~店長の戯言~

こちらは、最上階に邪教徒と地縛霊が住まい、階下では脱毛サロンと育毛サロンがしのぎを削る、建物自体は古めかしくも抜群の耐震強度を誇る雑居ビルにて、ユーズドクロージングを売り捌く男、基い漢が綴る、愉快痛快奇々妙々なる駄文の羅列でございます。


テーマ:
『コールドゲーム』

コールドゲーム

荻原浩 著


お奨め度(10点満点)
★★★★★★★☆☆☆(7点)









~あらすじ~
高校3年の夏。甲子園への夢を断たれ、進むべき道も暗中模索の光也は中学の同級生で幼馴染みの亮太に喫茶店へ呼び出され、中学時代のクラスメートが次々と不可解な事件に巻き込まれていることを知らされる。犯行前に届くという脅迫状を見る限り、犯人は4年前にクラスのほぼ全員から”いじめ”の標的にされていたトロ吉こと廣吉剛史に違いないと亮太は断言する。光也といじめの首謀者だった亮太は、かつての仲間とともにトロ吉の捜査に乗り出すが・・・。



~感想~
重厚な演技と額の後退具合から、和製ショーン・コネリーの名を欲しいままにしている筈のケン・ワタナベがプロデュース(本人曰くイントロデュース)して映画化された、『明日の記憶』の著者として世間一般に知られている荻原浩ですが、各言う私はデビュー作の小説すばる新人賞受賞作『オロロ畑でつかまえて』を読んで以降、物陰からじっと見つめるストーカーの如きぬめった眼差しで氏の全作品を見守り続けてきた、生粋のオギヒロフリークスでございます。

そんな絶対に定着しねえだろう造語まで駆使するフリークスが紹介するのはまずこの一冊。単に文庫版を昨晩読了(3回目。これを3回も読める辺りがフリークス)したばかりなので選んでみたわけなのですが、今もってタイムリーなネタであり、そして誰もが身につまされるであろう『いじめ問題』をテーマに据えた青春ミステリ小説です。

いじめ問題と聞くと、ドヨヨーンとした重苦しい展開を連想しがちですが、そこは氏の小説。文章全体に鏤められたユーモアと、青春のそこはかとない甘酸っぱさが重いテーマに嫌味なくブレンドされ、この手の小説にありがちな説教臭さなど微塵も感じられない、あくまでもエンターテイメントに徹した作りとなっています。それでいてバラエティー豊富な登場人物のリアルに身勝手な心理を描写することで容易な共感を退け、いじめという行為への嫌悪感を喚起させる、そんな巧みな手法も取られているのです。といってもこれは著者に肩入れした私の主観ですから、実際にはどう考えてお創りになったかは知りません。
ただ、他のブロガーさんの感想で目にした『文学的にどうなのよ、この文章は?』という意見についてですが、一人称に限りなく近い目線で話が進み、且つ、一歩間違えればエンターテイメントとして成り立たなくなる題材だけに、敢えてこのような稚拙とも取れる文体にしたのだろうと私は解釈しています。最初は私も「ちとやりすぎじゃねーかオギヒロ?」と思いましたが、いい意味でのオブラード効果はあったのではないでしょうか。
皆様もお暇があれば是非一読してみて下さいませ。

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