建築エコノミスト 森山のブログ

マンガ建築考の森山高至が「たてものと生活と社会と文化」を考えています。
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テーマ:
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察1
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察2
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察3
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察4

兵頭や利根川しいては帝愛グループが一体何を、カイジたちにみたくて、
あそこまで金をかけてこの鉄骨渡りを企画したかは「考察4」で考察してみました。

一回目の鉄骨渡りと二回目の鉄骨渡りで、
なぜ、
ほぼ完全に鉄骨の状態を同じ条件にもっていきたかったのかも、、
ところが、二回目では渡りきるまでの制限時間を設けていた。
ここが違う。
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渡るとなればそんなに時間がかる心配はないと思うのですが、
あえて何時までと、あらかじめ制限した。
それはなぜなのか、、

みなさんは、最近割と人気の出てきたキッチンのコンロで、
IH
ヒーターというのを知っていますか?
あの天板がガラスで火がない、触っても熱くないのに、
鍋やフライパンを置いて調理すると熱くなる。
しかも、肉が焼けたり、野菜が煮えたりするくらい、ものすごく熱くなる。
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この原理はこうなんです。
IHヒーターというのは、正確には
Induction Heatingというものでして、この原理は調理台の下に大きな電磁石がありそいつが磁界を作り出す。

磁界というのは磁石の力のことですね。
高校で理系の人なら知っていると思うんですが、磁界に金属を置くと内部に電流が流れるんです。

電流というのは金属によって流れやすい金属と流れにくい金属があります。
流れやすいのは銀と銅です、だから電線は大体銅で出来ている。
流れにくい金属に鉄、アルミニウムがあります。

この電流が流れにくい金属に電流を流すとどうなるかというと、熱を出すんです。
それが、IHヒーターではフライパンや鍋が鉄じゃなきゃいけない調理原理なんです。

つまり、あの鉄骨渡りにおいて、恐怖感を生み出すための仕掛け、
電流によるショートの仕組みは、鉄骨本体がだんだん熱をもってくることになる。
ジュール熱といいますが、、

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その熱量はジュールの法則で計算してみると、空気中への放熱を考慮しても、
外気温が10度前後として、鉄は水よりも10倍くらい熱くなりやすいところから、
あの鉄骨が摂氏100度に上昇するまでが40分前後、ほっとくと摂氏300度を超えてくるかもしれません。

だから、早く渡り終えないと、鉄骨がどんどん熱くなる。
カイジのスニーカーの靴底はおそらくEVA樹脂、
80度以上になるとゴムが溶け出す、表面にくっつく、
そうなってしまうともはや同じ条件というわけにはいかない。

さらなる恐怖、足元が焼けだす。
そんな話は聞いていない。
利根川は結局参加者をだましたことになる。

だから、利根川は急がせた、何時までと制限をした。
そして、問題のシーン、
カイジが中山を助けるために言ったギブアップ宣言。

しかし、電源は落ちなかった。

でも、もしかしたら、この時点で利根川たちは律儀に電源を切っていたかもと考えられるのです。

カイジを読んだことがある方はお気づきだと思うのですが、
あのスタート地点の階は低層部で屋上からのスタートでした。その後ろになぜか組んである建築足場のステージ。
足場レンタルの大手ダイサンのビケ足場 とか、仮設資材足場金物の国元商会 のものだと思うんですが、

あれは何に使われていたんでしょうか?
1回目のゴールとしてはちょっと広すぎる囲いのスペース。
最初は観客席として黒服たちが眺めるのかなとか、
カイジたちの表情を追うカメラマン席かな、
と思いませんでしたか?

ところが一回も使われていない足場のステージ。
アニメの方ではなぜか裸の鉄骨に変更してありましたが、

気になったのは、あの足場はなんのためにあるのかなんです、、、

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おそらく電源トランス、鉄骨に流す電流を生み出す自家発電設備、
もしくはホテルの通常回路とは別に引き込まれている電源ではないのかな、
と考えるしかないわけです。


第1回目の電光掲示板や黒箱の駆動をまかなう通常電源としても使用し、
2回目の鉄骨渡りにおいては、
派手にスパークを放って放電させる必要があるため100万ボルトとかの大電圧。
しかし、利根川が死なない程度の電流と言っているため100mアンペア以下。
もしくは、静電気のような数億分の1秒といったような瞬間的な放電回路の設置。

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といったような難しい電気管理を必要とする設備工事。
ここでも、帝愛の力が誇示されている。
こんなことができる電気設備工事会社は、電気工事では超巨大企業、
関電工
東京電力に無断で、もしくは特例的に仮設的に高圧大電流を引き込み、ホテルの通常回路と無関係に受変電設備を構築管理できるのは、
関電工 しかありえません。

となると、やっぱり、あの足場の囲いの中にあるのは変電設備。
使用目的に合わせて降圧したり昇圧したりのトランス、コンデンサなどに加え、制御回路や保護機能。あの足場はそれらの点検のための構築物。
そして巨大なコンデンサは
電源を切っても、、、
放電するまで
は電流が流れていく可能性、、、
だから、中山は感電、中山は落下。

その証拠に、なぜか利根川も兵頭もこの残電流の件を素直に謝っている。
あれはミスだったと。
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そういった意味では、この鉄骨渡りの企画はあくまでフェア、
帝愛の趣旨は、参加者の自発的行動による問題解決、
機械とは異なる人間の極限状態での機転、
恐怖に打ち勝つ勇気、行動力、そんなものの確認。

それだけのために、あそこまでやってしまう帝愛グループ、

兵頭の言う一見きれい事に聞こえるカイジたち若者に対する期待、
そしてその期待を裏切られたときの悲しみ、
それでも有為の士を見つけ出さんとする執念、
そういったなかば偏執狂じみた、人を信じたいという熱望。

そういったものがかいま見られてくるんですね。

だから、E-カード編での、なぜかカイジに見せる優しさ、
あの兵頭ちょっとカイジに甘くネ、
と思えるくらいの展開になってくるんだと思います。


カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察1
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察2
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察3
カイジの鉄骨渡りに関する建築的考察4
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