ソフトバンク経営陣に亀裂鮮明!次期社長候補アローラ氏が孫社長を「素人扱い」で痛烈批判 | YAHOO!JAPANニュース

YAHOO!JAPANニュース

YouTube Amazon Facebook GungHo Google LINE ポケモン
ポケモンGO Pokémon GO

ソフトバンク経営陣に亀裂鮮明!次期社長候補アローラ氏が孫社長を「素人扱い」で痛烈批判

 ソフトバンクグループの孫正義社長と後継者候補のニケシュ・アローラ副社長に亀裂が走った。アローラ氏が孫氏の投資手法を「趣味的」と痛烈に批判したからだ。2人の関係を株式市場は注視している。

 ソフトバンクグループは6月3日、保有する中国の電子商取引大手アリババ・グループ・ホールディング株式の売却総額が100億ドル(1兆900億円)に達すると発表した。1日の発表時点では79億ドル以上を予定していたが、シンガポールの政府系ファンドのテマセクなどの投資家から購入希望が殺到。このため2日に10億ドル、3日に11億ドルの追加売却を決めた。アリババ株の持ち株比率は32.2%から27%に低下するが、ソフトバンクグループの持分法適用会社の位置付けは変わらない。

 さらに、保有するガンホー・オンライン・エンターテイメント株の売却も決めた。ガンホーはスマートフォン向けゲーム「パズル&ドラゴンズ」で知られ、孫氏の実弟・孫泰蔵氏が創業した会社。ソフトバンクが6月1日に株式売却を打診し、ガンホーは3日、TOB(株式の公開買い付け)で買い取ることを決めた。売却額は730億円。ソフトバンクの持ち株比率は25.77%から2%となり、持ち分法適用会社から外れる。

 スマホ向けゲームを手がけるフィンランドのスーパーセルの株式売却も検討している。現在、発行済み株式の73%を保有しており、数千億円規模の資金を調達できると見込まれている。

 グローバル展開への新たな取り組みを発表した昨年5月の決算発表時に、孫氏は「今後はこれまで以上に投資・売却が頻繁に起こる」と述べ、「保有した株は(原則)売却しない」という従来の方針を転換した。

 グローバル経営の機関車役として、2014年にニケシュ・アローラ氏を招聘した。世界規模でのM&A(合併・買収)を統括する次期社長候補、アローラ氏の権限は強まっている。

 ソフトバンクはここ数年、米携帯電話子会社スプリントの経営再建に追われたこともあり、大型のM&Aが途絶えていた。アリババ株売却を含め1兆円の資金を確保したことから、米ヤフーが35%を保有する日本ヤフーの株式を買い取る軍資金にするのではないかとの観測が出ていた。

 この点に関してアローラ氏はアナリスト向けの電話会議で、アリババ株売却で得た資金は財務の改善に充てる予定だと説明。日本ヤフー株を追加購入することはないとの考えを示した。

 ソフトバンクが保有する株式の売却をめぐる一連の報道で、市場関係者の目にとまったのは次の部分だ。

「グーグル出身のニケシュ・アローラ副社長は、孫氏の従来の投資手法を『趣味的』と評し、今後は『持続可能な戦略とすべきだ』と指摘していた。アローラ氏の方針に従い、ソフトバンクは『投資だけではなく、計画的な回収をしていく』(後藤芳光常務執行役員)」