Fri, October 06, 2006

村中孝次「書簡」(「粛軍ニ関スル意見書」送付時に添付されたもの)

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粛啓
 内外危急多端の秋愈々以て御清祥奉賀候陳者不肖所謂十一月廿日事件の真相に関し永く口を緘して語る事を避け来り候ひしも、今や其の闡明を必要とし妥当とする時機に到達せるを以て、三長官に呈出せし意見書の写を敬呈仕候間之れに就き御究明の程奉懇願候
 昭和維新の唱導既に数歳を閲し申候所謂「国家改造」とは国民物質的生活の外報的部分に就て言ふ、其の根基たり終局たるは国民精神の神的革命による国体的覚醒、道義的飛躍ならざる可らず、然るに単に「制度機構の改造」にのみ窶身するが故に、独裁主義、国家社会主義、共産主義乃至幕僚中心主義的国体背反の中世思想に堕し、或ひは三月事件と謂ひ十月事件と言ふ反逆的暴挙を企図し将又自我私利的隠謀の非道義を恥ぢざる所のものあり、純正維新開展の過渡的現象として或ひは見るべしと言ふと雖も皇国皇軍の本義に於て寛恕是認を許さゞるものあり、天佑なる哉「天皇機関説」問題の起るありて「機関説排撃」「国体明徴」の囂囂たる輿論は激湍に奔騰飛颺するが如きものあり、
 方に是れ「天皇の原義」を確認し国政私配の中間存在を一掃し国家の根柱国民の中心生命たる天皇に対し奉り、挙民直参輔翼の国魂に覚醒すべき秋、而して全国民の此の国体的道義的人格覚醒を基盤として百世貫徹、万国首導の大乗道義国家たる政治的経済的機構を確立すべきなり、
 皇軍現下の紛淆を断離して挙軍不動の統一を具現するの途は一は「維新」の真髄を把握して興国的潮流の源頭に立つことに拠つてのみ期待し得べし、これを是れ「維新的挙軍一体」と可申候
 建軍の根本使命に立ち「維新」の大旆を樹つべく断じて低徊顧望を許す可らず候
 降暑酷烈の砌乍ら邦家の為め切に御勇奮の程祈上候                                
拝具
                                               
  昭和十年七月
                           陸軍歩兵大尉     村 中 孝 次
             殿
              玉鞍下
 二伸
 別冊意見書写は軍内事情に関するものに就き部外に対し厳に漏洩を戒められ度く候


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村中孝次が「粛軍ニ関スル意見書」に添えた書簡。周知のように三月事件及び十月事件の内実を暴露し、統制派による皇道派への圧力を訴えたのが「粛軍意見書」である。すでに「国政私[ママ]配の中間存在」といった、後の二・二六事件へと接続するような思想が見られるのは興味深い。
底本:今井清一・高橋正衛編『現代史資料(4)』(みすず書房)
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Wed, September 27, 2006

高山樗牛「愛国心を嘲罵するものあり」(明治30年9月)

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 国を愛するの心は国民として最も貴むべき心なり。其の動もすれば排外自尊に僻し、頑迷固陋に陥るは、吾人の大に警戒せざるべからざる所なりと雖も、其の精神に至りては実に国家の元気なり。一国の進歩富強は一に是の心の強盛に待たざるべからず。道は時と共に移り、徳は勢と共に変ずと雖も、愛国は国民至高の道徳なり。国民間に愛国心を嘲罵するの風習を生ずるは、是れ即ち一国元気の実力なきを意味す。我邦今日往々にして是の如き徒輩を見るは、吾等の憤慨に堪へざる所なり。

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原文は旧字体。傍点はすべて省略。
底本:姉崎正治他編『増補縮刷 高山樗牛全集 第四巻』(博文館)
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Thu, November 17, 2005

「身を捨てて国を救う 崇高極致の戦法 中外に比類なき攻撃隊」(『朝日新聞』昭和十九年十月二九日)

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身を捨てて国を救う
 崇高極致の戦法
中外に比類なき攻撃隊

身をもって神風となり、皇国悠久の大義に生きる神風特別攻撃隊五神鷲の壮挙は、戦局の帰趨分かれんとする決戦段階に処して、身を捨てて国を救わんとする、皇軍の精粋である。

愛機に特別爆装した機、身もろとも敵艦に爆砕する必死必中の戦法は、絶対に帰艦を予期せざる捨て身の戦法であり、皇軍の燦然たる伝統の流れを汲み、旅順閉塞隊、あるいは今次聖戦劈頭における真珠湾特別攻撃隊に伝わる流れに出でて、さらに崇高の極致に達したものである。

殊に神風隊は、かねて決戦に殉ぜんことを期して隊を編成し、護国の神と散る日を覚悟して、猛訓練を積んだものである。勢いに余って死するは、あるいは易い。しかし平常、死する日を予期して、ひたすらその日のために訓練を励むがごとき、果して神ならざるもののなしうるところであろうか。(中略)

まことに皇軍の妙義はこの神風隊の壮挙にその一端を表わした。科学と物量とを唯一のたのみとする敵に対して、科学を超越した必死必中のわが戦法は、わが尊厳なる国体に出ずる崇高なる戦いの妙義であろう。(後略)


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原文は旧字旧かな遣い。引用者が適宜段落分け。
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