映画になる。「死ぬまで健康でいて話題作を残したい。」

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