(ゲンズブール家の婿・・・ということに対して)
なんて言ったらいいんだろう。。。
アーティスト一家、っていうもの困ったものでね
もっともちっぽけな存在としてメディアに映るよね。
ゲンズブール家で注目されるのは女性だけだし。
あ、リュリュがいるね。
妻の母親の家で食事していて気づいたんだ。
妻の母親・・・ジェーン、だね。
いや、もっとも辛いのはシャルロットと暮らしていることなのかも。
もちろん冗談だけど。
でもなんか・・・罪を感じる、というかね。。。
シャルロットは両親に近い存在だね。
まったく違う空間ではあるけれど、お互いとてもあたたかさを感じる。
シャルロットと付き合うようになってから
うちの実家には至る所にシャルロットの写真が飾られるようになったんだ。
そして僕の写真がこれっぽっちもなくなった。
そして僕はゲンズブール家の婿になり
シャルロットは両親の娘になったんだよ。
(シャルロットとイヴァン 2人のステイタスに釣り合いは取れているのでしょうか)
それはないね。
シャルロットは女優としてのステイタスを築いていて
「アンチクライスト」で栄光を残したからね。
ステイタスの差は歴然だね・・・。
僕は僕なりになんとかなってるけどね。
僕たちの間には有名俳優のカップルという繋がりはないよ。
(では、まず幼少の頃から・・・)
うーん、学校は好きだったね。
結構できる生徒だったよ。
けど、高校で放棄しちゃったよ。
高1でC判定。高2でD判定。
そして役者の道に進んだ。
失敗、というものは何だろう。
それが何だったか想像もつかない。
14歳になる息子を見ていると
こいつは将来どうなるんだろう・・・
って考えてしまうよ。
俺の思春期はとても楽しい時期で
辛いことがあった、という記憶はないんだ。
不安を感じたのはフロラン演劇学校にいる時だったね。
あの頃はまだ18で
「今はいいけど、この後はどうなる?」
って常に考えてた。
けど、この後思わぬチャンスに恵まれたんだ。
それが「愛さずにいられない」さ。
セザールの最優秀新人賞!!だね!
(生まれは?)
テルアビブ(イスラエル)で生まれて
クレテイユ(パリ南東の都市)で育ったんだ。
両親は2度、避難をしているということだ。
元はアルジェリア出身でイスラエルへ逃げてきたんだ。
父は時計職人でシオニストだった。
人種差別で苦労することはあまりなかったらしくって。
イスラエルからフランスへ渡ってきたわけだよ。
だからイスラエルは俺にとって重要な国なんだよ。
かといって、明日、すべての状況が変わったとしたら・・・。
けど俺にはフランスしかないんだ。宗教には無頓着だし。
シャバの日(安息日)にだって、クスクスを食べてるし
アラブ系のユダヤ人だと自分では思っているけどね。
クレテイユではマグレブ系のイスラム教徒の隣人がいたし
俺の家と同じような料理を食べていたのか
台所のにおいは同じだったよ。
一人っ子の俺はとても気楽で楽しい人生を送っていたと思うよ。
スコセッシやコッポラの映画を見ていた。
パチーノは大好きで、ほら、俺と同じ小柄の褐色の髪色でさ。
って、またまたそんな事言って、って?ハハハ。
子供たちがパリ7区で豊かな暮らしをしている事を考えると・・・
俺の子供時代と比べるとこっけいだね。
なんせ集合団地に住んでいたんだから。
ブルジョワ化してしまったのは無理もない。
クレテイユに残れというのもどうだかね。
不平さと強情さを身に包む
まったく飾り気のないその男は
我々に語り始めた。
半分本気、半分冗談まじりのトーンで
まるでそれは彼のブランドのごとく。
46になるその少年には
たくさんの夢が待ちかまえている。
まもなく3人目の子供の誕生を迎える。
(インタビューの数日後に誕生したおJOEちゃん)
9月には監督として第3作目の撮影が始まる。
いつかやってくる成功・・・。
成功、またの名は不満ともいう。
皮肉めいていうとモチベーションともいう。
イヴァン・アタルはそわそわしている。
噛んだ爪を見ればわかるように
最近禁煙を始めたからだ。
そのブラックユーモアは皮肉めいた一面と
ウッディ・アレンやジャン・ピエール・バクリのような
欧米の映画人の雰囲気を醸し出している。
そしてその大きな耳と小粋な風貌が
ケンカっ早い遊び人という印象を与える。
・・・続く
コーヒーを飲みながら幾度か笑いが起こった。
イヴァン・アタルは子供のような
茶目っけのあるイタズラをしかけてくる。
そして彼の作品について
商業的に成功したか、シナリオに問題がなかったか
共演した俳優たちが、そこそこ愛想がよかっただとか
成功してうぬぼれてたりするだとか話してくれた。
偽善に満ちた世界で生きていくには
このような正直さが必要となるのだ。
たとえ成功していなくても
失望の中にいても
後悔の中で夢が叶わなくても
オファーを断らなければならないこともあるのだ。
フォトセッションは早く済ませるし
笑顔も求めないから、と約束し
数日後に写真撮影をすることに。
約束通り、イヴァンは1人で現場に到着。
見知らぬヘアメイクなどスタッフに囲まれながら
少し緊張しているようだ。
けれども微笑ましく接してくれる。
続く・・・。
「愛さずにいられない」で注目され
ちょっぴり≪バッド・ボーイ≫な役が続く。
監督として妻のシャルロット・ゲンズブールを主役に2本の作品。
この3児の父はまだまだ成長したいと願っているようだ。
監督業を再開した今、彼はどんな事を話してくれるのだろうか。
ある土砂降りのパリの午後。
イヴァン・アタルは愛車の”スマート”を通りに停め
ビストロの中へ駆け込んできた。
Liberation Nextの記事のためのインタビュー。
スタイリスト、記者、そしてイヴァン。
皆、とっつきにくい奴が来るのだろう・・・と考えていたが
そこに現れたのは、飾り気はないが
仕立てのよいの服を身に包んだ、なんとも上品な男だった。
「さぁ、なんでも話す準備はできてるよ。楽しみにしてたんだ。
イメージっていうのは、不快なものでね。
妻と違って、インタビューを楽しみにしてたんだ。」
続く・・・
Amebaおすすめキーワード