カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 1
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カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 7最終章

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カイジらが、大槻E班班長の経営するチンチロバンクに打ち勝とうとして取った行動をヘッジファンドと解釈しましたが、
みなさんもこのヘッジファンドという言葉、ここ10年あまりの間でニュースや雑誌などで耳にしたことがあると思います。
ヘッジファンドって何なの?なんか難しい金融用語でしょ、
全然普段の自分たちの生活とは関係ないし、、
そういった印象だと思います。
しかし、そうでもない。
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投資信託というものがあります。
「投資」とか「信用」とか「委託」とかいった言葉から、何か非常にしっかり感のある印象を受ける言葉ですが、
要は、お金を持っている一般の人が、お金からお金を増やす専門家に資金を預けて増やしてもらうという単純な話なんです。
しかも、勝ったら勝ったで勝ちの一部は戻すけれど、負けたときはあんたの責任だよ、というそんな制度。
「投資」とは資産を投げる、「信用」とは信頼感を用いる、「委託」とは他人に任して儲けを託す、
そう理解すべき内容です。
だから、投資信託というのは言ってみればある程度ゆるゆるの博打です。

元本保証というのはありません。素人がわけもわからず株を売り買いするよりも、株の専門家が凄いハイリスクハイリターンの金融商品の博打とローリスクローリターンの金融商品の博打や、不動産投資の利回りなど、さまざまな儲ける仕組みを混ぜ混ぜにして、終局顧客がまあまあ勝ってるような、勝ち分を取引手数料でちょこっと抜きしているような、状態を維持することで運用側も利幅を取る、他人のふんどしで相撲を取る、そんな仕組みですね。

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このあたりのさじ加減の味付けをする人のことを、アセット・マネージャーと呼びます。

それをたくさんの人からたくさんのお金を集めて、大っぴらにおこなえるのは証券会社とか信託銀行とか、許可、登録をした業者に限られているんです、基本的に。

この投資信託、ただ単に銀行に預金を預けても金利が1%とかそんな時代においては、数%の利益であれ、預金よりはまだマシ。そんな解釈で販売されています。
中国ファンドとかMMファンドとかくらいは聞いたことがありますよね。
今では、インドインフラ株投資信託商品とかITベンチャー投資をメインにしたもの、不動産投資を混ぜたもの、などなど世界のいろんな混ぜ混ぜご飯みたに多くの種類があります。

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この混ぜることでリスク回避して、全体である程度安定した均一化した勝ちを得るシステム、それが投資信託などの金融商品の特徴でもあり利点です。
投資を小口化して大勢の委託者がお互いにいろんな投資商品を網の目のごとく張り巡らせる。
風が吹けば桶屋が儲かると、、、土蔵や米倉が栄えて、、、左官屋が忙しくなって、、、扇風機が売れて風が吹く。みたいにぐるぐる回るんです。
そこに、一部でも完全にマイナス、今後も二度と増えない、死んだ債権の細かな粒粒みたいなものが全世界にぶん撒かれた。
それがリーマンショックですね。

リーマンショックとは、サブプライム(プライム=一流の、サブ=下の)ローンという、ちょっと払えるかどうか心配な人向けの住宅ローン融資の金利分を儲けとして見込んださまざまな投資信託や債権という、儲かる予定のたくさんの混ぜ混ぜメニューに腐れ成分が混入して、ほとんど全部のメニューが廃棄処分になっていったという流れで、ちょっと狂牛病騒ぎにも似た現象なんです。

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で、話は投資信託組織に戻って、この投資信託のうちそんな大勢から資金を集めるのではなく、少人数(アメリカでは99人以下、日本では49人以下まで)、
でしかも誰でも彼でも運用委託受けませんよと、
いういうなれば私的募集により資金を集め、
ゆるゆるの博打を混ぜ混ぜにするのではなく、一点集中とか事前の仕掛けまで含めて戦略的に投資をおこない、
「仲間内だけで儲けたれ!」、という投資組織のことをヘッジファンドというのです。
いわば、金融世界のゲリラ戦専門の特殊部隊です。

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だから、仲間うちで宝くじを共同購入するのも一種のヘッジファンドなんですよ。
しかし、宝くじがどこの売り場で出やすいとか、流しで買う場合の買い方などが判る人いわゆるアセット・マネージャーがいれば、、の話ですが。

だから、カイジたち給与が半減になった人たちが、自分達の手持ちの金を集めて作った45組とはヘッジファンドなのです。

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このカイジファンドがチンチロ金融にいかに挑んでいったのか?
それは456賽という絶対勝利の買い銘柄に対する売り浴びせ。

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これは、
ジョージ・ソロスがポンド危機で取った手法です。
かつての世界の基軸通貨であったポンドが壊滅的な被害を受けて、
イングランド銀行がほぼ死に体になったといわれるほどの致命傷を浴びせたのが、ジョージ・ソロスなんです。


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有名な機関投資家、ヘッジファンドといえば誰もが思い浮かべる人、
ハンガリー出身のユダヤ系アメリカ人、
「相場は必ず間違っている、ポンドは明らかに強すぎる」
それがジョージ・ソロスの口癖だったそうです。

カイジも言っていましたよね、「班長、あんた一投目に強すぎる!、、」


次回、カイジの地獄チンチロに関する経済的考察 7最終章につづく


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