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《本記事のポイント》

  • 「英国のEU離脱」「トランプ勝利」の根っこは中国
  •  中国台頭で利益を得たエリートと、仕事を失った中低流階級層
  • 「安倍政権がどうこうではない。日本人、一人ひとりの責任だ」

 

トランプ大統領の首席戦略官兼上級顧問を8月まで務め、「大統領の最側近」「陰の大統領」とも言われていたスティーブン・バノン氏。同氏は現在でも、トランプ氏と頻繁に連絡を取り、政権をサポートしているという。

 

そんなバノン氏がこのほど来日し、都内で中国の人権問題について「諸民族青年リーダー研修会」で「Forging an Alliance of Asian Democracies Responding to China's Influence and Threats(中国の影響と脅威に対応するためにアジアの民主国家で同盟を形成する)」と題する講演を行った。講演は中国大使館によって中止の圧力がかかる中で、行われた。

 

バノン氏は、「中国の脅威」と「労働者階級が世界的に台頭している意味」について語った。その内容は、トランプ氏の本心を垣間見られるものと言える。本欄では、そのポイントを紹介していきたい。今回はその後編。

 

 

中流階級の目覚めをもたらした中国の脅威

バノン氏は、「英国のEU離脱(Brexit)」と「アメリカのトランプ大統領の勝利」の根っこが同じであることを強調。その二つをつなぐものは、「中国」だという。「中国の過剰な輸出が、アメリカの中西部やイギリスの産業を担う中核地域の破壊をもたらした」と訴えた。

 

バノン氏は、その実情を無視してきたアメリカのエリート層について、以下のように指摘した。

 

「アメリカで隆盛を誇るシリコンバレーやウォール・ストリート、ハリウッドや、首都ワシントンのエリートは、中国と戦うことに関心がありません。なぜなら、中国の台頭によって利益を得てきたからです」

 

「アメリカの高卒者の給料は50年間上がっていません。アメリカで行われているのは、資本主義というよりもむしろ豊かな人たちに対する福祉政策なのです」

 

そしてバノン氏は、「中国の影響をもろに受けたのは、トランプのサポーターである労働者階級なのです」「そして労働者階級の人たちは、自分たちの工場がなくなり、仕事が無くなっていっていることに気づいていたのです」と訴えた。

 

「このことを論じたとてもよい本があります」として、バノン氏が紹介したのが、J.D. ヴァンスの『田舎の哀歌』という著作だという。この本はトランプの革命を社会学的に基礎付けたもの。MITやハーバード大学などの調査をもとに、この数十年間、工場や仕事が中国のために失われ、労働者は取り残され、オピオイド系鎮痛剤の中毒者が増えたことが描かれている。

 

バノン氏は、トランプ氏勝利の裏には、こうした状況を打開し、アメリカを偉大にしたいと思った労働者階級の存在があったとしてこう述べた。

 

「アメリカのエリートは、アメリカの衰退をなすがままにしてきました。でも、労働者たちは、『トランプが衰退をなすがままにさせる人物ではないのだ』『トランプはあらゆる努力をしてアメリカをまた偉大な国にする人物だ』と思ったので、彼を支持したのです」

 

「アメリカの3分の2の人たちがアメリカは間違った方向に進んでいると思っており、75%の人たちは、アメリカは衰退していると思っていました」「でも彼らはアメリカが衰退してほしくない、偉大になってほしいと思っていたのです」

 

 

世界のトレンドである労働者による大衆運動

またバノン氏は、アメリカやイギリスで起きた、「労働者階級の目覚め」が、世界においても起きているとして、こう訴えた。

 

「現在、労働階級や中流階級が、アメリカだけでなく、世界中で自分たちの手に権力を取り戻そうとする運動を起こしています。これは人類にとって新しいことです」

 

しかしそれは、他人任せの政治ではない。バノン氏は、「責任はあなたがた一人一人にある」と強調し、世界中の働き手である中流階級が、声を上げてエリート階級と戦うことの大切さを呼び掛ける。さらに、「幸福の鍵となるのは自由」であり、自由を得るためには「勇気」という徳がもっとも大切であることを、トゥキディデスやチャーチルの言葉を引用しながら論じた。

 

バノン氏は、日本人に対しても、「安倍政権がどうこうではなく、あなたがた一人一人に責任があるのです」と訴えた。

 

これほど日本人の未来を思いやり、主権在民の本質を突いた言葉もないだろう。

 

日本国民は、自分たちの幸福の実現のために「政府が何とかしてくれるだろう」と、あたかも会社で言えば指示待ち社員のように、待ち続けてきた。だが平均賃金の際立った上昇もなく、製造業が中国経済の"被害"を受けている状況は、アメリカとそう変わらない。

