怪我と復活 目標と努力 | 高橋大輔選手と共に momokikuのブログ

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フィギュアスケートの高橋大輔さんを無条件に応援しております。

11月に入ってから大ちゃんの新情報はちょっと落ち着いた模様。とはいえまだまだこのあとトークイベントや初司会のお仕事を控えてますから、すぐにまたにぎやかになるんでしょうが、これは嵐の前の静けさってところでしょう。

 

もちろん大ちゃんはこの連休も忙しくしていらっしゃると思われます。12月はかなりハードスケジュールになるんで今のうちに年末年始のテレビや雑誌関連の収録をまとめて収録されていらっしゃるかもしれません。

 

インスタもあげていらっしゃらないところをみると相当多忙なんでしょうねえ。

 

私の目下のお楽しみはもちろん11月10日から始まるシリーズ

 

11月10日(金)23:00~23:50 NHK BS1
[新]「ぼくらはマンガで強くなった『復活』」

 

司会:髙橋大輔氏 です!!

初回のテーマは「復活」 ゲストは京谷和幸さんです。

 

フィギュアスケート以外のスポーツはからきしダメな私ですので、「椅子バス」の選手がゲストと知り、てっきり先日のトークイベントに大ちゃんと一緒に出演された神保康広さんを思い浮かべていたのですが、また別の方なんですね。ここからはちょっとネタバレになってしまうのかもしれませんから、番組を見るまで情報を入れたくない方は読まないでくださいね。

 

 

 

 

 

 

京谷さんのオフィシャルサイトのプロフィールに、1993年、ジェフ市原のプロ契約から一転、その半年後、結婚式の衣装合わせの日に事故に合い、脊髄損傷し車いす生活になったと書かれていました。

 

その時の彼の無念は如何ばかりか。絶望のどん底だったというのは容易に想像つきます。ずっとサッカーをやってきて念願のJリーガーになったばかりの年にすべてを失ったのですから。

 

http://www.kyoyastyle.com/

 

今年の一月には京谷さんをモデルにしたドラマも放映したんですね。

 

君に捧げるエンブレム

http://www.fujitv.co.jp/kimien/index.html

 

先日のTOLフォーラムのゲスト、杉本美香さん、神保康広さんも大変なケガをされていて、彼らの苦しみに比べたら大ちゃんは「自分はまだまだ」と謙遜されていましたが、それぞれに置かれた状況や立場が違うんですから一概に比較なんてできませんよね。

 

 どんな困難があっても目標に向かって努力される姿は素晴らしいのですが、それを成し遂げられるか否かをいわゆる精神論でくくってしまえるものではないと思うのです。

 

GPSに出場している選手たちだって大変なケガを乗り越えた、あるいはこれから乗り越えようとしている人が何人もいます。

 

田中刑事くんはロステレコムの欠場を余儀なくされました。しかし無理をしなかったのが功を奏したようでSPはPBを更新される素晴らしい出来栄えで、ホッとしましたが、一方で先日のスケートカナダでのアンナ・ポゴリラヤの演技には胸を突かれる思いがしました。原因不明の腰痛だそうですね。

 

誰だって怪我をした際はいきなり暗闇の中に放りこまれたようなもので、一体これからどうなるのか?

また回復して元の演技ができるのか?いや元以上の演技ができなければ理想には到底届かない。

 

そこに不安や絶望を感じない選手なんて一人もいないと思うのです。

怪我の程度や環境からくじける人だっていて当然です。

 

正直に言えば大ちゃん自身の怪我からの復活について今一度触れられるのは、決して心地よいものではありません。一ファンに過ぎない私ではありますが、その度に古傷をえぐられるような痛みを感じてしまうんです。

 

もちろんその後バンクーバーで銅メダルを獲得し、髙橋大輔の復活のストーリーは稀に見る成功例として語り継がれ、同じけがに苦しむ多くの人に勇気と希望を与えてきたことは間違いなく、とても立派なことだと思っておりますけどね。

 

 

 

 

終わり良ければ総て良しのはずなのになぜ?

