MBS放送は死神ウィルの物語を、一足先に放映だよ。良いお知らせがある事を願う。





「悪魔でアニメ黒執事三期の予想ですから(4)」




クラリスの近隣貴族との社交界デビューを、めでたく果たし一週間が過ぎた。

セバスチャンは届けられた大量の手紙を受け取り気難しい瞳で、大量の手紙を見て溜め息を深くついた。どれもこれもクラリス宛に届いた手紙ではない、全てミーャ宛に届いた手紙である。

パーティーが開催された次の日から、どんどんミーャ宛の手紙が増えていった。わざわざ使いの者を使わして直接ミーャに、手渡す様に主人から申し渡されたと使いの者に言われセバスチャンは断った。

ご機嫌そうな鼻歌が背後から、近付いて来る。同じ黒い燕尾服を、着て居るフレイアだった。

「セバスチャン、おはようございます。お手紙はミーャ宛ですか、ミーャも大変ですねぇ。」

「クラリスお嬢様に、変な虫が近寄らないので心配がありません。」

「まぁ、前向きに捉(とら)えて、考えれば良いと言う事でしょうかね。うふふ。」

機嫌がますます悪くなるセバスチャンを尻目に、フレイアは機嫌が良く楽しいそうである。二人が会話して居ると、軽(かろ)やかな足音が聞こえ近付いて来た。

「セバスチャンさん。」

ドレスの様なメイド服を着たミーャがクラリスの朝のお風呂と着替えを終えたので、セバスチャンに朝食の支度(したく)の声をかけに来た。

「ミーャ、おはようございます。これを貴女(あなた)に。フレイア、貴方(あなた)は庭の草木の手入れを。では、失礼。」

ミーャに大量の手紙を渡すと、ささっと立ち去るセバスチャン。

渡された大量の手紙を困った瞳で見つめるミーャ。

「フレイアさん。お手紙を頂いた方に私は、お断りのお手紙を差し上げてるのに、お手紙が毎日の様に届くのです。私が心から、お慕いしてる方はただ、独(ひと)りだけなのに。」

ミーャは大量の手紙の差出人の名前を、一つづつ見た。すると、ミーャは嬉しいそうな表情になりフレイアを見つめた。

「ミーャ??」

「フレイアさん。クラリスお嬢様宛にお手紙ですわ。」

「珍しい事が、あるモノですね。」

ミーャは手紙を持ち駆け出す。フレイアは後を追い掛けた。






食事を終えたクラリスに手紙を差し出すと─────────

大広間のソファーに座るクラリス。ペーパーナイフでセバスチャンが手紙の封を開封し、銀のトレーに乗せてクラリスに渡す。

クラリスの様子を守る三人。クラリスは便箋(びんせん)を取り出し、表情一つも変えず見て居る。

「セバスチャン、お前達が期待する様な手紙ではない。雇用(こよう)の要望の手紙だ。メイドをお希望か……ミーャ、お前一人では休暇(きゅうか)も取れないでしょ。メイドを一人、雇用(こよう)しても良い。」

