「スガ君、キミは何人兄弟ですか?自分はたくさんです。」
 「3人兄弟です。しんさんは、確か、妹さんがいると前に言っておられましたよね?」
 「めだか、と言います。めんこいです。とってもとってもめんこい子です。」
 真一はめだかちゃんのことが可愛くて仕方がない。それもその筈である。めだかちゃんの子守は真一の役目だったのだから。めだかちゃんを背中におんぶしてチャンバラごっこをしたりしたのである。だから、真一はめだかちゃんのおしめなども変えたことがあった。
 真一はめだかちゃんとはとても似ている所がある。
 まず、人の言うことをすぐ信じてしまう。キラキラした瞳で人をみる。信じた人との約束は必死に守ろうとする。そんな真一は今憧れていたインテリになろうとしていた。
 
 めだかちゃんは、真一にはブタ貯金箱を全部渡している。めだかちゃんは、真一が倍にして返すからと言ったことをずっと信じていた。
 
 日米安全保障条約は1960年に発効された。この発効をめぐって、学生を中心とした反対運動が盛り上がりその発効の阻止に若者達が燃え上がった。そしてその中に、真一はいる。
 
 札幌はそんなムーブメントとは程遠いところにあった。そんな中で、めだかちゃんはいよいよ中学へ通うことになった。
 
 「めだかちゃん、わたしのこと覚えてる?」
 「あ、なんだ、同じ中学だったんだ。」
 めだかちゃんは知っている顔がちらほらあって嬉しくなってしまった。
 めだかちゃんはソフトボール部に入る。ポジションはキャッチャー。上手くはないのだが、ドンマイドンマイと声をだして皆を勇気付けることは何故か得意だった。
 そして、放送委員になった。
 
 「そこで遊んでいる1年生、下校時間がすぎました。早く帰りましょう。」
 マイクから聞こえる自分の声にめだかちゃんはうっとりしていた。
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週末にまためだかちゃんはお会いします---morim
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