2010-09-02 20:22:00

何が悪いのか、という問題。

テーマ:ホメオパシー問題
ホメオパシーによって壊れた家族の実態。」というエントリーを書き、息子のてんかん治療をホメオパシーに限った母、発作を頻発するようになった息子を助けるため親権を獲得し離婚するに至った父(X氏)、について取り上げました。
これは私が当ブログでホメオパシーの問題を扱うきっかけともなった事件でもあります。

私は上記のエントリーを整理しながら、母親にトラウマを植え付け現代の医療を遠ざけたホメオパスに憤りを覚えました。さらにたいした病気を扱ったことがないのに万能感を漂わせ治療に当たったホメオパスのみならず、由井寅子氏のように「癌も治る」などと言い切る様々なホメオパシー推進団体のありかたにも疑問があります。
自分では病気のことなど何もわかっていないのに、「ホメオパシーは効く」と宣伝に一役買っている「健康な」ホメオパシー信奉者も責任重大です。
つまり、ホメオパシーの在り方が悪いということです。
(「このホメオパスが異常で特殊だ」という声が届いているのですが、同様の性格を帯びたホメオパスが、癌で女性を死亡させた「あかつき問題」の竹沢暁子氏でもあるわけです。これを特殊と見るのも自由ですが、根本的に日本のホメオパシーに問題があると私は見ています)

これまで、
女性誌から考える代替医療・ホメオパシー。
「ホリスティック」なフェミニズム。ホメオパシー、温かい医療、シャーマン。
といったエントリーを通し、女性にありがちな「ホリスティックな願望」と、この需要に応えようとするメディア側の責任について考えてきました。
また、男性原理に基づく(と女性に思われている可能性がある)現代の医療と、これと対立するものが女性の「ホリスティックな願望」ではないかとも考察しました。
と、するとホメオパシーに関する情報を無批判に拡散するメディアにも問題がありそうですし、ホリスティック医療を求める女性層そのものにも責任がありそうです。

ただしX氏の家庭の例を振り返ってみると、これまでに当ブログで指摘してきたものだけが〈悪い〉のではないように思われます。

X氏の奥さんの学歴や職歴から、まったく科学的知識がないとか、科学的な思考ができないというわけではなさそうで、たとえ知識として何かが欠如していたとしても、これについて説明されたら理解する能力はあったはずです。
女性だから科学に疎い、と決めつけるのは性差別であり、彼女より劣っている男性はいくらでもいることでしょう。

では、X氏は悪くなかったのか?
インタビューでは関係者の身元がわからないように(X氏と協議のもと)発言を割愛しています。このことによって、X氏が仕事ばかりにかまけて家庭の運営の手を抜いていた印象があるかもしれません。つまり奥さん一人に責任を押しつけていたという見かたです。
この件についてX氏は反省する言葉を残していますが、実際にはこのようなことになるまでの期間、ちゃんと奥さんと息子さんに寄り添っていますし、貢献もしています。また途方に暮れながらも、ホメオパシーに没頭する奥さんを最後のある一線まで見捨てていません。それでも自分を責めてしまっているのです。
(具体的に書けないことばかりですが)もしこれでも不足だと批難されるのなら、世の中の男性はまったく立つ瀬がありません。

では、なぜ奥さんはホメオパスの言葉をすべて信じ、トラウマを背負うことになったのでしょう。
産んだ子供に対する責任の所在が、母親一点に集中する問題があるのではないでしょうか。
実際のところ、誰が、どうやって、母親に問題を集中させるのかというとよくわかりません。もしかすると、このように「感じられてしまう」ということなのかもしれません。目に見えない敵なのか、単に容易に姿を見せない敵なのか、すぐそばに敵がいるのか……。
ミセスがホメオパシーに向かう理由のひとつに、母親としてのつらさがあるのかもしれません。

どうして、「産んだ子供に対する責任の所在が、母親一点に集中する問題」を考えているのかというと、ホメオパシーではありませんが、ある種の宗教で家族が壊れるのを子供のとき目の当たりにしたことがあり、まさにこれが原因だったからです。
またこのようなものを見ているせいで、家族の一人が常軌を逸したとき、それに抗い、なんとか引き戻そうとする家族のつらさと、いつかは諦めざるを得なくなるときがくるのを知っています。
このような経験からも、X氏一人に非があるとは思えないのです。
またX氏の場合がホメオパシーにまつわる問題として例外であったとしても、このような状態に成り得る性質が日本のホメオパシーの現状にあり、許せるものではないと思います。