「どこもの身元が判らぬ、者を雇(やと)うとはクラリスお嬢様、どの様なお考えでしょうか。」

「雇用(こよう)を決めるのは、この私だ。セバスチャンお前が、決める事ではないわ。」




数日後に手紙を出した女子が来た。



「あのですだ。」

髪を二つに結び眼鏡(めがね)をしケープを羽織(はお)り、正装(せいそう)姿の女子は小さな鞄(かばん)を手に持って居た。

使用人専用の裏口で出迎えたのは、セバスチャン。

「セバスチャンさん!?」

メイリンは驚き咄嗟(とっさ)に声を出し叫んだ。セバスチャンは何一つ表情を変えず、涼しい声で言う。

「お入りなさい。クラリスお嬢様が、お待ちです。クラリスお嬢様の前で、その様な騒がしい声を発しない様に。」

「クラリスお嬢様…… やっぱり、シエル坊ちゃんじゃないですだか。坊ちゃん。」

※この小説はアニメ黒執事Ⅱの設定を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





         黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス後編





自称サンタクロースの若い男子は咳(せき)ばらいをし、寝室の扉をゆっくりと開けた。

「ルカ、アロイス。」

二人の名を呼んだ。ケルベロス二匹は後ろに礼儀正しく控え座って居る。 ルカとアロイスは眠って居る。ハンナは扉の前を見ると驚く。

「そう驚くな。しかと、ハンナそなたの願いは聞きどけた。寝室に進み出しても良いかの??」

若い男子はハンナを必要以上に怯(おび)えさせない様に、優しく言い入室を求めた。

「貴方(あなた)達は??」

ハンナはベッドに横になっており、隣で眠って居るルカとアロイスを不安げに抱きしめた。フレイアに手紙でサンタクロースの事は頼んだが誰が来るとは聞いてなかった。

「わしは神でサンタクロースだ。と、ケル…… 」

若い男子がそう言うのを、遮(さえぎ)る様にケルベロスが言う。

「我らは、このサンタクロースを運ぶ神獣(しんじゅう)だ。フレイア殿の約束を果たしに来たと言おう。」

会話をしてるとルカが眠たげに目をこすり起きた。

「ハンナママ、だれとおはなしてるの??あのひとはだれ??」

「ルカ、良い子にしてたか?? わしは、サンタクロース。」

若い男子がそう言うとルカは目をぱちぱちさせ喜びの声をあげた。アロイスはハッと目を覚ました。

「誰だよ、お前ら。」

「だから、サンタクロースだ。よぉし、着替えろ。今からパリまで空を飛んで行くぞ。」

「おい、パリまで何百キロあると思うんだ。勉強して来いよ。空を飛ぶ??」

アロイスはサンタクロースを小馬鹿にし言う。サンタクロースは気にもしてない。

サンタクロースとケルベロス二匹は、さっき屋敷に入ったバルコニーへ向かう。トンプソン達とクロードは追いかけ。

ハンナはルカとアロイスを出掛ける為に二人の着替えを始めた。自分も付いて行くので着替えた。バルコニーへ三人も向かった。




バルコニーにはケルベロス二匹がおりソリを牽(ひ)いて、ソリには若い男子が乗って居た。三人の姿を見て手招きし呼ぶ。

ルカははしゃぎ、ソリへ乗る。アロイスは怪しみながら乗る。ハンナは嬉しいそうに乗った。

「ちゃんと寒くない様に着込んで来たな。よぉし、行くぞ!!」

「おう。」

ケルベロスは二匹は返事をするとバルコニーの塀(へい)を軽く飛び越え、空へ高く舞い上がって行く。



ソリはひゅんひゅん風を切り、雪が飛び舞い散る。


幾(いく)つものの山や川に街を飛び通り越し、パリへ。


「サンタクロースさん。すごいよ。」

ルカは若い男子にしがみつき言う。アロイスはそんなルカを大事に後ろから抱きしめて居る。ハンナはアロイスの横。

「プレゼントもあるのだ。」

「プレゼントあるってよ。ルカ、良かったな。」

「ぼく、プレゼントいらない。サンタクロースさんきてくれたもん。サンタクロースさん、あかいようふくじゃないけどうれしい。」

「来年は赤い服装で来てやんよ。」

「素直で良い子だな、ハンナ。そなたの行(おこな)いと心がけは聞いておる。」

ケルベロスはご機嫌でそう言う。

ハンナは涙ぐむ。




クリスマスと言うのでパリの街は華やぎ、人々が出歩いて居るのが上空でも良く見える。パリ上空を飛び回る。





