都道府県立高校の授業料滞納の累積総額が08年度、全国で計7億9000万円にのぼり、滞納を理由に出席停止処分を受けた高校生が6県で約170人いたことが、毎日新聞の調査で分かった。文部科学省は全国の高校中退者数を理由別に公表しているが、滞納総額や処分件数は未把握。国が導入予定の高校無償化を前に、貧困が学業に及ぼす影響の実態が明らかになった。

 全国の都道府県教育委員会に授業料滞納の状況や対応などを聞いた。08年度に滞納した生徒は8294人。累積総額(時効分を除く)は07年度の約6億9000万円から、1年間で約1億円増えていた。出席停止は、沖縄県133人▽宮城県16人▽静岡県13人▽広島県6人。「数人程度」(滋賀県、熊本県)の回答もあった。

 滞納による退学処分者は、大阪府が納期ごとの延べ数の集計として917人と回答。府教委は「(実数は)正確には分からないが600人以上。本人の意思に反する処分はない。退学処分になれば滞納額の支払いがなくなるため、生徒側が処分を望むケースもある」としている。

 ほかは宮城県10人、広島県4人。大半は「学ぶ機会を保証するため退学処分は控えている」などとしてゼロと回答したが、「処分は学校長の権限。退学者(4381人)に占める処分者の割合は分からない」(東京都)という自治体もあった。大阪府の担当者は「他の県がどう対応しているかは分からないが、(大阪では)滞納が多く処分せざるを得ない」としている。

 「経済的理由だけでは退学処分にできずゼロとしたが、退学処分者(約700人)の中には経済的理由を抱える生徒もいる」(沖縄県)という回答や、「(納付まで)卒業証書を預かったり回収する」(愛知県、佐賀県)という県もあった。

 「滞納者ゼロ」は8県で、京都府は「減免制度で本当に苦しい家庭は授業料を免除されている」としている。

 文科省によると、私立高校では08年度、経済的理由による中退者1123人のうち、授業料滞納者は694人。国は4月から公立高校は授業料を無償化し、私立高校生には世帯の年収に応じて相当額を助成する方針。【佐々木雅彦、北川仁士】

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