ハワイ旅行のステレオタイプ
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ガラガラが止まった瞬間、「コトン」という音ともに玉が落ちる。
親父は息を飲んだ。
どれだけ期待はしていなくても、この瞬間だけは緊張が走る。
―――何色か?
金色だ―――
はっぴを着た商人が、けたたましくハンドベルを振り回す。
その勢いに親父は喜ぶどころか、むしろ戸惑ってしまった。
商店街は騒然としている。
親父には、周りからの視線が好奇とも、妬みともとられた。
視線が痛い。
大きすぎる幸運は、見方を変えれば不幸なものかもしれない―――
と彼はふと思った。
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母親からの突然の電話。
親父がハワイ旅行を当てたらしい。
それを聞いて、僕は前述の光景を思い浮かべた。
ハワイ旅行といえば、商店街のくじ引きの1等賞だ。
なぜだかわからないが、そうなのだ。
物心ついてサザエさんを見始めた頃からそうなのだ。
というよりは、サザエさん以外で商店街の福引において
ハワイ旅行をあてた人を見たことが無いような気がする。
思い出した。
これは俗に言うサザエさんの最終回の話だ。
サザエさん一家が乗ったハワイ行きの飛行機は太平洋上で墜落する。
そして、一家はそれぞれの海の生き物に変わるのだ。
サザエはサザエに
マスオは鱒に
カツオは鰹に
フネは船に・・・。
幽霊船だ。
書いてて不吉な予感がしてきたので、明日親父に電話しよう。
大きすぎる幸運は不幸を招くものだよ、と。
そして代わりに行こう。






