週末、観ておきたい展示があったためひさびさに初台のICC へ行ったところ、
観覧後のショップで、雑誌『InterCommunication』が休刊したことを遅ればせながら知りました。


この季刊誌は、メディアと社会の関係について、高みから語ろうとする良質な雑誌で、
時折興味のある特集の号は買っていたので、非常に残念です。


最終号となった2008年夏号は、3ヵ月も前に発売されていたわけですが、いまさら買いました。
特集は「コミュニケーションの未来」。
「コミュニケーション」という活動/概念/現象について、いささかバードヴューで考えたいという方は、
ぜひ読むことをお勧めします。


まだ読みかじり始めたばかりですが、

 山本貴光「コミュニケーションの思想――バベルの塔からバベルの図書館へ」
 濱野智史「『ニコニコ動画』をめぐる冒険――『擬似同期型アーキテクチャ≒複製技術II』のアーキテクチャ分析」
 濱野智史「ソーシャルウェア生態系マップ」
 荻上チキ「可能なるネット・リテラシー」
 鼎談「コミュニケーションの未来――ゼロ年代のメディアの風景」

…は、興味深く読めました。


特におもしろかった箇所を一個だけ、鼎談から抜き出します。

今インターネットは、「文脈を保存するメディア」に向かって進展しつつあるのではないか、と考えているんですね。(略)ニコ動やTypeTraceといったアーキテクチャは、一度インターネット上からこぼれ落ちてしまった文脈情報を、再び取り戻そうとしている。だとすれば、もしかしたらインターネット上の炎上や暴走といった問題も、いくぶんかは解消に向かっていく可能性があるのでは、というのが僕の考えです。


鼎談「コミュニケーションの未来」における濱野の発言, 『InterCommunication』 No.65, p.107.

インターネットが普及し始めて10年あまり。
ユーザーはいまや国内で8000万人近くに達していて(『インターネット白書』)、
リテラシーの有無、高低を問わず、あまねく利用されるメディアとなっています。


そうした状況で、インターネットはいかなるコミュニケーションを可能にするのか、
この問題は、通常の業務であるプロモーション設計などとはまた次元が異なりますが、
考えていきたいと思っています。


( 新井俊悟 trg

Link:InterCommunication (NTT出版)
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