MLBの魅力を独自の視点で綴っていく
R・ジョンソン
MLB史上最高の左腕といえば次の5人が挙げられる。
スモークボールと恐れられた剛速球で
1930年代に君臨した300勝投手「レフティ・グローブ」
20勝以上13回・最多勝8度・左腕最多の363勝をあげ、
主に1950年代に活躍した「ウォーレン・スパーン」
27勝した30歳で引退、5年連続防御率1位、
通算165勝ながら1960年代に強烈に輝いた「サンディ・コーファックス」
左腕2位の329勝・歴代4位の4136奪三振・
1970-80年代フィリーズの大黒柱「スティーブ・カールトン」
そして「ランディ・ジョンソン」
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そのランディ・ジョンソンが引退を表明した。
・4年連続含む5度のサイ・ヤング賞
・40歳にして完全試合達成
・通算303勝は歴代22位(左腕5位)
・通算奪三振4875は歴代2位(同1位)
・通算被打率.221は歴代8位(同3位)
・通算奪三振率10.61は圧倒的な歴代1位
※順位は2009年シーズン終了時点でのもの
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歴代奪三振王「ノーラン・ライアン」の手ほどきにより制球難を克服、
20代後半にして才能を開花させ、大投手へ一気に駆け上ったランディ。
2m08cmの長身から
サイドに近いスリークォーターで投げ込むストレートとスライダーで三振の山を築き、
最も打ちにくい投手とも評された。
2001年のワールドシリーズでは鬼神のごとき活躍で
ダイヤモンドバックスを初のワールドチャンピオンに導き、
カート・シリングとともにシリーズMVPに輝いたのは記憶に新しい。
また、45歳267日での300勝到達は
フィル・ニークロの46歳189日に次ぐ史上2番目の高齢。
24人の300勝投手のなかで、30歳以降での勝利割合.766もニークロに次ぐものであり
MLB史に残る遅咲きの大投手ともいえる。
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ランディ・ジョンソンの代名詞といえばやはり「奪三振」。
くしくも師であるライアンがほとんどの記録を保持していたこのカテゴリーで、
ランディはその多くを塗り替えた。
通算奪三振(5714)やシーズン奪三振(383)の更新はついにかなわなかったが、
奪三振関連の特筆すべき数字はいくつもある。
・1試合・9イニングでの20奪三振(過去3人が4度)
・史上最高のシーズン奪三振率13.41(2001年)
・5年連続300奪三振以上(1998~2002年)
・1試合15奪三振以上29回・・・など枚挙に暇がない。
とりわけ「5年連続300奪三振以上」は、
今後誰も成し遂げることはない不滅の記録と思われる。
※第2位はライアンの3年連続。2年連続は複数名が記録
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その風貌もさることながら、
圧倒的な威圧感と凄まじい投球で一時代を築いた「ランディ・ジョンソン」
我々の心に消えることのないインパクトを残し、
「ビッグ・ユニット」はマウンドを去る。
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指名打者の評価
間近に迫る2010年のMLB殿堂入りの投票・・・
走・攻・守に完璧だった二人、二塁手ロベルト・アロマーと遊撃手バリー・ラーキン、
さらには史上最高の指名打者エドガー・マルチネスらが今回新たに有資格者となる。
オールスター11回、ゴールドグラブ10回、抜群の野球センスと身体能力を誇り、
史上最高の二塁手の一人にあげられるアロマーの初年度での殿堂入り濃厚と予想されるなか、
キャリアの多くを指名打者で過ごした「エドガー・マルチネス」がどう評価されるか興味深い。
マリナーズ一筋、長年にわたり中軸を務め、
チャンスに強く常にハイアベレージを残してきたマルチネス・・・
しかしその殿堂入りは容易ではなさそうである。
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実は、
マルチネスにとっては嫌なデータがある。
2001年で引退した「ハロルド・ベインズ」・・・
指名打者としてMLB史上最多の1652試合に出場した名選手だが、、
資格初年度(2007年)の殿堂入り投票での得票率はわずか5.3%(殿堂入りに必要なのは75%)、
3年目の2009年も5.9%・・・と票が全く伸びていないのだ。
ここでベインズとマルチネスの通算成績を比較してみる。
ベインズ・・・・・2830試合・2866安打・384本塁打・1628打点・打率.289
マルチネス・・・2055試合・2247安打・309本塁打・1261打点・打率.312
マルチネスの通算打率.312はさすがだが、
しかし、安打・本塁打・打点などの積み重ねの数字はベインズには到底及ばないのが分かる。
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指名打者というと、一般的には
打線の中心としていかに得点を生み出すかを求められる。
そこで二人の「打点」に注目してみる。
ベインズの通算1628打点というのは2009年シーズン終了時点で歴代29位。
