基礎的な科学概念がきちんと小学生に身に付いていないことに警鐘を鳴らした、総合初等教育研究所の調査結果。同研究所は「児童の理解不足の責任は教える側の問題にある」と指摘している。これまでの別の調査でも小学校の教師の「理科嫌い」が指摘され、教育関係者からは「先生の理科嫌いは児童生徒の理科離れに拍車をかけるだけでなく、科学技術立国を脅かす深刻な問題だ」という声も聞かれる。(安藤慶太)

 科学技術振興機構(JST)が行った平成20年度小学校理科教育実態調査で、小学校の教職5年未満の教師に理科全般の指導をどう感じているかと質問したところ、「やや苦手」が59%に達し、「苦手」も4%だった。

 「5年~10年」の教師でも「やや苦手」56%、「苦手」7%、「教職30年以上」のベテラン教師でも「やや苦手」44%、「苦手」2%。全体でも2人に1人が理科の指導に苦手意識をもっており、教職経験が10年未満の若手教師では6割超になった。

 授業や指導に関する設問でも、多くの教師が自分の知識や授業内容に自信がもてずにいるという結果が出た。

 こうした傾向の背景にあるのが、小学校教員に文系出身者が多く、理系教科への抵抗が強い点だ。「理工学、工学系の学生が教員になる場合は、中学や高校の教員になるケースがほとんど。小学校教諭になる学生はまれだ」(大学幹部)。

 最近では教員養成系の大学を経ずに、教員資格認定試験で小学校教諭になる例も増えている。教員資格認定試験の受験科目では、算数・理科を選択せずに合格することが可能だ。

 非教員養成系の私学から教員になる場合、多くの学生が通信制の教員養成大学で学ぶ。理科の実験や実習の機会がほとんどないまま、教員免許を取得するケースも増えている。ある教育委員会関係者は「人材を広範囲に集めるための配慮として、科目の軽減や通信制に意味はある。だが、そうして教員になった人材がその後、理科指導をスキルアップできる機会は乏しい」と話す。

 ある小学校の教員は「塩酸が怖い、バーナーに正しく着火できないなど、実験に腰が引けた小学校の教諭は多い」と現場の実情を明かす。教科書についても「理科指導を得意とする玄人好みの作りで、実験上の安全対策の記述も薄い。使いづらくて、こなすだけで精いっぱいだ。国が実験重視をうたいながら、理科指導が机上の学問で終わってしまう」と話している。

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