February 10, 2007 17:58:25

東京フラヌール

テーマ:La Vie de Cinema

                            前回の続きより・・・


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~        


               それは線香花火が火花の放物線を描きながらスパークするように


                      ページを捲ったと言ったらよいだろうか。


            作品の世界観に浸れる瞬間とは僕にとって例えるならこの様な心境なのだ


                     


             彼のスケッチする東京は、我々日本人が日常に見る東京の断片であり


                     台詞や色彩がとても生気を帯びている。


          きっとボワレ氏は現実世界を凝視した傍観者的視点で物事を観察しているのだろう。


          また、異邦人のフィルターを通して描かれた東京がとても磨りガラス越しに見えるので


                我々日本人の日常の風俗、習慣、特性を再認識した。



          


           彼の描く世界観が現実だと思えたら、現実も結構悪くないものだと思ったりもした。


                 僕の知っている限りの従来BD作家と比較してみると


           どうしてもビジュアル重視のデッサンとSF的なスペクタクルを抱かせるのだが


            ボワレ氏の視点は普偏性であり、日常を非スペクタクルとして描いている。


                 それは外的世界と内的世界の温度差なのだろうか?


 僕の好みからすると後者だろう。だから、漫画を読むということを意識せずに淡々とページを捲れるのだろう。


                   そう言えば、この経験は以前にも経験した事がある。


        僕の愛読する日本の漫画家だと、つげ義春氏と同類の感性の持ち主なのだろう。


                      リアリズムとリリシズムを抱かせる作品。


           


   それに言い付け加えると、なんと例えたらよいか旨く伝えられないが異邦人の視線が東京と言う都市に


                    浮遊感を抱かせるとでも言うべきだろうか。


           映画に例えるならS・コッポラの『ロスト・イン・トランスレーション』のように…


                    


         それにもう一つ付け加えると、フランス映画の系譜を感じさせるからではないだろうか。


         それは、また別の言葉で表現すると『自然作家主義』と言ってもいいのだろうか。


      僕が連想するフランス映画だとヌーベル・バーグの頃だったら E・ロメール監督の作品群だろう。


        『六つの教訓的物語』6本、『喜劇とことわざ』、6本『四季の物語』4本などが代表作だ。


         個人的には『緑の閃光』、『夏物語』、『モンソーのパン屋の娘』がお気に入りだが


             F・ボアレ氏の作品は『モード家の一夜』が伝わりやすいだろうか。



     
                     
 


   恋人同士または男と女の些細な会話などは正にF・ボアレ氏のヌーベル漫画から正に感じ取れる一面だ。


         ちなみにヌーベル・バーグ以降だとS・クラピッシュ監督の『猫が行方不明』だろうか。


           多少、喜劇的要素が強すぎるが作品のモチーフとしては日常の些細な出来事。


    そう言えばF・ボアレ氏の『恋愛漫画が出来るまで』に付属している『DEMI-TOUR(半分旅行)』などは


                     映画のシナリオとして完成度が高い。


           その内容はと言うと、ある男と女の『偶然の一致』をテーマに物語は語られる。


          これがまた面白い構成で、一つの漫画に二つの時間軸を交差した実験的な作品。


                       その様にして氏の作品を読むと


         特に僕のような映画狂にとっては一つのフランス映画を見終わった気分に浸らせる。


              それはとても僕の中で心地の良いワルツを聴くようなものである。


         だから、こんなにも自分にフィットする漫画。正しくはヌーベル漫画なのだろう。


              まだ、この2冊しか知らないが他の作品も読んでみたい。


            それは、また僕に新たな趣味が一つ増えたことを意味していた。


   気が付けば時刻はAM7:55を差している。いい加減こんな不規則な生活を本当は直したいのだが…


        カーテンの隙間からは、青味を帯びた光が慎ましく埃っぽい部屋に差し込んでいる。


                   埃は煌めきを帯びながら静かに舞っていた。


          そう言えば気が付かなかったが、振り子時計が数回時を告げていたようだ。


                    『眼も霞んできたので床に就こうか』


           そんな思いに駆られながら草臥れたソファーに草臥れた体を沈めた。


              しばらくする内に夢の中で僕はしみったれたの酒場にいた。


           カウンター越しに隣では白髪に髭を蓄えた老人が麦酒を煽っていた。


     何処かで見覚えのある顔だった。あれは誰かの小説の著者の肖像写真だったような?!


          すると、老人は麦酒の杯を煽りながら僕に細々とした英語でこう呟いた。


          『"Truth is more of a stranger than fiction."(真実は小説より奇なり)』と…


                                                       Monde

  

 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~   


                              告知


      この度フレデリック・ボワレさんをゲストとしてお呼びするトークショー&映画上映会を開催!!