現役選手や引退5年以内のまだ殿堂入りの有資格者ではない選手を除くと、
ベインズは最も多くの打点をを残しながら殿堂入りできていない選手なのである。
(※その次が歴代34位・1591打点のアンドレ・ドーソン)
一方マルチネスはというと、
通算1261打点は、実は歴代100位にも届いていない。
単年で見ると確かにベインズよりマルチネスの方が爆発力があった。
100打点を超えたシーズン数は、
ベインズ3回に対してマルチネスが6回。
しかし、殿堂入りは、
単年での活躍より、通算成績がより評価される傾向がある。
この角度から見るとマルチネスの殿堂入りへの道は非常に険しいといえる。
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次に「打率」から考察してみる。
マルチネスの生涯打率.312は素晴らしい数字である。
(歴代順位は63位)
実は1985年に引退したロッド・カルー以降、通算打率が3割1分を越えている選手は
全て資格1年目で殿堂入りを果たしている。
ロッド・カルー
ジョージ・ブレット
カービー・パケット
ポール・モリター
ウェイド・ボッグス
トニー・グゥイン
しかし、パケットを除く5人は3000本安打以上の達成者であり、
パケットにしても、通算2304安打ながらオールスター10度・ゴールドグラブ6度の完璧な選手だった。
緑内障により早期引退を余儀なくされたが、
でなければ3000安打に到達していてもおかしくない大選手である。
上記の6人に比べると、
いくらマルチネスでもさすがに見劣りしてしまう。
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ところで
通算打率が3割1分を下回ると、急に殿堂入りできていない選手が増える。
.307のドン・マッティングリー
.305のビル・マドロック
.303のウィル・クラーク
.302のマーク・グレース
といった具合。
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果たして「史上最高の指名打者・エドガー・マルチネス」の初年度での殿堂入りはあるのだろうか?
守備につかない「指名打者」の評価が改めて下されるといっていい。
まもなく運命の日が来る。
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1990年代-MLB・年代別ベストナイン
1990年代 -1990~1999- |
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<打者> | |||||||||
選手名 | P | AVG | HR | RBI | SB | 備考 | |||
TEX | イバン・ロドリゲス | C | .314 | 22.2 | 87 | 11 | 史上最高の捕手になれるか? | ||
OAK | マーク・マグワイア | 1B | .287 | 57.4 | 128 | 2 | ルースに次ぐホームラン伝説! | ||
TOR | ロベルト・アロマー | 2B | .324 | 18.2 | 90 | 45 | 走・攻・守に完璧な万能選手 | ||
SFO | マット・ウィリアムス | 3B | .289 | 36.7 | 115 | 7 | 抜群の守備力を誇る大砲 | ||
BAL | カル・リプケン | SS | .291 | 24.6 | 96 | 3 | 2632試合連続出場の鉄人! | ||
SFO | バリー・ボンズ | LF | .314 | 40.4 | 121 | 42 | 史上最多762本塁打の光と影 | ||
SEA | ケン・グリフィーJr | CF | .314 | 50.8 | 135 | 19 | 華麗なる天才ホームラン打者! | ||
SDG | トニー・グウィン | RF | .369 | 12.8 | 83 | 14 | 最高の打撃術で8度首位打者 | ||
CHW | フランク・トーマス | DH | .338 | 38.8 | 123 | 5 | 安定した打撃力は随一! | ||
<投手> | |||||||||
選手名 | R/L | W | ERA |
SO |
WP | 備考 | |||
ATL | グレッグ・マダックス | R | 19.4 | 1.96 | 196 | .761 | 空前絶後の17年連続15勝達成! | ||
BOS | ロジャー・クレメンス | R | 19.6 | 2.33 | 254 | .721 | サイ・ヤング賞7回の”ロケット” | ||
SEA | ランディ・ジョンソン | L | 18.6 | 2.74 | 317 | .755 | 驚異の奪三振王”ビッグ・ユニット” | ||
ATL | トム・グラビン | L | 19.6 | 2.74 | 164 | .726 | 抜群の安定感を生む投球術 | ||
BAL | マイク・ムシーナ | R | 18.0 | 3.11 | 185 | .729 | ナックルカーブ駆使の知性派 |
P:ポジション AVG:打率 HR:本塁打 RBI:打点 SB:盗塁
R:右投げ L:左投げ W:勝利 ERA:防御率 SO:奪三振 WP:勝率
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