戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」で、治安維持法違反の有罪が確定し再審で裁判を打ち切る免訴判決を受けた元被告について、横浜地裁(大島隆明裁判長)は4日、遺族が請求していた刑事補償金を交付する決定を出した。元被告を実質的に無罪とする判断。拷問による虚偽自白と、それに基づく有罪認定など冤罪(えんざい)を生んだ司法の責任に言及するかが焦点だった。最高裁によると、免訴とされた元被告への刑事補償は初めて。
 刑事補償法は免訴とされた元被告について、法の廃止や大赦などの免訴理由がなければ無罪判決を受けたと認められる場合、補償金を交付すると規定。遺族は「実質無罪」を求め、2009年4~5月、法定最高額の1万2500円に身柄拘束日数を掛け、1人約723万~約1057万円の刑事補償を請求した。元被告は4次再審請求の元「改造」編集者小野康人さんと、3次請求の元「中央公論」編集者木村亨さん▽元改造社社員小林英三郎さん▽元古河電工社員由田浩さん▽元南満州鉄道社員平舘利雄さん(いずれも故人)。
 それぞれ1945年に治安維持法違反で有罪判決を受け確定。同年10月、同法は廃止され大赦が行われた。遺族らは「事件はでっち上げ」として、名誉回復のため再審での無罪判決を求めた。再審では、法の廃止と大赦があるため有罪無罪の実体判断はできないとして、免訴判決が08~09年に確定した。
 再審判決などによると、横浜事件では42~45年に編集者や研究者ら約60人が治安維持法違反容疑で神奈川県警特高課に順次逮捕され、4人が獄死、三十数人が有罪判決を受けた。拷問をした警察官3人は戦後、特別公務員暴行傷害で有罪が確定している。 

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〔用語解説〕「横浜事件」
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