                            2/24(土)
                  le film clandestin上映会「東京 フラヌール」
                          16:00~上映会
               上映作品:「モード家の一夜」(エリック・ロメール監督)
                         ※DVD・日本語字幕付き
                          18:00~トークショー
                ゲスト:フレデリック・ボワレ  http://www.boilet.net/
                           料金:¥2,000
                ※上映会+トークショー+1drink込のお値段です
                  会場:cafe flaneur  http://www.flaneur.co.jp/
                 東京都渋谷区神宮前3-41-3/03-3796-8200

                   メールマガジン:film@someonesgarden.com
                          

       同日発行するフリーマガジン「someone's gaden」にもボワレさんのインタビュー掲載します。


       とっても気さくな良い方でした。ぜひご興味のある方はご連絡ください!!


                                                      le film clandestin                                                                                             

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February 05, 2007 21:33:03

午前5時のフレデリック・ボワレ考

テーマ:La Vie de Cinema

                            AM 5:05

                   室内を振り子時計が刻々と時を告げるなか

  僕は白灯ランプの篝火が照らす埃まみれの薄暗い自室で 一冊のヌーベル漫画を片手に読み耽っていた。

                  何故そんな時間に?


まあ兎に角、事の発端はこの様な訳なのだ。

            普段、漫画を余り読まない僕に或る友人が薦めてくれた一冊である。

           断っておくが、別に漫画を軽蔑している訳ではない事を付け加えておきたい。

              何故かと言うと、僕の物事の優先順位は映画から始まるからだ。

          要は好みの問題である。漫画まで手をつけるには余りにも時間が足りない。

      話を戻すが、今回Le film clandestinと言う映像集団主催のビデオ上映会のゲスト候補に

 フランス人のBD作家(バンド・デシネ)フレデリック・ボアレ 氏と言う東京在住のヌーベル漫画家が挙がった為


                 友人が所有している作品を読むという訳なのだ。


              余談だが友人はフレデリック・ボアレ氏のコレクターでもある。


                   

                   そんな訳で今回の記事を書く資料の為に

    真夜中の二時に友人の家まで自転車で全力疾走で飛ばしてまで手にした二冊のヌーベル漫画。



                   
      


              一冊は『恋愛漫画が出来るまで』フレデリック・ボアレ短編集。


          もう一冊はjapan×france manga collectionに掲載の『アモール商店街』


  まず、手始めに『恋愛漫画が出来るまで』を手に取り、座り心地の悪いソファーに 腰を下ろしながら

                    当たり前のように右開きで読んでみた。

ページを捲り、三ページ目に『une belle manga d’amour』とタイトルが記入してある 或る一面で手が止まった。

        そこには『Alain delon cigarettes』の看板越しに一人のアジア人女性が描かれていた。


                    

               顔付きから見て 東南アジア系の顔立ちをした少女だろうか?

気になりながらそのままページを捲ると東京の町並みや、普段我々がよく見る写実的な光景が描かれている。

                『今日こそ恋しなければ今日こそ…でも誰に?』

        この一文を気に僕はフレデリック・ボアレ氏の世界観に自然と足を踏み入れていた。

           その時の心境を何かに例えるなら、線香花火に火を付けた瞬間だろうか?

    そんな事を思いながら 好奇心に駆られページを捲ると、或るページでまた手が止まった。

                 冒頭の東南アジア系の少女の正体が判ったのだ。

            『カンボジアのプノンペンでタバコを売るクメール人の少女』だった。

       主人公(ボアレ氏自身?!)がカンボジアを題材にした旅行記の漫画の資料であった。

               非常に凝った冒頭の演出に思わず顔が微笑んでしまった。


          きっと、このヌーベル漫画を書店などで立ち読みしていたら第三者にとって


                   不審な人物だと思われるに違いない。


                           間違いない!!

     だが、そんな思いも他人事の様に感じながら、気がついたら夢中になって読み耽っていた。

                       そんな感じで次回へつづく…


                              追伸    


            皆さんホント今更ながらですが、あけましておめでとうございます。


             今年より旧Blog『L'Ecume des jours』は名称変更します。


            何故かというと、『Le film clandestin』という活動に携わる為。


       2月24日にcafe flaneurにて東京フラヌール という自主映画会を企画しています。


         今後も様々な活動情報と共に、些細な手記も綴って行きたい次第です。


                  まあ、そう言う訳でこれからも宜しくお願いします。                           

                                                    Monde

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