【王と将軍 将軍の帰還 前編】


王は朝から、
ソワソワしていた。


今日、
将軍が、
遠いK国から、
帰還する。


2ヶ月ぶりだ。


王が、即位してから、
将軍とこんなに離れていたのは、
始めてだ。


シム将軍は、
ユノ王の国である、
T国の大使として、
K国に出向いていた。


長く続く両国の不和を終わらせ、
戦争を避けるため、

ユノ王の名代として、
和平の条件をしたためた、
密書を持って、
K国を訪れていた。


K国は強大な国で、
国土も、
兵力も、
T国の3倍はあった。


T国は、別の国との戦いを終え、
ユノ王も、軍隊も、
先日、
帰還したばかりだ。


いかにT国の軍隊が強くとも、
今、K国に攻めこまれれば、
ひとたまりもなかった。


ユノ王は、将軍や、
他の重鎮に説得され、
渋々、K国に和平を申し入れた。


K国としても、
最強と噂されるT国の軍隊と、
剣を交わせば、
多数の犠牲は免れない。 


それは、K国としても、
避けたい事態だった。


K国の国王は、
快く、
ユノ王からの和平の申し入れを、
受け入れた。


ただし……


K国の王は、
条件をつけた。


和平交渉の場は、
K国とすること。


T国の名代は、
シム将軍とすること……だった。



K国の王は、
好色家で、有名だった。


王宮の奥に、
巨大な後宮を作り、

たくさんの美姫や、美少年を、
抱えていた。


K国の王は、一目見た時から、
ユノ王の虜になっていた。


だが、さすがに、
一国の王を、
自分の褥に呼ぶわけわけには、
いかない。


代わりに、ユノ王が、
寵愛している、
美しい忠臣を差し出すように、
申し入れてきたのだ。


ユノ王は、孟反対した。



Y「あのヒヒジジイ!
こちらの足元を見やがって!
ならぬ!
お前が行く必要は無い!
私が、直接行って、
調印にサインしてくる!
あやつの強欲な顔に、
唾を吐きかけてやる! 」

 
ユノ王は、激怒した。


シム将軍は、そんなユノ王を、
いさめた。


C「それでは、和平の調印に、
なりません。
先方の条件は、
私が出向く事です。
私が、まいります。
大丈夫。
やすやすと、
先方の手中に、
落ちたりしません。
ご安心ください。」



将軍は、王をなだめ、
何人かの精鋭を従えて
K国に向け、
出発した。


和平の調印など、
行って帰って、

一週間もあれば、
終わる。


だが、案の定、
K国の王は、
美しいシム将軍を手放さず、

K国に、2ヶ月も、
足止めした。


しかし、ここ最近、
K国の王は、
体調を崩した。


そのため、
K国の王の許しを得て、

やっと、今日、
シム将軍は、ユノ王のもとに、
帰還することができた。


ユノ王は、
城の最上階のバルコニーに立ち、

シム将軍の帰還を、
今か今かと、
待っていた。


すると、
遥か彼方から、
砂煙をあげて、

もうスピードで、
馬を操り、
駆けてくる一団が見えてきた。


シム将軍の一団であった。

ユノ王は、その姿を見つけると、
城の広間まで、
走って戻り、

シム将軍の到着を待った。


やがて、砂まみれで、
息をきらした、
シム将軍の一団が、
城の広間に入ってきた。


C「王!
シム将軍。
ただいま、帰還いたしました!」


シム将軍は、
ユノ王の前に、
膝まずいた。



Y「大儀であった。
まずは、湯に入り、
ゆっくり休め……
それから、私の私室の方で、
報告を聞く。」


C「はい。」


シム将軍は、
王に一礼すると、
広間をあとにした。


ユノ王は、
その背中を、
切な気に、見送った。



続きます。


【ホミンホ合同企画ミーアゲ
(meeting again)】に参加しています。

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ありがとうございました。

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