やっと真夏日になってきました。
小学生のころは7月末までに宿題を終わらせるぞ~!と思いながら
一度も実行できなかった建築エコノミストの森山です。
みなさんはどうでしたか?やはり8月30日31日に泣きながら仕上げたんじゃないでしょうか

で、昨日の続きです。総額2000万円の住宅で工事費以外にいくらくらいかかっているのか?です。

ポイント1 税金関係 総額2000万円の住宅として計算


印紙税(契約書を取り交わすときの税金)
 土地を購入するときには、売買契約書を取り交わしますが、契約書に印紙を貼り消印をします。
  1000万円以上5000万円未満 =                                   1万5千円

登録免許税(不動産を登記するときの税金)
土地を取得すると、自分の権利を明らかにするために所有権の移転登記をします。
土地の所有権移転登記を法務局に申請するときには、登録免許税を収入印紙で納めます。
        登録免許税   土地 課税標準(固定資産税評価額)×税率              約15万円
  ※この税額についてはいくつかの軽減措置があります。
  ※固定資産税評価額は国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が決定します。評価額は、
   土地については時価の60~70%(公示価格の70%)、建物については建築費の50~70%ぐらいです。

不動産取得税(購入後にかかる税金)
土地を取得したときに、その土地の所在する都道府県が課する税金が不動産取得税です。
               不動産取得税=課税標準(固定資産税評価額)×4%           約9万円

固定資産税(土地を持っているとかかる税)
 土地を持っているとかかる税金で市町村税です。毎年かかります。
               固定資産税  固定資産税の課税標準額×1.4%               約3万円
               ※居住用の宅地の場合は、軽減措置があります。
  
まず、税金関係だけで28万5千円ですね

ポイント2 取引・ローン関係 総額2000万円の住宅として計算

司法書士報酬(登記手続きなど)
登記又は供託に関する手続きの代理、提出する書類の作成等の法律事務をお願いします。
                                                           約5万円
仲介手数料(土地・建物購入時)
取引金額×3%+6万円が目安
                                                           約60万円
ローン事務手数料・保証料(金融機関にかかる手数料)
銀行金融機関手数料です。保証料が必要ない場合もあります。
                                                           約5万円
団体信用生命保険・火災保険(ローン手続き時に必要)
団体信用生命保険・・ローン金利に含まれていることが多い
火災保険料…10年分一括                                         約15万円
地震保険…火災保険とセットで契約する(地震保険だけの契約はできない)            約8万円

取引・ローン関連でプラス93万円ですね


ポイント3 工事前に関して 総額2000万円の住宅として計算

敷地測量(正確な大きさが不明のとき)
土地形状や起伏などにもよりますが測量士さんにお願いします。形状だけでなく方位も確認
                                                          約20万円
地盤調査(基礎構造を決定するために)
構造を決定するだkでなく、住宅性能保証には必須です。調べる深さによって変わります。
                                                           約30万円
設計料(建築士さんへの建物の設計図の作成費用)
※木造3階建てやRC造、鉄骨造の場合は構造計算も必要です。
※設計料はデザインや細かい内容まで詰めて工事監理してもらう場合は工事費の10%が目安
                                                          約100万円
性能保証料(加入工事会社でなければなりません)
基礎、構造、完成時の検査が受けられます。                               約15万円

確認申請手数料(役所・審査機関への手数料です。)
民間審査機関によっては値段が違います。                                 約2万円

工事前の技術的準備項目として167万円

ポイント4 工事中と後に関して 総額2000万円の住宅として計算

地鎮祭・上棟式(ご近所の神社にお願いしましょう)
神主さんに来ていただいて祝詞を上げてもらいます。
                                                            約5万円

引越し代金(仮住まいの状況により変わります)
工事前と工事後の2回の引越しがある場合です。
                                                           約30万円
家具や家電の購入費(建築工事に含まれないものです)
買い忘れて困るのはカーテン、ブラインドです。                              約50万円

ケーブルTV・インターネット契約(引越し後に)
居住先により変化します。                                            約2万円

消費税 (全てにかかります)                                        約100万円

工事中と工事後にも187万円必要です。

結果、純粋工事金額以外に必要な費用は475万5千円でした。
とすると建物に回せる金額は1500万円くらいです。

工事費用(工事会社の利益経費は10~15%くらいでしょう。)
工事費の内訳は材料費が40%程度、人件費が40%程度、手続き経費が10%程度
                                                          約1500万円

結論:家づくりにかかる間接的な経費は全体費用の実質20%を超えます。


つまり、少しくらい壁紙やフローリングをけちってもしょうがない。
 きちんとした工事見積もりなら、大工、工務店さんの取り分は150万円から200万円でしかないのです。
 純粋工事費から値切ろうとしたって、サービスしてくれる余裕はせいぜい15~20万円程度です。
 現場ばっかりにしわ寄せがいってしまう家づくりプロジェクトの構造を理解していただきたいと思います。
もし、建売などの工事費が営業マンの一言で平気で1割以上も動くなら、上記間接費用がどこかに埋めて割り増し分がある可能性があります。

なので

建物=商品を買う という感覚をやめる!

新しい生活のための家族総出での「プロジェクトX」と考えましょう。
全体予算の枠内でかかわる人たちが気持ちよく動ける方法を考える。それが安全な家づくりにつながります。
これくらいと思う予算の2割増しで工事費用を逆算することです。