細胞診が3bで、組織診でCIN3
CIN
=cervical intraepithelial neoplasia
=子宮頸部上皮内腫瘍
=異型性(dysplasia)+上皮内癌(CIS)
異型性=前癌病変
CINを3つに分類したものがCIN分類
こちらが詳しいです→http://glaxosmithkline.co.jp/medical/cervical/hpv0301.html
①CIN1=軽度異型性
組織:異型細胞
範囲:上皮の1/3以内
層構造:乱れあり
★細胞異型がなくてもコロサイトーシスが認められたらCIN1
★コロサイトーシス=koilocytosis。HPV感染(ヒトパピーローマウィルス)による細胞異型
→コイロサイトーシスとは「上皮細胞の核周囲の細胞質が空胞状に広く抜けており、
空洞の輪郭は不整形で、細胞質辺縁が厚く肥厚」のような細胞のことで、
異型細胞とは区別される。
②CIN2=中度異型性
組織:異型細胞
範囲:上皮の2/3以内
層構造:乱れあり
③CIN3=高度異型性と上皮内癌
*高度異型性
組織:異型細胞
範囲:上皮の2/3以上
層構造:乱れあり
*上皮内癌
組織:癌細胞
範囲:上皮全層
層構造:消失
★高度異型性と上皮内癌は別の概念とされてきたが、
管理と治療が一緒なので、CIN分類ではCIN3にまとめられる。
★がん保険で
子宮頸がん0期(上皮内癌)と高度異型性が上皮内新生物に分類されるから保険金を受け取れる。
(契約状況にもよる。上皮内新生物特約がないとダメ。最近の保険では最初から対象になるみたい。)
④浸潤癌
組織:癌細胞
範囲:基底膜を越える
層構造:消失
治療は・・・
CIN1は経過観察。
ある調査で約7年の追跡調査で、CINの人のうち
34%が軽快
10~14%が進展したらしい。
CIN3は円錐切除
少なからず微小浸潤癌、浸潤癌が含まれている可能性があるから
子宮頚部の円錐切除
「子宮頸癌治療ガイドライン」によると・・・
☆妊孕性(にんようせい)(妊娠できるように子宮を)温存希望なし→単純子宮全摘
☆CIN3~Ⅰa1期は円錐切除。Ⅰa2期は要相談らしい。
CIN2は・・・??
19%が軽快。40%という報告もあるらしい。
30~42%が進展
アメリカではCIN2もただちに治療。
→ベセスダ分類のHSILには
細胞診中度異型性、高度異型性、上皮内癌(クラス3a、3b、4)が含まれる。
ということは、HSIL=CIN2とCIN3ってこと。
HSILの運用は、コルポ診と生検(組織診)だからCIN2も要精密検査ってこと?
CIN3と妊娠を希望する微小浸潤扁平のⅠa1期では
円錐切除が適応となるからCIN2も治療ってこと?
米国NCCN(National Comprehensive Cancer Network)では
以下の治療が推奨されてるらしい。
・LEEP円錐切除
・冷凍凝固
・コールドナイフ円錐切除
・レーザー蒸散
日本ではCIN2の治療についてまだ一定の決まりがないらしい。
コルポで病変が目に見える範囲にあるならばレーザー蒸散でもいいダロウ
とか、
CIN1と同じく経過観察でいいダロウとか。
「子宮頸癌治療ガイドライン」でもCINに関しては
0期(CIS)を含むCIN3についての記述だけ。
う~ん。いろいろな研究報告もあるけど読みきれないし・・・。
私がCIN2だったら・・・
とりあえず3ヶ月くらい(根拠ないけど)経過観察しようかな
光線力学療法・・・PDT(Photodynamic therapy)もありました。
胃がん、食道がん、膀胱がん、子宮頸がんで利用されている。
効果も高くて、きらなくていいのが大変魅力的。
円錐切除と同等の治癒率。
妊娠率が高く、早産率に有意差があったらしい。
出血もほとんどなく、痛みもなく、無麻酔でできるとか。
体験談を読むと、長時間の体勢やクスコや機械を入れるときの痛みがあるみたい。
治療費は高い。今は高額医療費の申請をすれば安くすむのかな?
入院期間も長い。1ヶ月以上の場合も。
暗所での治療や光線過敏でのシミ・日焼けの出来やすさ、実施施設の少なさなどなど考えると・・・。