2010年03月15日 00時43分04秒

梅香亭異聞七・千羽屋始末

テーマ:江戸話

ごめんなせぇよ~お凛ちゃんいるかい。

凛が湯屋へ出かけようと、
糠袋と手拭いを桶に入れてる時だった。

あらっ、太吉さんかい。
お入りなぁ~

太吉が勢い良く油戸を開けて入ってくる。
おや湯屋かい、手間はとらせねぇよ。

急いじゃいないないよ、おぶう、あがっておいきな。

凛は火鉢の灰を掻いて火を強め、
鉄瓶の湯で茶を入れて、
後ろの飾棚の戸を開けて、菓子をだす。

凛の裏店は、中長屋とも言われる大きい長屋で、
道幅も広く、小商いの店や居職と呼ばれる、
自宅で物つくりする職人も多い。

貧乏長屋とは違って、狭いが二階付の長屋だった。
太吉の小間物屋は、隣町の中長屋なのだ。

こりゃぁ、旨い大福餅だね~
ぱくりと餅を放り込んで、茶を啜る。

いやね、嫌な話じゃねえよ、
おいらは何だか胸の痞えが、
すうっとしたのよ。

あのな、例の千羽屋の事件に、
お沙汰が降りたのよ。

あらまぁ、どうなりましたの、
私も何だか気がかりでねぇ~

顎の旦那がみえたら、伺ってみようと、
思っていたんですよ。

むごいお沙汰じゃ、なければってね。

おいらもよ、何か不憫なようで、
弥助親分と何度も、大川端までいったのよ。

喜代が落ち込んだ辺りを、何度も探りにな、
するってぇと、土手の縁が崩れた跡があって、

草履の滑った跡をみっけて、
雨上がりの土手縁だったし、
立ってみると落っこちそうになったのよ。

あの晩は、夕方通り雨もあったし、
何をしなくたって、縁に立てば滑り落ちるさね。

弥助親分も、これで上手く、
引き合いが、抜けるかも知れねぇって、

木戸番の親父と、図面こしらえて、
あれは全くの成り行きで、

六もおよねもどうにも、
し様がないような、話じゃなかったかってな。

がぶりと茶を飲むと、
凛ちゃんとこの茶は駿河屋かい、
出がらしじゃないのが、さすがだねぇと誉めた。

それでよ、
弥助親分が、臨時廻りの佐伯様に、
ご進言申し上げて、

佐伯様も、忙しい小伝馬やお奉行所の、
無駄な手を煩わすよりは、って、

お吟味様に書状で、ご進言なすって下さってな、
さすが佐伯の旦那は、
町人の情を心得た、お方だわねぇ、

それで、お沙汰は・・・

凛も身を乗り出して尋ねる。

太吉はもう一口茶を呑んで、
へへっ、
二人揃って、江戸所払いよ~

まぁ、良かったぁ~
二人で出るなら、何とでもなりましょうよ。

そうなんでぇ、
六蔵の実家は川崎先の相模らしいが、

腰打ち二十も受けて、二人で行けば、
とんだ道行きでしょうやねっ。

お吟味様も、粋なお裁きだねぇ~
凛も安堵したように微笑む。

今月は月番が北町で良かったねぇ、
南のお吟味与力様は、たいそう厳しいお方だって、
評判だからさ。

そうかい、
およねさんは、
王子権現の、茶店娘だったって云うから、

権現様が味方して下さったんだろうよ~

他人事ながら、凛は安堵した。
自分の好きな男が、刺青者だったから・・

罪人は時として、罪がなくてもなっちまう、
それを知っていたからだった・・


☆ちょっと続きをUPしてみやした~♪
 生きてるよ~ってお知らせですが、
 読んで頂けたら幸いですねん(*^▽^*)

コメント

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1 ■しかと

始末、読みました。

momoさん、目を大事にしながら、できたら江戸物続けて書いてくださいね。

気風がいいというか、すっきりとした読後感がとっても好きなんです。

2 ■★八兵衛さん^^

むふふぅ~嬉しいねぇ♪

庶民の情話は、温もりがいいよね~
こつこつ書いて行きます(*^▽^*)
週末UPを、目指してるでやんす~!

3 ■きっちり

読ませて頂きました♪
momoさんの物語に出てくる女性はなんとも良いなぁ♪
あんな女性に惚れられたら人生で最高の幸せなのかも。
あ、こんなこと言ったらカミさんに島流しの刑にされちゃう^^;
自分自身の男を上げなきゃダメですよね♪

4 ■★ゆうたんさん^^

島流しですかぁ~(ノω・、)
そりゃ、怖いですね~;

男を挙げるって、良い言葉です!

うだつが上がるっていって、
建物の軒にもう一つ、屋根のある支えがつく、
それを、うだつって呼ぶらしいのね。

男を上げて、かみさんを、ぎゃふんと言わせて、
やって下さいなぁ~(^▽^)o

5 ■無題

このところ、ずーっとバタバタしてて、
momoさんの物語も飛び飛びにしか読めなかったので、
今、昭和落日伝を最初から読んでるの。
じっくり読みたいもんね。
楽しませてもらってます。
感想はちゃんと読んでからにします。

6 ■良かった

悲しい結末よりはこういう温情ある結末がいいですよね(^O^)

私遠山の金さん好きなんです(´艸`)

凛さんの好きな人の話…楽しみにしています


無理ないように書いてくださいねo(^-^)o

7 ■無題

しかと読んでますよ~(^∇^)

8 ■無題

この物語の最初を読んでから、蕎麦が食べたくて、食べたくて…(笑

やっと、昨日のお休みに、天ざる食べに行きました♪


続きも、楽しみにしてます!w

9 ■は~い。

生きてますか~(笑)

落日伝、マジで本にしましょう!!

10 ■こんにちわ~♪

どうにも、エネルギーが無いんで、
毎日は書けないんですが、
ぼちぼち書き溜めております(^-^)/

★ウルトラさん
お忙しいのに、来て下さってありがとね!
感想、楽しみに待っています~♪

★まみっちさん
心中は、ちょっと悲しいんで、
こんなんですが~(;´▽`A``

いろいろ調べている時間が多くって、
飛ばして書けませんが、ゆっくりやります~

★okkoさん
わ~い、ありがとう~(*^▽^*)
こういうの書いてると、他のブログにも、
伺えないんですよ・・・

★英里さん
蕎麦は大好きなんですよ~♪
お休みが少なくって大変だね・・(^~^)

英里さんみたいな気風のよい、
可愛い女を書いてみますね!

★はねさん
なんとか生きてます~(ノ´▽`)ノ

プレゼントありがとうね!
お水で毎日、目も洗っておりますよ~!
はねさんの本も読んでますよ!

いま、古い落日伝も整理してます~
私になんかあったら、息子に葬式いらんから、
本にしてもらおうって(笑)

11 ■ここまで読んで

紙で読みたいと思いました(*´∀`*)

12 ■★ことらさん^^

ご訪問、有難う御座います~ヾ(@^▽^@)ノ

時代物は、コメ少ないので、淋しいのです~;
良かったら、続きも読みにきてくださいね(*^▽^*)

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