 

と考えたときに一番思い当たるのがリハビリから逃げたことを「自分の弱さ」と定義づけてしまってる点なのですよね。

 

そりゃあ違うよ!なんて赤の他人の私が言えた義理ではございません。

 

ですが大ちゃんがどれほどのリハビリに耐えていたのかを考えたら、とてもじゃないけど弱いなんて言えないと思うのです。

 

大ちゃんの怪我と中国杯欠場が公式に発表されたのは忘れもしない2008年11月4日のことでした。

 

 

その前日、新プログラムの練習風景が放映されました。これまでにもないような、まだ誰もチャレンジしたことがないコミカルでありながら哀愁を漂わせるストーリー性を持ったプログラム「道」

その全容がもうすぐ明らかになると非常に期待に胸を膨らませ、一刻も早く見たくて堪らず、中国に渡航する予定だった友人にくれぐれもレポをよろしくとメールしたのがつい昨日のように思い出されます。

 

本来ならば4日は現地入りする予定の日でした。そこまでぎりぎりになってなぜ?という想いよりもなによりもケガという事実が私を打ちのめしました。

さらにその数日後、髙橋大輔が松葉杖で歩いてたという噂を目にしたときは嘘であってほしいとどれ程願ったことか。

 

今このブログを読んでくださってる方の中には同じく痛みをもってあの日を思い出す方もいらっしゃるかもしれません。すみません、申し訳なく思います。

 

大ちゃんは10月31日の練習で3A転倒を堪えた際に靱帯断裂し、その後そのまま練習を続けた後、帰ってからも腫れが引かないことに気が付き、翌日渡部トレーナーに連絡、病院で検査したのち、さらに精密検査を受けることになり、11月4日に欠場を発表したのでした。

 

2010年2月のバンクーバー五輪から1年半前の出来事です。

 

タイムリミットは決まってます。となればそこに間に合わせるために過酷であっても相当なリハビリが必要となりました。

 

手術前にできる限り筋肉をつけるため、すぐに筋トレが開始されました。ほぼ一日中自転車こぎです。

そして術後はスクワットなどの大変単調な運動を痛みに耐えながら延々と続けなくてはいけませんでした。

 

これらのリハビリ内容をオープンにしたら同じようなケガをした選手たちは勇気づけられるどころか気力が萎えてしまうんじゃないか?と思うくらいです。

整形外科にお勤めだったたーちゃんさんは生前、私だったら手術は回避したとおっしゃってたくらい、それはとてつもなく辛いものなのだそうです。

 

でも大ちゃんの周囲はJリーガーなどみな一流を目指して頑張ってるアスリートばかりだったそうでとても弱音を吐けるような状況じゃなかったみたいですね。

 

アスリートって体の隅々まで感覚を研ぎ澄まして、自在に動けるように筋肉の一つ一つまで確認しながら綿密な計画のもとに鍛錬を積み重ねて、わずかな競技時間の中で自己最高のパフォーマンスを引き出せるように努力しているのです。トップともなれば石を積み上げるどころか、砂粒を使って曼荼羅を描くような繊細な調整が必要なんでしょう。

 

それが完成間近ですべて白紙になるどころか、マイナスの状況からのスタート。

 

戻る!治ると信じたくても明日の保証が全くない状況の中、過去の自分になんとか追いついて、そこからライバルに追いつく努力をしていく。

ジャンプは助走スピード、踏切のタイミング、軸、ジャンプの高さ、回転速度、着氷、すべてが合わないと成功しないし、それはそれは緻密なものです。それをまたゼロから戻していくのはどれほど大変だったことか。

 

いくら大ちゃんが謙遜しようともそれは常人誰もが成し遂げられることじゃないんですよ。

 

2009年9月に掲載されたこのコラムが当時の状況を一番正確に伝えてると思いますので、番組をご覧になる前にご一読されることをお勧めします。

 

