建築エコノミスト 森山のブログ

マンガ建築考の森山高至が「たてものと生活と社会と文化」を考えています。
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豊洲の法外な建設費用、坪220万円を目の前にして、正直ドタマにきています。

なんなんでしょう、この建物が世界の安藤忠雄さん、谷口吉生さん、槇文彦さん、伊東豊雄さんらの建築作品よりも高い!まったくわからん。
どこに金が消えているんでしょうか。


新国立競技場問題では、予算がどこまで膨れあがるかわからない、、、というのが問題になっておりましたが、豊洲市場は予算がなんで膨れあがっているのかわからない、、、という意味では、またしても建設業界の信用にかかわる大事件に発展しそうな勢いなんです。

と、憤っておりましたら、なんと!今週号のヤングマガジンに凄い記事が載っておりました。

漫画家の三田紀房先生と大和ミュージアム館長の対談です。
話題は『アルキメデスの大戦』という作品についてなんですが、、なんと!この作品は、新国立競技場問題から着想されたそうなんです。

現代ビジネス 賢者の知恵にも詳しくインタビュー記事が掲載されました。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49318

こう始まっています。

三田先生は、なぜ『アルキメデスの大戦』を描こうと思ったのですか?

三田 この漫画を描こうとしたきっかけは、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場建設計画で、当初は1300億円だった総工費が3000億円を超えることになったことへの疑問でした。
なぜそうなったのか? を考えているうちに、ふと戦艦「大和」が思い浮かんだんですね。建造費1億4503万円、当時の国家予算の4.4%もの巨費を投じて造られた戦艦「大和」が。


一昨年からの新国立競技場騒動のときに、建築家の槇文彦先生が確か、次のようなことをおっしゃっていました。

巨大過ぎる。当初の見積もり1300億円がどんどん膨れあがり、3000億円を超えてなお設計が収束していない、巨大なアーチをどう作るのか運ぶのかも見通しがたってない。コンペ審査委員たちもその辺に言及しない、無駄に労力をかけ、時間だけが過ぎ去っている。まさに戦艦大和を作って敗戦に突き進んだ無責任体制の再現である。


私も、新国立競技場問題を戦艦大和の話やインパール作戦、レイテ沖海戦等々にたとえて来ましたが、まさか、現実の事件から歴史的再解釈をおこないながら、エンターテイメントに仕上げた作品が登場していたとは、非常にびっくりしました。

三田先生、さすがです!

三田先生は高校野球マンガの概念を塗り替えた「クロカン」が有名ですが、これまでも、「こんなんマンガになるんかい?!」といった難しいテーマで大成功を納められてきました。
その中でもみなさんがよく知っているのは、受験勉強をテーマとした「ドラゴン桜」でしょう。

ベンチャー企業をテーマにした「マネーの拳」や、ヘッドハンティングと就職を扱った「銀のアンカー」、現在連載中の「インベスターZ」では、投資をテーマに日本経済のを幅広く取り扱いながら、面白くドキドキするエンターテイメントに仕上げられています。

その特徴は、圧倒的な自信に溢れた主人公が、短期的で世俗的欲望にとらわれた敵対勢力、しがらみに囚われている凡人の群れに対峙していくときの、その小気味よさと爽快さです。


この『アルキメデスの大戦』という作品はおよそ、これまでに試みられた戦記物、ビジネス物、ヒーロー物、そのいずれとも違いながら、その全てを盛り込んであるという画期的な作品です。

太平洋戦争突入前の日本海軍内部でのお話です。

世界最大の巨大戦艦を建造しようとする軍内部の主流派に、これからの海軍は航空戦力重視でなければならないとする山本五十六の急進派が対峙しています。

この巨大戦艦プロジェクトの精査のために、軍に呼ばれた帝大の学生が、主人公の櫂直(かい ただし)です。


講談社ヤングマガジンは、若者向けでありながら大人の読書にも応え、エッチな作品と同時に哲学的な作品も掲載しつづけ、今でも掲載作品のバリエーションが幅広く、本当に頑張っている雑誌です。
特に、わたくしは故風間やんわり先生や小田原ドラゴン先生の無意味シュール系の脱力ギャグ作品も毎号非常に楽しみにしております。

『アルキメデスの大戦』はちょうど、今3巻が出たばかりですので、ぜひみなさんにもオススメいたします。


と、三田紀房解説やヤンマガ解説をしていると話が終わらなくなってしまいますので、豊洲の建築的諸問題に戻りますが、、

これまで建物の平面図ばっかり見てきましたが、高さ方向はどうなんだ?と、高さに関して問題は、間違いはないのか?と。
高さ方向についても見ておきたいと思います。

この赤いラインでカットした断面図はこうです。


ずいぶん平べったい建物なんですね、と思うでしょう?パット見。
それは、縦横の比がずいぶんあるからそう見えるだけで、結構高さのある建物なんです。


断面図の赤い丸の部分を拡大した図があります。


これは断面図の詳しい図で、建築業界では矩計図(かなばかりず)と呼びます。そこに高さの表示を入れます。


24メートルくらいというのがどういう高さかというと、塔のの先端は東京駅の方が高いですが、ボリュームとしては東京駅よりも高い感じです。


確か、築地は平屋だったし、豊洲で問題になってる狭い狭い連絡通路。仲卸と卸のつながりは1階だけだったような、、、、平屋で機能させてんじゃないの?と。

じゃあ、なんで高さ24メートル、普通のオフィスビルなら天井高さ3メートル以下ですから、7階か8階建て相当の高さがあるんだろう、豊洲?

って思ったんですね。

なんで、こんなに高いんだろう?と。

これらの図面を見ておりましたら、またしても、ややや!っていう部分が見つかったんです。

築地では卸売業者と仲卸業者は一体かつ連動していることは、このページをご覧の方々は既によくご存知だと思います。
それが、平面図的には細い通路が3本しかない、だから移動や荷役を含め大変なことになる!ってことでした。


しかしながら豊洲の建築的問題は平面だけではないのです、

6区と7区はうまく繋がっておりません。ていうか繋がっているという既成事実を作らんがための接続。細すぎて低すぎて卸と仲卸をつなぐに無理のある導線計画です。

現状はこうなっています。


4~5階建てのビルの導線接続は道路の下。
こんなんで市場は機能するのでしょうか?
まったくしないと思います。

もう一度、この施設の大きさを把握しておきましょう。
市場としては築地より狭いくせに、ハコとしては非常に大きい。


そして、卸と仲卸は空間として一体であるべきものが、、、

地下でしか繋がっていない。

その地下の通路ときたら、、、


高さ2.5メートルしかない。

しかも、この肝心要のアンダーパス部分は、この建物でもっとも貧相なつくりになっている。


特に、ヤバイのはこの、アンダーパスの屋根は、屋根勾配がゼロなんだ。
雨水が溜まっているでしょう?


そして!極めつけは、もっとも廉価な工法であるシート防水。
これ、すぐ劣化が始まるぞ。



坪単価220万円の超贅沢な巨大施設で、機能上もっとも重要と思われるカ所にもっともお金をかけていない!

あまりにチープ過ぎる施設。

何かが根本的におかしい。



⑮に続けるしかなくなった。


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