悪いものなど去年においてきた。 | 彼方ニ刺シタ銛ヲ

悪いものなど去年においてきた。

明けましたね。明けました。

今年も何卒よろしくお願いしゃす!!!
いやーもう明けないかと思ったよ。

年末はひどい悲しみと運のなさと自分の愚かさとに
押しつぶされそうになり、久しぶりに壁を
殴ったりしました。手が痛い!
…いや、痛いのは足だったんだけど。

12月22日、実家から突然の親戚の訃報。
大好きなおじさんが亡くなった。
その日、実家に帰るためのバスを一日早めた。

12月23日、久しぶりによく歩いたら、何故かその夜、
昔ひねった足の痛みが再発。
完全に片足が終わった状態。今も痛いす。

12月25日、…クリ…ス…マス?…ハッ!
夜、お葬式にあわせ、よたよた、足とキャリーバッグを
引きずりながら実家の四国に帰ろうとしてた。
新宿からバスに乗り込もうとしたその時。


「……あれ??」
「………」
「……あれェ?……財布…」
「………」
「財布は???」

…ない。新宿、夜九時、一円も持ってない状態。
「嘘でしょ…。さっきコンビニ行った時あったじゃん。」
…バスに乗れず、そのまま見送る。

でも、悲しむのは後回し。そのまますげー走った。足痛い!
でも財布落とした場所なんて、さっき座って待ってた
あそこしかない!
足痛い!寒い!でも財布!!

バキャッ

「おう!」


……目を疑う。

キャリーバッグのタイヤが吹き飛んでいた。
嘘でしょ!なにこれ!
コロコロしなくなった!
コロコロすることにかけてのみ定評あるキャリーバッグが!
コロコロがズリズリに!

足痛い!寒い!金ない!バスも行っちゃった!ズリズリ!

…財布はなかった。落としたとしたらここしかない
その場所に、財布はなかった。
近くの交番に行った。なかった。届いてもなかった。

………
…泣いてもいいかな??
一旦東京の家に帰ろうにも、電車賃すらないのです…。

……行き交う人々をぼんやり見ていたのだけれど、
こうしてても仕方がない。
重い手を動かして、明日の朝イチの飛行機で
四国に帰ると行っていた弟に電話してみる。







「おう、迎えにいくぜ!ちょうど仕事で新宿近くに居るから!」

……神か!!!

「金??貸せるよ。飛行機で帰ろ。」

……神だ!!!!!



神!!


魅上照と夜神月がそこにいました。

そういう訳で…ね。

俺はもうなんとか細い道をなんとかなんとか綱渡りで
高知に帰り、お葬式に出席することができました
…ということで。
俺も弟も妹も、僕らは三人そろって、お世話になった
おじさんを号泣して見送り、
新たな年を迎えるに至ったって訳です。
実際、葬式で見送れるってことは、結構大きなことだと思う。
10年ぶりにあう、或いは会ったことのない新世代の
親戚たちとも、ゆっくりと過ごすことができました。

ちなみに、財布はお葬式中に警察さんから
電話があり、無事に見つかりました。
「お礼??結構ですよ、そんなものは…」と、
連絡先も告げずに去って行ったという拾ってくれた方!!
本当に感謝してます!!!
悲しいことばかりではないと、世の中はやはりすばらしいと、
そう思いました。
ありがとう。

つまりこれはきっと、新しい年は、みんなが
幸せに穏やかに過ごせるってことだと。
絶望に苛まれても、力のなさにへこみきっても、
それが明ける時は来るでしょう。
生きていける限りは、先にいなくなってしまった人たちの
分を背負って、前向きに進んでいきませう。

ちなみに、弟は葬式の翌日に東京に帰り、
その日に骨折するという偉業を成し遂げました。

厄払い、行くぜ!!!!!!!

今年もよろしく!!!

arigato