『無銭優雅』山田詠美

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 無銭優雅

ひょえ~~、と、わたしは心底驚いて、空気をいっぱい吸った。

空気っていうのはね、この本の空気。

そんで、ああ、やっぱり山田詠美はすごいなぁぁぁぁぁと、息を吐きながらうっとりしたんだった。


えっと、ほんの一例ですが、こういうところ。


 女の子。私のことか? そう自問したら、本当にそんな気がして来た。いい気になってきた。私のこと、埋もれさせないでもらえます? なんて、鼻持ちならないことを考えていたら、ころん、と転ばされて、いつのまにやら、彼の腕の中にいた。そうして、散らかったままの部屋の片隅で手ごめにされて気持がよくなって、まあ、いいか、と呟いた。幸せを呼ぶ場合に限り、投げやりは美徳だ。片付けは、明日、考えよう。考えるべき明日が来なかったとしたら、それも、また一興。未来がないから、不埒は至福。せちがらい世の中ですもの。目の前にある男の唇は、とりあえず吸っておかなくては。ちゅっ。美味ではないか。


とか、主人公は40歳すぎの花屋の主だから、こんなのもある。


 ご要望に合わせて、ちょっぴりお高いけど和紙も使う。悪目立ちしない丁寧に漉かれた紙は、花々に着崩されて粋になる。



こんな引用すると、乱暴に引き抜いた花みたいな感じになっちゃったか? スマソ


実はまだ50ページめなの。リアルタイムでうふふ、っていう感じを書いてみたくなったの。

いつもより明るいリズム感、のようなものがあって、でぇもぉ、山田詠美は山田詠美でありまして、ス・テ・キ。


ちょっとおしゃべり。

帯には「心中する前の日のココロモチで、つき合って行かないか」って書いてある。

途中にときどき「死に至る恋愛文学」、たとえば「風立ちぬ」とか「外科室」が引用されてる。

本の後ろに載ってるのを数えたら、21あった。

だけんど、山田詠美だからね。

そんなものに、引きずられないよぉ(いまのところ 爆)

引用は、接続詞か息継ぎみたいなものだな(いまのところ←そのうち、なにか仕掛けがあるのかな、とちょっと期待。なくてもいいよぉん)


「死に至る恋愛文学」なんつうのは、いまどき、どぉぉぉぉぉんな風に書いてもベタなんじゃない? と、半ばあきらめの気持ち、または読者の傲慢を密かにかましておりましたが、うむ、ナルホド。

「心中する前の日のココロモチ」か、すげぇな。


と、こんなに「すげぇ」を連発するなよ、恥ずかしい。


ということで、読書に戻ります(^^v


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