コメント

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1 ■関係無くてすみません

直接関係ありませんが、ホメオパシー批判で私には気になるところがあります。

母親なんだから、自分が不快な思いをしようが、子供の安全を考えるのが当然、と見える部分です。

母親の気持ちや事情を飛び越して外部の人間が子供の命第一と言うとすれば、いろいろ議論のある妊娠中絶問題だって、全面禁止という話にもなるのでしょうか。つまり、子供の命第一には当然ではない部分があるし、反発する人もいるだろうと思うのです。

妊娠中絶は話を広げ過ぎですが、つまり、ああいう批判は、母親のつらさを増すのではないかと思います。

立派な母性をそなえた母親だけではないのですし、母親のつらさを癒すようなものは欲しいのはおかしくないけど、それがホメオパシーみたいなインチキにはまることになるのが悲しいです。

2 ■Re:関係無くてすみません

>honnyaさん

正直なところ私は男なので、母親の気持ち(もしくは女性の気持ち)というものがわかりません。わかったつもりになるのは危険だと考えながら、しかしどうしても避けて通れそうにない問題として扱っています。

このエントリーは結論が出ない、考察にさえなっていないものかもしれません。
しばらく、女性、母親、母性、と医療の問題を考えさせてください。

>それがホメオパシーみたいなインチキにはまることになるのが悲しいです。

どうしてなのかな、とずっと疑問に思っている点です。
この問題について、女性側から体験談や考察が語られることを私は望んでいます。

3 ■お邪魔をしたようですみません

moom-3さん
返信ありがとうございます。コメントが意図のわかりにくいもので済みません。
最初に書いたものが長文で受け付けられなかったのと、自分語りに流れていたのでバッサリ短縮したりもありました。

私は主婦ですが子供がいませんが、ホメオパシーの問題で、別の代替医療に最近近寄っている自分を考えなおしたりしています。考えはあまりまとまっていません。こちらでいろいろ背景を分析しておられるのはとても参考になっています。

4 ■ひとことだけ。

>>根本的に日本のホメオパシーに問題があると私は見ています

ホメオパシーそのものに問題があるのではないでしょうか?

5 ■Re:ひとことだけ。

>UMEさん
「日本におけるホメオパシーに固有、もしくは特徴的ではないかと思われる」問題、

と書くべきでしたね。

世界のどこに行ってもホメオパシーはホメオパシーです。しかし、日本で普及する過程で特有な性質を帯びたように感じます。
一言で、日本のホメオパシーの現況を書き取ることはできませんが。

6 ■母親に責任集中

理解できます。
私の子供は、ウィルス性の病気の後遺症で障害を負い、特別支援学校へ通っていますが、先天性の障害児のお母さんから、「原因がはっきりしているから、あなた(私の事)の遺伝子や妊娠中の事責められないのはよかったわね」と言われました。
暗にそのお母さんは責められたと言っている訳ですよね。
その他のお母さんも頷いておられる方もいらしたし、別のお母さんから同じようなことを言われた事もあります。
障害児という事で、鮮明に浮き彫りになっているのだと思いますが、健常児でも何かあればお母さんに責任が集中するように出来ているでしょう。
それに、子供がリハビリや療育を受ける時に、母親が付き添うのが前提でスケジュールやカリキュラムを組まれました。
仕事をしていたのですが、辞めて当然という前提です。
社会的にも、周囲からの個人的な面でも、母親が子供の責任を負うようにシステムとしてなっていると思います。
それが悪い事ではない時代もあったと思いますが、それだけではない価値観の中で育った女性は、いざその現実に直面した時に、まして病気などという特殊な、更に鮮明になってしまう状況では、何かに傾倒しなければどうにもならなかったのかもしれないですね。
ホメオパシーでなくてもよかったのだと思います。
出会っていたものが、子供さんにも奥さんにも旦那さん(X氏)にもプラスになるものであればよかったのでしょうが、そうはならなかった。
だからこそ、出会ってはならないものは極力危険である事を声高に知らしめねばならないと思うのです。

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