バトン

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先日、
「大河巡る〜生まれ変わっても忘れない〜」
上映後の舞台挨拶で

人はバトンを受け取る
そして、
この世を去る時にバトンを渡す相手がいることは
幸せな事だ…と。

口にした。




僕の42年の人生の中で
大きな出会いがいくつか(も?)あります。


その一つ、
2001年NHK大河ドラマ「北条時宗」で
エグゼクティブディレクターとして
大部分の演出を担当された
「NHKのコッポラ」と呼ばれた(と僕は聞いている)
吉村監督。


強く、広く、温かい人でした…。


そう…「でした。」


本日、偲ぶ会に出席させて頂きました。


勿体無くも、壇上で一言述べさせていただきました。

いくつものありがたい言葉、
思い出話のほんの一端を紹介しながら
涙をこらえて
「点から見守っていただけていることを信じ、
成長した姿をお見せできるよう
これからも努力精進する」事と感謝を伝えて
壇を降りました。


亡くなる三ヶ月前までメガホンを取り、
最後の残された三ヶ月の間も
生きることだけを考えていらしたそうです。

生前の作品、ドキュメントを編集されたビデオや
遺作となった「一茶」のメイキングを拝見し、
本当に情熱深く、魅力的な人であったことを思い出しました。

「自分はそう生きてきたから」と。
仕事が終われば次の仕事、
格好悪くても
真剣に取り組んで、走り続けてきたから…と。
御子息の最後のご挨拶を伺い、
その中で、意外?な一面を伺うことができました。


演出を担当された作品は、
ご家族皆でテレビの前に座ってご覧になっていたそうです。
そして、放送の最後に

演出 吉村芳之

と出ると、拍手をしていた。と…。
尊敬していた…と。

プライベートを感じさせない、
厳しい面もたくさん見てきた自分にとって
意外な一面でありましたが
出演者として、本当に作品を愛されていたことが実感できる微笑ましくもありがたいエピソードが伺えました。

最後に、
父は無くなりましたが
父が残した作品は残って生きます……
とおっしゃった時
本当に亡くなられたことを
実感させられ
耐えられませんでした。


残された作品、
そして、その作品の中に自分がいること
吉村さんに叱られたこと、褒められたこと、
教えられたこと、一緒に作品づくりができたこと、
本当に貴重なことであり、
私の財産です。


一昨年、吉村監督の声かけで出演した
大伴家持公の朗読劇。
体調がすぐれぬ中、稽古場においでいただいた時
少しは成長姿を見ていただけたかな?
と思っていましたが、
今年の再演ではしっかり見て頂きたい!
と思っていたのですが…

吉村監督の薫陶を受けた1人として恥ずかしくない!
吉村監督のご縁がつながった作品を
成長した和泉元彌を多くの皆様に見ていただけるよう
努力精進いたします。

ただ一本のバトンを受け継いだ!などと
おこがましいことは思いませんが
吉村監督のことです
人並みではない情熱をバトンに
多くの方に残されたと思えば
その一本ならば渡してもらえるかと…
そんなバトンを、そんな情熱を
受け継いで、これからも
一つ一つ、
精一杯の作品作りをして生きたいと思います。




吉村監督
お疲れ様でした。
そして、本当に
ありがとうございました。