『ALWAYS三丁目の夕日’64』の山崎貴監督と堀北真希が来名!

久しぶりに来たら「こんな風に変わってる!」って驚きがありました(監督)
▷▷『三丁目』に帰ってきたと実感したのは?
山崎貴監督(以下:監督)「東宝第九スタジオに、鈴木オートや茶川商店も入った町並が、丸ごと作られているセットがあるんです。角を曲がってあの町並がパーッと見えた時に“ああまた来たんだ”って、帰ってきた感がありますね。タイムトラベルして来たような感じがしました」
▷▷セットは前と同じもの?
監督「とっておけるといいんでしょうけど、そうもいかないので、前と同じ設計図でまた一から建てているんです。今回は劇中で5年の時間が経っているので、鈴木オートはちょっと大きくなっていますし、茶川商店は無理して2階を増築して大変なことになっていたり(笑)。時間の流れを感じるセット設計になっているので、久しぶりに来たらこんな風に変わってる!って驚きがありました」
堀北真希(以下:堀北)「『三丁目』にみんなで集まってバタバタしている時は、本当に帰ってきたんだなと思いますね。今回は鈴木オートが少し大きくなって、六ちゃんのお部屋があったり、茶川さん(吉岡秀隆)のお家がひろみさん(小雪)のお店と合体していたり変化もあって、時間の流れを感じました」
▷▷子供だった一平(小清水一輝)と淳之介(須賀健太)も大きくなっていて驚きました!?
監督「1作目も2作目も、子供たちの可愛さに支えられていた部分があるので、デカくなりやがってと思いましたけど(笑)。でもその年ならではのよさがあるんですよね。淳之介は最終章の辺りで、映画を背負うようなお芝居をしなくてはいけなくて、本人も震えるぐらい緊張していましたけど、本当によく頑張りました。きちんと映画を背負い切ったと褒めてあげたい。また一平は面白い感じに成長してきたんで、ちょっと目が離せない気がします(笑)。今回、見ていて面白かったのは、子役からスタートして今の場所にいる大先輩の吉岡くんが、子役から役者に変わろうとしている淳之介に“人気がなくなったらポイだぞ”みたいなことを言っていて。なかなかスゲェなと思いました(笑)」
堀北「まだ小ちゃい頃に、もう少ししたら背も抜かされちゃうんだろうなあって言っていたら、今回、本当に抜かされていて(笑)。今は逆にあの年代の子に何を話しかけたらいいんだろうって思ってしまいますね。彼らの変化を目の当たりにして、自分は成長できてるのかな、ちゃんと大人になってるかなって。そんなことが気になりました」
▷▷映画も前2作以上にバージョンアップしている印象を受けました
監督「もしバージョンアップしているとしたら、僕の成長だと思います(笑)。自分では特に意識してないんですよ。新作を待っていてくださる方たちをがっかりさせないよう、一生懸命に作っているだけで。ただホン(脚本)は前2作以上に時間をかけて練りました。最初は茶川さんが成長していい人になっていたんですけど、それでは面白くなくて、ダメにすることで面白くなった(笑)。後は六ちゃん(堀北真希)がお嫁に行く時、みんなに(鈴木オートの)則文さん(堤真一)の気持ちになって欲しかったので、そこに至るまでの六ちゃんをいかに可愛くするかには心血を注ぎました。堀北は見事にそれに応えてくれて、凶暴なほど可愛くなった(笑)。お嫁に行くシーンでは、スタッフみんなが則文さんの気持ちで見ていたのが印象的でした」
▷▷堀北さんは六ちゃんの可愛さをどう表現しようと?
堀北「可愛くしようとは意識してなかったですけど(笑)。素直で一生懸命な六ちゃんだからみなさんに共感して、応援してもらえていると思うので、そこはちゃんと出していきたいと思いました。演じる時には、前作から抜けている時間の分、成長して大人になっているところを感じてもらえるように意識しました」
▷▷六ちゃん役に思い入れは?
堀北「これだけ長い期間、同じ役を演じてきて、しかも役も成長して、歳を重ねているのは他にないですし、特別な思いがありますね。自分自身の記憶と六ちゃんの記憶がリンクするところもあって、“私、青森から上京してきたんだっけ?”って思うこともあるくらい(笑)」
▷▷今回は六ちゃんに大きな変化がありましたね?
堀北「お医者さんの菊地先生(森山未來)という新しいキャラクターが登場して、六ちゃんが恋をするんです。ただ菊地先生のキャラクターが、台本で想像していたよりも濃くてクセのある感じで(笑)。六ちゃんは割と地味で大人しい子なので、私からすると凸凹カップルみたいな感じがしました(笑)。この恋の行方がどうなるのか、楽しみに観てください」
▷▷4月から放送されるNHK朝ドラ『梅ちゃん先生』で演じるのも昭和の女性ですね
堀北「様々な作品で昭和の女性を演じさせてもらっていますが、『ALWAYS』の時代は家族を支えるお母さんのイーメジで、その後、社会進出するようになって、今よりも逆風が強い中で働いていたと思うと、昭和の女性はとても強くて逞しいと感じます」
▷▷今回の舞台である昭和39年は、監督が生まれた年ですね?
