遠方から友人がやってきた。
10時~12時半まで時間をくれるということで、いそいそと出かけて行った。
藤沢駅集合。
江ノ電に乗りたいという彼女の希望で、1日乗車券にて「電車でGO!」
(江ノ電を撮る友人を隠し撮り)
夏休み前の平日。
立っているお客さんも少なく のどかな雰囲気。
久しぶりに会った私たちは、昨日も会ったような顔をして静かにおしゃべり。
どこまで行くとも、どこで降りるとも決めずに ただただ のんびりと江ノ電に揺られる。
「家が近いな」
「ほんまになあ。電車に樹の葉がぶつかりそうやな」
「擦っとるし」
「海が見えた!」
「めずらしいもないけど、海やなあ」
「湘南やけんなあ」
「ほら、鳴門の海とは違うよなあ」
(鳴門の海とは違う湘南の海 ・ 車窓から)
「あ! 甘味屋さん」
「線路際やなあ」
「行くで?」
「行きたいなあ」
甘味屋さんのすぐそばの駅で降りて、お店に入る。
(和田塚駅線路わき 無心庵)
庭を見ながら、冷しぜんざいと豆かん。
「豆かん、ちょっと食べてくれる?」
「残すん?」
「うん」
「なんで?」
「よう考えたらな、黒蜜、あかんかった」
「黒蜜あかんのに、豆かん 頼のんで蜜かけたん?」
「なんでだろなあ」
「まあ、食べるわ、残りは。私はうれしいけどな」
長いつきあいでも知らないことはたくさんある。
もし、友人に沖縄のちうすこうをお土産に買うときは、黒糖はやめておこうと思う。
甘味屋さんで実のある役に立つ会話をたくさんしたあとで、また電車に乗り込む。
景色を眺めながら、ゆっくりと進む江ノ電に乗って好きな友達と話していると、幸せだなあと思いましたよ。
江ノ電は、移動するちゃぶ台みたいに 我々を乗せて藤沢駅へと帰っていく。
1時間半なんてあっという間に過ぎる。
大学時代の友達と12時45分に待ち合わせているという友人を、駅ビルに連れて行き、お土産を買って手渡す。
「ここに来たらな、タコ煎餅、買わなあかんよ。ほんま、おいしいよ!」
「チーズ好き? ちょっとは好き? あんまり好きじゃなくてもここのチーズパイは食べなあかんよ」
藤沢土産は、湘南ちがさき屋の「タコせんべいと」、葦の「チーズパイ」。
友人はこっそりコインロッカーに隠してあった手提げ袋いっぱいの故郷のお土産をくれる。
もらい過ぎやなあ、わたし。
翌日、帰り着いた友人から携帯で写真が届いた。
わたしが渡したお土産とまるっきり同じお土産を、学生時代の友人に持たされたという。
これがその証拠写真です。
彼女の友人はしらすせんべいもつけてくれたみたい。
クッキー、包装してあるのとしてないのと、中身は同じ。
よりによって、同じチョイス。
可笑しい。