昭和落日伝・奈津子38・(島田⑦)
テーマ:昭和落日伝こんにちわ~
バット一つ下さいなぁ、
奈津子は、タバコ屋の窓口で、
覗き込むように声を掛けた。
はい、お待ちください~
奥の棚に、煙草箱を載せていた京子は、
振り向くと、あらっと微笑んだ。
荒物屋の奈津子さんですよね~
旦那様のお使いですか。
あい、うちの人は仕事合間の一服が、
楽しみのようなんですよぉ、
ほんとはね、看板娘の京子さんのお顔を、
見たいのかも知れませんけどね~と、
目をぐるりと回して、にっこりおどける。
それからねっ、
これは、島田さんからの、お手紙です、
実はね、お二人のお出かけの時にね、
先生のお宅の下働きの人に、
見られたらしくってね、
先生のお叱り頂いたらしいんですよ~
島田さん、とっても、しょ気てらして、
見てるのもお気の毒でね、
うちの人が、京子さんには、
ちゃんと説明しておあげなさいって、
手紙を勧めたようなのよ、
嫌がらずに、読んでさしあげてね、
私もね、人を思う気持ちは、
よ~く解るの・・
うちの人と一緒になるまでは、
そりゃ、切なかった・・
奈津子は思わず、胸の前で手を絞る。
そんな事があったんですか・・
有難うございます、
きっと、読んでご返事を書きますわ、
奈津さん、私と年もさして変わらないのに、
ほんとにしっかりなさってて、
だんな様も、とてもお優しい方で、
羨ましいですわ。
あい、私は幸せもんですよ、
惚れたお方と、一緒に暮らせるのは、
女の幸せですもんね~
年明けには、赤子も授かりますの。
京子さん、島田さんはまれにみる位、
純で清清しいお方ですよ、
浮ついた女たらしでも、
いいかげんなアプレでもない。
どうか周りに惑わせられずに、
真っ直ぐに、見てあげて下さいましね。
奈津子が店に戻ると、
和三土で、岡田と爺ちゃんと島田が、
三人で茶を飲んでいた。
奈津子を見ると、急に黙ったのをみると、
女の話でもしてたのに、違いない。
あれぇ~怪しいわね~
女に聞かれちゃ困る話かい。
島田は赤くなり、岡田はとぼけて奥を見て、
爺ちゃんは、
あははっ、女の勘はおっとろしいや、
大口あけて笑った。
爺ちゃんまで、いやらしい~ね~
手練手管でも、手ほどきしてたのねっ、
あ~なんて人達だこと、
島田さん、京子さんて良いお嬢さんだね、
手紙とっても嬉しそうだった、
お返事書きますわ、そう言ってたわよ~
奈津、お前最近、おけいさんに似てきたぞ、
そんな訳知り顔の、年でもあるまい、
おきゃぁがれ、岡田も伝法に言い返して笑う。
奈津子は頬を膨らませて、
せっかくお使いに行ってあげたのにぃ~
あなたぁ、何処の女の話してたのよ~
煙草を手渡しながら、拗ねた。
おう~っおっかねぇ、女の悋気は、
地震・雷・火事より、こえぇこった、
爺ちゃんは笑いながら、
尾だれの部屋に入って行く。
島田も、一家のやり取りを眺めては、
久しぶりに、楽しい大笑いをするのだった・・







1 ■無題
島田さん みんなの応援入りましたねww
純情青年ガンバです( ´艸`)