監督「この(映画の中の)世界のどこかに自分が赤ん坊でいるのかなとか、茶川さん家の赤ちゃんは同い年なんだなと思うことはありましたけど、残念ながら0歳の記憶はないので、自分の体験を反映させることはできませんでした。でも自分が生まれた年であり、東京オリンピックの年ということで、親がすごく覚えていて、色々教えてくれました。他の人たちに取材をしても、劇中のように“ブルーインパルス”が東京五輪のマークを作っているのをテレビで見ていて、外に出たらそれが本当に自分たちの頭上にあったということを、劇的な思い出として大事にしている方がたくさんいたんです。そういう意味では、すごくハッキリした記憶がある、印がついている年なのでリサーチは楽でしたよ」
『三丁目』は自分を見つめ直せる場所。本当に大好きな映画です(堀北)
▷▷今回はそれぞれの幸せを探す物語でもありましたが、震災後に公開になることで特別な思いは?
監督「ちょうど撮影が終わりかけた頃に震災があり、撮影なんかしていていいのかって考えた時期もありました。でも僕らに出来ることは、これを作ることしかないと。映画に宅間先生(三浦友和)が“幸せって何でしょうな”というシーンがあるんですが、撮影中は物語の流れのひとつだったものが、震災後に観ると随分意味が違って、捉え方が変わった気がしました。ちょっとおこがましいですが、日本が焼け跡から復興してきて、次にオリンピックだ!って言っている、いちばん元気のよかった時代の映画をこの時期に公開できるのは、映画が時期を選んで生まれてきたんじゃないかと。それは撮っている時に考えた“決して意味のないことをしている訳じゃない”って思いとリンクしていますね」
▷▷堀北さんは幸せについて何か感じました?
堀北「六ちゃんは自分の新しい居場所を見つけて巣立って行きますけれども、すんなりという訳ではないですよね。彼女にとっての幸せは、自分だけがいい思いをすることではなく、大切な人たちも大切にできること。幸せは何かというのは映画のテーマになるほどなので、私が簡単に答えを出せることではないんでしょうけど、私は今すごく幸せだなと思っています」
▷▷シリーズ初の3Dを撮る際に大切にしたことは?
監督「最先端の技術を使って昭和を描くのは『ALWAYS』でずっとやってきたテーマ。今回は第3世代の3Dが発達してきた中で、3Dに挑戦するぜ!って思いがありました。とはいえドラマの邪魔をしてはダメですし、年配の方も楽しみにしてくださっている作品ですから、初めて3Dを観る人もいるはず。全体的に昭和の世界がスクリーンの向こうに広がっているような、奥行きのある目に優しい3Dを作ろうと思いました。ただやっぱり3Dは飛び出してなんぼなので、何ヶ所か別冊付録みたいに思いっきり飛び出すところを作りました。東京タワーは目の幅や角度を調整して、色々な数値の動画を作り、スタッフみんなで目が痛くならない限界ギリギリのいちばん飛び出すところを探したんです。前の人の頭に当たりそうなぐらい飛び出しているので、家に帰って「東京タワーが飛び出したのよ!」って言ってもらえると嬉しいですね。トンボが自分の周りをぶんぶん飛び回るのも、郷愁に駆られる感じで面白いと思いますし、劇場では手を空中に出して触ろうとしていただきたいです」
▷▷演じる側に違いはありました?
堀北「3Dの『三丁目』って想像できなかったんですけど、完成した映画を観たら、前2作よりさらにワクワク感がアップして、観て感じるだけじゃなく、体験できる映画だと思いました。撮影ではカメラが大きい分、余計に家の中が狭くなって、大変でしたけど(笑)」
監督「3Dはカメラがとにかくデカい。真四角の大きなカメラに、コンピュータで操作するカメラが2台、縦と横に付いたとんでもない機械なんですよ。さらに操作する人が2人張り付いていますから。撮影もCGで奥行きまで合わせて構成する作業も大変でしたけど、出来上がってみれば楽しかったなって感じになっちゃいますね」
▷▷特に楽しかったことは?
監督「モニターの映像も3Dなので、チェックする時はサングラスをするんです。それを端からから見ると、みんな子供ギャングみたいで(笑)。面白かったです」
▷▷では最後に、2人にとって『三丁目』はどんな場所でしょうか?
監督「“やりたくねぇ!”ってダダをこねながら作り始めたシリーズですけど、今では代表作のようになってしまい、決してそれが嫌ではないという。自分にとっては本当によく知っている人たちに会いに行く感覚が強いので、みんなに幸せになってもらいたいですし、簡単に幸せにしてたまるもんかっていう気持ちもある。簡単に手に入るものはロクなものじゃないんで、何かを乗り越えて幸せになって欲しいなって見守っている感じです」
堀北「1作目はまだお仕事を始めて2年目ぐらいの頃で、すごく緊張していて、みなさんに助けていただいた思い出があります。それから続編があり、時を経てまたお会いできるのはとても嬉しいですし、自分を見つめ直す場をいただいている感じがして。本当に大好きな映画です」
★『ALWAYS三丁目の夕日’64』1/21(土)→ミッドランドスクエアシネマほか
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