都内でも蝉の声が聞かれるようになってきました。梅雨明けも、もうそこまで来ているのでしょう。

 蝉の声で思い出すのは、小さい頃に窓の外で夜の間ずっと泣いていたアブラゼミの安眠妨害のような鳴き声と、やはり小さい頃に聞いていた、ちょっと不完全な出来の悪いツクツクホウシの鳴き声です。

 鳥の鳴き声は春、犬の遠吠えは冬、夏は蝉、秋はバッタ。鳴き声には季節感があります。その中でも蝉しぐれは、まさに夏を彷彿とさせます。

 「蝉しぐれ」と云うと市川染五郎の素敵な映画がありますが、同じ名前の句集もあります。これもとても素敵な本です。

 「滝音の身にこもるまで滝去らず」-私はほとんど俳句は読まないのですが、なぜかこの句だけは覚えています。いかにも日本の夏!と云った感じの場所に、行ってみたいものですネ。