池城美菜子的紐育日記~Minako Ikeshiro' s NY Journal

音楽ライター、池城美菜子のblog。2016年8月19日に『ニューヨーク・フーディー〜マンハッタン&ブルックリン・レストラン・ガイド』を出します。

レゲエ、R&B、ヒップホップのアーティスト・インタヴューやイヴェント・レポート、ライナーノーツの執筆、対訳が業務内容。連載は、Woofin'にレゲエ情報ページ“Labba Labba Train”を書いています。。 Twitterはminakodiwriter です。

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  Woofin'が休刊になりました。

 

 創刊号は1999年。メソッド・マンが表紙でした。黒系音楽誌のbmrとFront(かBlast)が売れていた時代で、記事もどんどん濃くなる中、ファッションを中心にした軽やかな誌面で、ヒップホップ・カルチャーにつま先から入りかけた10代はずいぶん間口が広く感じたのではないでしょうか。

 

 Woofin'は、初心者には敷居が高かった専門誌より、ぐんと身近で手に取りやすかった。その一方で、音楽の出版社が出しているだけあって、短くてもシッカリした信頼できる記事が掲載されていました。

 

 夏以外はほとんどの商業誌に半無視されていた(ええ。ホントに)レゲエにも積極的でした。私が書き始めたのは、02年か03年。ショーン・ポールやエレファント・マンが売れて、ダンスホール・レゲエが大流行りした時期ですね。

 

 連載の『Minako Ikeshiro Labba Labba Train』は05年の5月から。Mighty CrownのSami-TやRyo The Skywalker、Murasakiさんなどすでにレゲエ寄りの連載があるなかで、海外発のレゲエ情報があってもいいのでは、と里帰りのときに私が声をかけたのが実現しました。

 

 実は、夏季限定で「とりあえず3か月やりましょう」という話だったのです。それが、案外好評だったそうで、今年の6月まで11年にわたって走り続けました。あとの118回はおまけだったのかも。タイトルにMinako Ikeshiroと入れていただいてとてもうれしかったのですが、ほかの連載同様、顔出しをせず客観的に書いていたのが、結果的に男性向けの雑誌で浮かずに続けられた理由かもしれません。顔を出さなかったのは、SNS時代になじんでいるようでそうでもない、古いタイプのライターであるのも大きいのですが。

 

 そうそう。デザインがリニューアルされるまで、スプレー缶のグラフィティで、タイトルと列車の絵がが入ったキャップの写真を掲載していました。あれ、King JamのHajiの作品です。その頃、ハーレムでTシャツやキャップに絵を描いて学費を稼ぐくらい、上手だったのです。

 

 Jay-Z、ダミアン・マーリー&ナズの巻頭インタビューができたのもうれしかったなぁ。私はR&Bとヒップホップの記事はbmrに書くことが多くて、そのあたりをWoofin'で担当していた石川愛子ちゃんと取材や出張でよく一緒になりました。アトランタでP・ディディによる市内引きずり回しの刑にあったり、R・ケリーinラスベガスで思いっきり迷子になったりしたのもいい思い出。愛子ちゃんとは、「女性アーティストの話し方を毎回“〜よね”、“〜だわ”、“〜かしら”と訳するのはおかしい」と大マジメに話し合ったっけ。エリカ・バドゥやリアーナなんか、軽くべらんめぇ口調ですし。

 

 『Labba Labba Train』は、私の連載では、bmrの『Oh! My Bad』の次に長く続きました。歴代担当者の井口さん、茂木さん、竹脇さん、編集長の上木さん、瀧さん、大変、お世話になりました。「クラッシュの話は濃すぎるのでは」とか、「読者さんと年齢が離れて、実像がよく見えてないな」などと悩んだことも。Woofin’編集部はとにかく優しくて、そのたびに「大丈夫です、濃い方がいいんです」となだめてもらっていました。

 

 11年間で一度だけ、「もう降りますね!」とブチ切れたことがあります。なんて書くと、激しい人みたいですが、海外だと取材の設定やフォトパスの入手もライター自身で行うケースがあり、その苦労が伝わらなくて困ったのです。似たような事件がほかの雑誌でも2回あったから、「海外在住ライターあるある」かもしれません。それだけ腹を割ってやり取りができたのは、ありがたかったです。


 

一つ前の号でごめんなさい。近所の本屋さんになかったの。ダメじゃん、商店街。

右は、連載が縁でシンコーさんから出版した『Di Reggae Book』です。10年前。わー。

 

 連載が終わるのは、慣れ親しんだ職場を離れるような寂しさがあります。

 

 今回は、私が日本に帰ってきたことで休刊の前に一度、終わりにしました。実はですねー、3か月前に挨拶にうかがったときに、違う形で連載を復活させる話があったのです。今度は、レゲエの歴史や、多角的な楽しみ方を提案するような連載にしようと、Jah Ikejiro、なんならトピック一覧表もちまちま作っていました。

 

 その話が遅々として進まないなーと思っていたら、休刊のお知らせが来て、ポカーンとしました。17年間、一つの雑誌を続けるのは大変です。それだけ、信頼も厚いし、Woofin’という名前はアーバン・カルチャーの中で立派なブランドになっています。ムックでもオンラインでもいいから、Woofin'の名前を引き継ぐ媒体をシンコー・ミュージックさんが作ってくれることを、切望します。

 

 編集部の皆さまおよび関係者の皆さま、読者の方々、どうもありがとうございました。一緒に日本のブラック・ミュージックの歴史に残る雑誌に参加できて、とても幸せでした。

  

 Labba Labba号は一旦、車庫で待機していますが、レゲエ・ネタは一生尽きないので、近い将来、また走り出すつもりです。

 

 

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