 

アメリカ国民は"指示待ち"をやめて、「自分たちの未来は自分たちで切り開く」という決断をした。そしてトランプ氏を大統領に選び、アメリカ国民は主権を取り戻すことができたのである。

 

バノン氏の講演は、中国の脅威を自覚し、日本国民も憲法で保証されている主権を取り戻し、一人ひとりが立ち上がることを促すものであった。それができるかどうかは、我々一人ひとりの勇気にかかっている。

(長華子

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《本記事のポイント》

  •  習近平演説は「21世紀における最も重要な演説」
  •  中国が覇権を握る3つの戦略
  • 「中国はパートナーではなく敵と気付くべき」

 

トランプ大統領の首席戦略官兼上級顧問を8月まで務め、「大統領の最側近」「陰の大統領」とも言われていたスティーブン・バノン氏。同氏は現在でも、トランプ氏と頻繁に連絡を取り、政権をサポートしているという。

 

そんなバノン氏がこのほど来日し、都内で中国の人権問題について「諸民族青年リーダー研修会」で「Forging an Alliance of Asian Democracies Responding to China's Influence and Threats(中国の影響と脅威に対応するためにアジアの民主国家で同盟を形成する)」と題する講演を行った。講演は中国大使館によって中止の圧力がかかる中で、行われた。

 

バノン氏は、「中国の脅威」と「労働者階級が世界的に台頭している意味」について語った。その内容は、トランプ氏の本心を垣間見られるものと言える。本欄では、そのポイントを紹介していきたい。今回はその前編。

 

 

習近平演説は「21世紀における最も重要な演説」

中国共産党第19回全国代表大会において、習近平総書記は3時間半の演説を行った。

 

バノン氏はその驚愕の内容に注目。2035年までに経済的な覇権を握り、2050年までに世界のリーダーを目指す意志を表明したとして、「21世紀における最も重要なスピーチ」で、「全世界に対する警鐘」であったと訴えた。

 

バノン氏は、「後になって、『全てはあのスピーチから始まったんだ』と振り返ることになるでしょう」「(演説は)西側に対して警告以上のものを意味します。というのも、要するに彼は、中国の儒教的な重商主義的で専制的なモデルが勝利し、ユダヤ・キリスト教的な自由で民主的な資本主義という西側のモデルは負けた、と言っていたからです」とも警告した。

 

また、欧米メディアがその詳細について、まともな報道をしなかったことを批判した。

 

 

中国が覇権を握る3つの戦略

これに続けてバノン氏は、中国には、覇権拡大に向けた3つの戦略があるとして、その概要を以下のようにまとめた。

 

1つ目は、国際規模で製造業をコントロールするために、ある重要な産業で優位に立つことである。具体的にはシリコンチップの製造、ロボットの製造、AI(人工知能)など、10の産業分野で2025年までに優位に立つことだ。バノン氏は、「これら相互の産業が合わさると、21世紀の国際規模の製造業で中国が支配的な地位に立ちます」と述べた。

 

2つ目は、「一帯一路」の交易を通じて、経済的、文化的、政治的影響を与えることである。

 

その構想は、世界をランドパワーとシーパワーとに分け、地政学的な戦略を練ったマハン、マッキンダー、スパイクマンを統合する考え方であると指摘。つまり、地政学的に見ても、覇権拡大への近道になっているということだ。

 

さらに、バノン氏は、「一帯一路政策が中国と中東をつなぐと、イスラーム復興主義を取る国と中国が連携する危険性がある」との予測も行っている。

 

3つ目は、西側が中国に制裁を課すことができないレベルになるまで、金融技術を発展させつつ、米ドルに取って代わるという野望だ。

 

 

「中国はパートナーではなく敵と気付くべき」

また中国は、「中国市場に参入したければ、技術をよこせ」と非公式で外資に技術移転を迫る慣行を長年行ってきた。

 

この問題についてバノン氏は、中国が自由で民主的な市場のシステムの華である「イノベーション」を収奪したと非難。3.5兆ドルもの技術移転は「貢物」以外の何物でもないとして、トランプ政権は、通商法301条による調査を開始したと述べた。

 

そして、「これまでアメリカのエリートたちは、もし中国が経済的に発展したら、中国は市場を尊重した自由な民主主義国になると信じてきましたが、結果は全く逆でした。中国は戦略的パートナーではなく、敵だと認識しなければなりません」と述べ、エリート階級が意図的に中国の台頭に目を瞑ってきたことを厳しく批判した。(後編に続く)

(長華子)

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ラジオ大阪で大好評放送中の「ハッピージャパン」。
毎週金曜日の20時45分から15分間の番組となって、お耳にかかっています。
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ぜひお聞きください。

 

 

 

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