 

高橋大輔(上)重傷乗り越え心も体も成長

http://vancouver2010.nikkansports.com/column/leading-player/entry/20090902_86335.html

 

高橋大輔(下)肉体改造でしなやかさ増す

http://vancouver2010.nikkansports.com/column/leading-player/entry/20090903_86336.html

 

 

でもね、大ちゃんが自分の弱さをここまでさらけ出すのにもなんか意味があるんだろうなと考えております。

 

多くのアスリートはとてもまじめでコツコツやるタイプのイメージがあります。練習嫌いなんていうとまるで犯罪者?のように叩かれるくらい、周囲も世間も競技に対して非常に純真かつ勤勉であることを求めてるのですね。でもそんなプレッシャーがどれほど選手を苦しめていることか。

もちろん自覚なく努力できる子も大勢いるのですが、一旦こういうアクシデントに遭遇し上手くいかない状況に陥ってしまうとそこから立ち上がるのは相当に苦しいと思われます。心を病んでしまうケースもありますし、かつて大ちゃんの周りにもそんな選手がいました。

 

だからこそ大ちゃんは自分の失敗や弱さを語ることで怪我をしてしまった人たちに「大丈夫、なんとかなるよ」というメッセージを送ってるんだろうなと推察してるんですが、どうでしょう?

 

本当は“髙橋大輔だからできた” のかもしれないのに

 

“髙橋大輔にすらできたのだから”という認識に変えようとしてる気がします。

 

マイナスのさらにマイナス状態、身も心も悲鳴をあげてしまってからでもちゃんと戻れるんだよと。

 

そこが大ちゃんの優しさですね。

 

大ちゃんがケガをしてからは、2005年に靱帯断裂してから翌年のトリノ五輪に出場したスキーエアリアルの水野剣さんのブログをずっと読んでました。水野さんがご自身の手術からリハビリの様子をしっかりと記録してくださってたからです。わずか3年の違いですら医療がだいぶ進化してることもそれでわかりました。水野さんのブログは私の希望でした。

もっとも彼の場合、右膝・半月板損傷、前十字靭帯断裂、腓骨骨折。左足・半月板損傷。内側靭帯断裂、半月板損傷、大腿骨粉砕骨折。背骨・横突起骨折。右肩・肩鎖関節損傷。右胸・鎖骨脱臼。頭・脳震盪。

 

つまり書いてるだけでも痛くなるくらいのひどい怪我の数々に見舞われてきたのですが、そのたびにスーパードクターに救われたんだそうです。

 

水野さんはバンクーバー五輪を目指す中で再び大怪我をし、2009年に引退なされました。

 

しかしその歩みを見届けさせていただいたことで、私の覚悟も大分できましたし、大ちゃんに関しては一度も復帰を疑うことなく、信じ切って復活の日を迎えることが出来ました。

 

水野さんのほうがひどい怪我だったからというわけではないのです、彼は非常に細かく丁寧にトレーニングの内容を記載してくださったので、その意味がよく理解できたからなんです。まあ私が知ってても役に立つわけではないのですが。アミノバイタルの事も書かれていました。自ら料理もされとても栄養学にも詳しくて、非常に勉強になるブログでした。

 

今思うとやはり経験者の語る言葉に勝る慰めはありませんでしたね。

 

検索すると今も怪我をされた多くの方が「靱帯断裂した髙橋大輔選手が五輪のメダルに輝いた」ことを励みにされている言葉に出会えます。

 

成したことの大きさを大ちゃんには自信をもって語っていただきたいですね。

きっとそれも今怪我で苦しむ後輩のスケーターみんなの希望になると思うんですよ。

 

 

余談ですが水野さんはフェリス君というワンコを飼ってまして、結構な犬メロでしたのでそんな点もちょっと大ちゃんとシンクロしてました。もっとも当時は大ちゃんがこんなに犬好きだなんて知る由もありませんでしたけどねー(^_^)v

 

 

 

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