はしゃぎ疲れたルカとアロイスはうとうと眠り始めた。


「寝たか。子供達が喜んでくれたなら、わしはそれで良いのだ。」

「我らもだ。」

「うむ。」





屋敷のバルコニーへ帰宅した。

クロードとトンプソン達が帰宅を出迎えた。

「わしらは、ここで退散(たいさん)するぞい。では、プレゼントは寝室に用意してあるから渡してくれい。では、ルカと約束したから、来年は赤い服装で来るからな。」

「はい、その様にお願いします。来年もお待ちしております。」

ハンナはルカを抱きかかえ正体不明の神である若い男子に一礼をした。クロードがアロイスを抱きかかえた。

ケルベロスはまた、バルコニーの塀(へい)をひょいと軽く飛び秒速で去って行く。ソリに乗った若い男子は手を振る。



ハンナとクロードは寝室へ向かった。




      黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス the end
※この小説はアニメ黒執事Ⅱの設定を基に、二次創作として執筆しております。 一個人の解釈なので、原作やアニメ制作会社、出版社とは一切関係ありません。その点をご理解いただき、お読み下さる様お願いいたします。





         黒執事Ⅱ ルカアロ&悪魔でクリスマス中編





屋敷の2階のバルコニーに人影と四本足の生き物が二匹。人影はバルコニーのドアを叩く。トンプソン達がひそひそと三人で耳を寄せ合い話して居ると蝋燭(ろうそく)を燈(とも)しクロードがやって来た。

「ほぉ。これがサンタクロースか。」

クロードは眼鏡(めがね)のブリッジに手をやり触る。

黒いロングコートを羽織(はお)り黒革のブーツ。男性は背は高く深い栗毛色の短い髪で、なんとも幼い顔立ち。クロードは油断し自分よりも格下と思った。



「やれ、開けえい。」

「真夜中に不躾(ぶしつけ)な来客とは。貴殿、の様な者は……」

外の四本足の生き物は全身は毛足は長く白銀。フサフサで立派な鬣(たてがみ)を生やし百獣の王であるライオンの様にも見える。二匹は雪道を滑るソリを牽(ひ)いており、身体を揺らしソリの金具を解除した。


「フレイア殿の頼みだから、この様な用件を引き受けただけだ。ほう悪魔だ、そちは何をしてるのだ。」

「悪魔は我々を中に、招き入れる気はなさそうだな。ほれ、中へ入るぞ。」

二匹に言われ若い男子はクロードを気にせず言う。

「おうよ。しかし、聞き分けのない悪魔よのう。子供達が寝てるからそっとな。」


クロードは気がついた。人間達には地獄の門番と言われ、畏(おそ)れられるケルベロス二匹だった。外の来客達はクロードの返答を気にもしてない。クロードは男性の正体を突き止め様とした時に、自動ドアの様にバルコニーのドアがひとりでに動き開いた。

トンプソン達は攻撃もせず、男性とケルベロスを見た。

「お前達、何をして居る!?」

「わしはサンタクロースだ。分かったなら、ハンナと子供達が居る場所へ案内しれ。」

「貴殿の様な無礼者を案内する事は、ない立ち去って頂こう。」

「やい、クロード。わしはな、約束は果たす男だ。そこを退(ど)けい。」

クロードは見ず知らずの若い男子に、自分の名前を呼ばれ驚く。 その瞬間に男子と二匹は音も立てずに屋敷の中に居る、クロードの背後に姿を移動させた。

「逆らうと、どうなるかわかるな??」

若い男子は人懐(ひとなつ)っこい笑顔で言いながら、クロードの首に腕を廻しグイっと力を込めた。

クロードは苦い顔をし背後の若い男子を睨む。

「わしは神で、名前は─────── 今日はサンタクロースと言う事にしとけ。良いな??」

二匹のケルベロスは屋敷の空気の匂いを嗅(か)ぐと、ハンナ達が居る寝室を探(さぐ)り当てた。

「今日は特別の日だ。無礼を赦(ゆる)せ。我らも、この様な事はそうない。ハンナに敬意(けいい)を捧ぐ。悪魔でありながらら、なんとも慈悲(じひ)深い事よ。」

ケルベロスの一匹はそう言うと、もう一匹と若い男子はうんうんと確かにと言いながら頷(うなず)く。

クロードの首から腕を離すと一人と二匹はさっさと歩き出し、ハンナ達が居る寝室へ向かう。トンプソン達はひそひそと話し案内した。

クロードは後を追いかけた。



そして、ハンナ達が居る寝室にたどり着いた。黒衣のサンタクロースは扉をノックした。