ウサイン・ボルトと3回遭遇 | Minako Ikeshiro' s Tokyo Journal

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音楽ライター、池城美菜子のblog。2016年8月19日に『ニューヨーク・フーディー〜マンハッタン&ブルックリン・レストラン・ガイド』を出しました。

 日本で観るオリンピックは、とても新鮮でした。

 

 自国が強い競技を中心に放映するのは、どこも同じ。でも、アメリカは日本の比ではないくらい偏っていたように思います。まず、そこまでオリンピック一色にならない。一般的には野球、バスケ、アメフトの3大スポーツの方が関心が高く、そのまま競技を流しても高い視聴率を望めないのか、妙な盛り上げ方をします。放映権も、日本のようにばらさないでNBCが独占しています。

 

 他局のドラマやリアリティ番組に対抗するためか、それまでの成績を元に、決まった競技の決まった選手を中心にストーリーを作り上げて、変なドラマ仕立てにする。開幕前の特番ならわかるのですが、会期中でも競技の中継時間を削って『アメリカン・アイドル』ばりにその選手の生い立ちを紹介します。先のロンドンでは、女子の体操がそうでした。そのドラマで「脇役キャラ」を与えられていたギャビーことガブリエルちゃんが大活躍したものだから、慌てて筋書きを変えてなんだか白けたのをよく覚えています。今年も身長145センチのシモーネちゃんが活躍したようですが、日本で体操といえば男子しか話題にならないので、きちんと見られなくて、残念でした。

 

 日本人選手の活躍ももちろん見たいけれど、純粋に世界のトップクラスの戦いぶりを淡々と映す番組があってもいいと思うのですが、どうでしょう?

 

 あ、例外が一人いますね。スーパースターのウサイン・ボルト選手。

 

 ウサイン・ボルトの個人金メダルは想定内として、400メートルのリレーではぐっと来ました。アサファ・パウエルやヨハン・ブレークら、キャリアの長さが近い盟友たちと走り切って、みんなで有終の美を飾った気がして。アサファ選手もたぶん最後。ボルト選手の前に「世界最速」の称号を持っていたにもかかわらず、ずっと運がないイメージだったので、最後は団体とはいえ金を手にできてよかったです。

 

 ボルト選手は、3回見ています。最初は、ニューヨークでプーマのサイン会。すごい人だかりになって、入場制限がかかっていました。イベントのDJ(レゲエだからセレクター)が友達だったので潜り込めたけれど、さすがにサインは遠慮しました。飄々とした雰囲気の人でしたよ。サインに飽きたら真剣な顔でスニーカーを試していたのが印象的でした。2回目はキングストンの競技場で。走るところは見られなかったけれど、遠目で見ても体がしなやかなのが見て取れました。3回目は、空港。ほかのジャマイカ人より一段を黒光りしていて、練習量がすごいのだろうと思った記憶があります。そうそう、キングストンにか彼が関わっているトラック&フィールドというレストランがあります。

 

 ジャマイカの血が入っているケンブリッジ飛鳥くんと並んで走ったのも見ものでした。ジャマイカに住んでいる、日本人の友だちの多くが飛鳥くんを知っているそうで、話を聞いていたので、親近感があります。

 

 ジャマイカの国の大きさを考えたら、陸上競技であれだけ勝ち続けるのは驚異的です。

 

 その理由を、2014年に出版した『まるごとジャマイカ体感ガイド』に書いたので、興味のある人はチェックしてみてください。

 

 

 ってちゃっかり宣伝。でも、ここ最近、あの本を読んでジャマイカに行ってくれた人の話を続けて聞いてとても嬉しかったので、勘弁してくださいな。