イラン国籍のクルド人兄妹2人に関し、法相が諮問した難民審査参与員が「在留に特別の配慮が相当」との意見を出したにもかかわらず、名古屋入国管理局が在留特別許可を認めず強制退去処分にしたのは違法だとして、兄妹2人が3日、国と管理局を相手取り、処分の取り消しと200万円の損害賠償を求める訴えを名古屋地裁に起こした。

 訴えたのは、名古屋市内に住むいずれも20代の兄と妹。訴状によると、2人は父母とともに00年3月、10代の時に日本に入国した。そのまま在留期限を越えて不法残留状態になったが、兄妹はそれぞれ国内の学校で学び、現在いずれも大学生。

 不法残留について、父母ら家族は難民申請していたが、参与員は06年2月、父母については在留配慮の必要はないとしたが、兄妹2人については「特別の配慮をすることが相当」と意見表明。しかし、同管理局は09年9~10月、2人を強制退去処分にした。

 原告側は「国・管理局は参与員の意見を尊重し、速やかに調査・検討・判断を行う義務があるのに、これを3年以上放置したのは裁量を逸脱し違法だ」と主張。兄妹は在留資格がないため、就職活動や学業にも支障が出ているという。妹は「留学を夢見ているが在留資格がないとかなわない。一日も早く在留資格をもらい、安心して勉強に打ち込みたい」と話している。

 名古屋入国管理局は「コメントは差し控えたい」と話している。【式守克史】

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