翡翠のブログ

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昨年、2016年11月8日のアメリカ大統領選挙、他国のことながら大国でかつ日本への影響の大きなアメリカの大統領が誰になるかはとても気になって、選挙日はネットで速報を見ながら仕事をしていました。

結果は世論調査を覆し、ヒラリーを破ってドナルド・トランプが勝利し、驚愕しました。トランプが共和党の指名となった時点でも驚いてはいたのですが、それでもさすがに大統領にはならないだろうと思い込んでいたので。得票数ではヒラリーがトランプを上回っていたが、選挙人獲得数でトランプがヒラリーを上回ったからということだったようですが、それでも、選挙期間中に色々物議をかもすような爆弾発言をしていたトランプ候補だったので、まさか、との思いでした。

これまでにも既に貧困問題や人種差別問題、女性問題や子どもの権利のために既に活動をしていたヒラリーが初の女性大統領になることを期待してもいたので残念で。

 

図書館で、このトランプ支持の背景などを知ることができそうな本を見つけ、読んでみたところ、非常に面白く読みました。

 

金成隆一 「ルポ トランプ王国-もう一つのアメリカを行く-」岩波新書

 

読んでなるほど、と思いました。PR、プレゼンのうまさ、人の心をつかむ振る舞いや話。苦しみや不満、不安を抱えた心を引き付けられるたくみなアピールがあり、同時に、それを支持する背景があり。

 

トランプの批判対象は「自由貿易」「不法移民」。これによって、自由貿易による恩恵が十分でなく、より安い労働力に取って変わられ仕事を失ったり、収入が十分でなくなった人たちの不満に応える形になったわけです。この辺りを本では14州150人もの人たちから、丁寧にインタビューし声を集めています。その人たちの苦しい生活への不満、不安はとっても共感できるものでした。

全面的にトランプを支持し手弁当で活動を応援する人、差別発言等は受け入れがたいと思いつつ今までの違うことをしてくれるのではと期待する人、オバマを支持しつつも「変化」を求める人、現状の政治に期待できず一度くらいトランプに任せてみようかと思った人など、立場も想いも様々ですが、その人の発言にも納得、共感できるものがあり、「あんな差別発言、子どものような好き嫌い発言をする人を支持するなんて!」という支持者を否定する考えは狭い、それこそ感情的な見方だったなと反省しました。

 

選挙戦中に不思議だったのが、「名門」「上流」「エリート」「既得権層(エスタブリッシュメント)」といった現政治家、ヒラリーらを攻撃しながら、トランプ自身は大金持ちの実業家なのにそれは良いのか?という点だったのですが、それはマイナスポイントにはならないものなのですね。むしろ、個人資産を潤沢であることから、企業の後押しを必要としない、後援者の望みに左右をされないにだろうとの見方になるのも意外でした。

 

ただ、そうは言ってもトランプの発言には、おかしな所、問題あるところ、エビデンスのないことも多い。

たとえば、「不法移民は税金を払わず、福祉に頼っている」との意見がトランプのスピーチでたびたび繰り返され、それによって支持された部分も大ですが。実際のところ、移民であっても全てが不法移民とは限らないし、また不法移民も多くが所得税や社会保障税を払っているとのデータを著者は紹介しています。2016年のシンクタンクの報告によると「半数の不法移民が所得税を払っている。買い物の消費税や、住居の固定資産税も払っている」「不法移民により払われた地方税と州税の年間合計は116億ドル」にも上るそう(p.218)。

またオバマケアの国民皆保険制や移民の保険金についての不満についても、不法移民は「給付金を受け取ることも期待できないのに保険料をはらっており、支払額は年間150億ドル」「彼ら推定310万人の支払いがなければ予算不足になる」との社会保障庁の見解も紹介されていました(p.14)。

 

さらに国民全体の意見としては、「雇用や住居を奪うという理由で移民を「重荷」と見る人の割合は激減し、逆に勤勉さや才能で社会を「強化」していると捉える人は増加している」。そして国境の壁についても、「共和党有権者の多くが支持していたが、有権者全体で見ると反対派が賛成派を大きく上回る」のだそう(p.135)。

つまり、特定の層、特定の地域はトランプを強く支持しているけれど、そればかりではなくて、現状の打破、「変化」を求めるために、トランプを今回は指示した人たちもいるわけです。

 

問題は当選後。これからトランプはアメリカの大統領としてどんな政治を展開していくのだろう。選挙スピーチでは具体的な方法、方策は示さず、現状のダメな点を指摘し、自分はうまくできる、と言うことで支持を得られても、実際の政治ではどう解決していくのか。

「ブルーカラーを守る」「ブルーカラーの生活を取り戻す」と公約したトランプは、実際には過去に仕事を共にした業者と多くトラブルになり訴訟を抱えてもいたのだそうですが、実際にどう公約を果たすのか。

また、差別や個人攻撃、根拠や証拠のない個人的見解などをそのまま発言し通すのか、一候補者でなく大統領になったことで、その辺りは変わるのか、それともそれが地であり、そのままふるまうのか。選挙で終わりでなく、これからのトランプの、そしてアメリカの動向が気になります。

 

もう一つ気になってメモった個所。「インターネットの影響力…(略)…最近は自分の好きな情報だけを選んで見られるようになった」「そのため自分と同じ考えを持っている人としか話さなくなって、そうすると不満を持つ人同士がどんどんつながる」(p.193)という言葉、非常に納得しました。

 

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